批判や怒りに建設的に向き合うために、知っておけば役立つこと

今回の話は、
批判や怒りに
建設的に向き合うために
知っておけば役立つこと
について。

他人からの批判や怒りに
動じなくなるには、
どうすればよいか?

自分が誰かに怒りを感じたり、
批判したりするとき、
何をすれば、
より良い方向へ自分を導けるか?

心得えると便利なことを
お話したい。

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まず最初に、批判する心理
を理解することが大切だ。

人が怒って批判するとき、
そのきっかけになるものは、
その人の中にある「劣等感」。

劣等感とは
自分は他者よりも劣っている
と感じる負の感情のこと。

能力や才能、体形や容姿、
性格や資質、社会的地位、
自分の持つ財産など、
劣等感を感じる理由は、
人によってまちまちだ。

私たちは誰でも何らかのことで、
引け目を感じていたり、
コンプレックスが
あったりするもの。

他人が何気なく言ったことや、
悪気なくしたことでも、
自分の劣等感が刺激されれば、
自然と怒りの感情が湧き、
その相手を批判したくなる。

劣等感の背景には、
「無価値観」や「罪悪感」
が隠れている。

何らかのきっかけで
自分には価値がない、
自分は悪い人間だと感じたとき、
人は欠乏感に苦しみ、
どうにかして
それを埋め合わせたくなるものだ。

そのため、
他人を批判することで、
劣等感に苦しむ自分の心を癒し、
安心しようと必死になる。

だたこのとき
そのことに気づいておらず、
無意識にしている場合が
ほとんどだ。

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次に「怒り」について。

「怒り」は2次的感情で、
その裏には悲しみや、寂しさなどの
一時的感情が隠されている。

たとえば、
客が店員の態度の悪さに
腹を立てるとき、
その客の心の内に秘められた
無価値感が刺激されている。

店員が自分のことを
価値のない人間だと思うから、
このように自分を粗末に扱うのだ
と解釈して、悲しくなるのだ。

そしてそう感じた瞬間、
怒りの感情が2次的に表れる。

つまり、
他人を批判したり、
怒ってばかりいる人は、
自分自身が癒されていない人。

まずはこの心のメカニズムを
頭の中にしっかり入れておこう。

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自分に批判的な人、
怒りをぶつけてくる人に
出会ったら、
心の内でこう唱えてみよう。

「この人は
癒されていないんだな」

「悲しんでいるんだな」

「安心したいんだな」と。

これらのフレーズを
自分の中で
繰り返して言うことだ。

そうすることで
相手の言うことを真に受けたり、
不快な感情に飲み込まれることも
少なくなるから。

一番良くないのは、
相手の言うことを深刻に受け取り、
相手との喧嘩に
のめり込んでしまうことだ。

そうなれば、
自分の貴重な時間や労力を
不毛な戦いで一生懸命になり、
生産的、建設的なこともできず、
自分自身を疲弊させてしまうだけ。

そんな愚かなことを
防ぐためにも、
このフレーズは有効だ。

唱えているうちに
自然と嫌な感情から
抜け出る自分を自覚できるだろう。

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時には自分が他人に対して
腹立たしさを感じたり、
批判したくなったりするもの。

もし他人を批判している自分、
他人に怒っている自分に
気づけたなら、
次のように唱えてみよう。

「癒されていないポイント」
「許していない自分」。

これも繰り返して
言ってみることが重要だ。

怒りの感情が
ちょっと落ち着き、
冷静さを少し取り戻せたら、
考えるとよいことがある。

それは「なぜ自分は
その人を批判しているのか?」
「なぜ自分は怒ってしまったのか?」
ということ。

腹立たしく思う対象を
自分自身から少し遠ざけ
客観的に見て分析できれば、
素晴らしい。

「相手は自分に対して~をした。
そしてそのとき自分は
相手から馬鹿にされたと感じて、
自分の無価値観が刺激されてしまった。
情けない自分を悲しく思い、
相手に対して怒りの感情が生まれ、
批判してしまったのだ」というように。

自分自身から一歩引いて
自分の心の状態を
高いところから全体を見渡す感じで
観察してみるのだ。

これは、
怒りの感情の大波に飲み込まれ、
自分自身を見失い、
周りも全く見えない状態とは
真逆のもの。

一時的な強い怒りの感情で
自分が何をやっているのか
分からないまま、
破壊的行為をすることも
防げる。

カッとなってから
最初の6秒間は
自分自身の感情に
支配されやすい状態になる。

その6秒間を唱えることに費やせば
悪い方向へ動くことも
避けられるのだ。

そのためには、
淡々とこのフレーズを
繰り返せばよい。

そうすることで
感情の大波に飲み込まれず、
心を少し落ち着けて
客観視できるようになるからだ。

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怒りや批判をする人の
心のメカニズムを
正しく理解しよう。

そうすることで、
自分や他人が批判し始めたとき、
どう対処すれば、
建設的な方向へ動けるか?
分かるからだ。

批判したくなる気持ちは、
自分の劣等感が刺激されたとき。

劣等感を噛み砕けば、
無価値観や罪悪感になる。

批判することで、
自分の心を癒して安心したい
という心理が働くからだ。

自分を批判する人を見たら、
「この人は
癒されていないんだな」
「悲しんでいるんだな」
「安心したいんだな」と自分の中で
繰り返して言うとよい。

逆に自分が他人を
批判していると気づいたら、
「癒されていないポイント」
「許していない自分」と
唱えてみること。

繰り返し言ううちに
心も落ち着いてくるはずだ。

そうなったら
出来事を客観的に見て、
より有意義で、より生産的で、
より建設的な方向へ
自分自身を誘導しよう!