子供に望ましいことをして欲しい時、どう誘導すれば効果的?

今回は、
子供に望ましいことを
して欲しい時、
どのように誘導すれば
効果的か? について。

結論を先に言えば、
「~しなさい!」
と命令調で言うのではなく、

それをやることが前提となった
選択肢を用意して、
子供に質問することだ。

どんなことだか
詳しく説明したい。

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たとえば、
早く宿題をして欲しい場合。

「早く宿題しなさい!」
と命じるのではなく、

「宿題、ママと一緒にやろうか?
それとも、一人でやる?」
と聞いてみることだ。

このように聞かれれば、
子供もどちらか好きな方を選び、
すんなりと宿題に
着手するようになる。

この言い方のポイントは、
どのオプションにも
「宿題をすること」が
前提になっていること。

当然、子供がどれを選ぼうと
「宿題をする」という
結果になる。

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なぜ、この方法が有効なのか?
その理由は以下の通りだ。

命令調で言われれば、
子供も強制されたと感じて、
拒否反応を起こす。

しかし、
それを前提に話されれば、
抵抗が生じにくい。

自分で「~する」と選び、
意志表明した後には、
行動に移りやすくなるからだ。

人間は
何かをするよう直接指示されれば、
命令されたと受け取り、
心に抵抗が生まれて、
素直に従えないもの。

でも、それを前提とした選択肢を
与えられれば、
どちらを選ぶかに気を取られて、
逆らう方向へは行きにくい。

選択肢のオプションから
自分にとって一番都合の良いものを
選ぶだろう。

そして、
一旦自分でやると言ったので、
本当にやる気になり、
結果的には実践して貰えるのだ。

どのオプションも
やることを前提としているので、
どれを選んでも、
それをして貰うことが可能。

それでも
子供が乗り気でない場合には、
どうしたらよいだろうか?

その際は、
ちょっとしたトリックが有効だ。

たとえば、宿題の例では、
「アイス食べてから宿題する?
それとも、先に宿題してから
アイス食べようか?」と言ってみるのだ。

選択肢に魅力的な案を
盛り込むことで、
誘導するというわけだ。

もう一つの方法は、
「宿題するのと、掃除機がけと
どっちがよい?」といった具合に、
選ぶ気にならないようなオプションを
入れること。

こう質問されれば、
子供は間違いなく「宿題する」
と答えるからだ。

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この方法は、
子供に望ましいことを
ムリなくさせるために
有効なだけでなく、

覚えておけば、
自らの身を守る
役立つ知識にもなる。

なぜなら、全く同じ方法で
セールスしてくる営業マンも
たくさんいるからだ。

たとえば、
車を購入しようかどうか
迷っている場合。

未だ買うか買わないか
決めてはいないが、
とりあえず展示場に
行ってみることにした。

展示会場に到着したら、
セールスマンが近寄って来て、
丁寧に色々な説明をしてくれる。

説明を聞いているうちに、
セールスマンがこう言った。
「ボディーの色は
赤がお好みですか?
それとも、白の方がいいですか?」と。

その後は、
「このオプションも
お付けした方がいいでしょうか?」などと
セールスマンから、
もう買うことが決まった口調で
質問されるのだ。

未だ買うとは言っていないのに、
知らぬ間に相手側は
買うことを前提に
話を進めている。

「ちょっと待って!」
と思う間もなく、
セールストークにまんまと
引っかかってしまった!

これはかなり強力な
セールステクニックの一つ。

多くの顧客が
この方法に引っかかり、
購入を決めることもあるのだ。

しかし、この方法を
しっかり認識できていれば、
簡単に引っかかることも防げる。

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今回の話をまとめれば、
子供に望ましいことを
して欲しい時には、

直接「~しなさい」
と命令するのは
避けた方が賢明だ。

それよりも、
それをすることを前提とした
選択肢を用意して、
子供に質問してみること。

すると子供は抵抗することなく、
すんなりどちらかを選ぶだろう。

もしもそれでも
子供が気乗りしない様子なら、
魅力的なオプションや、
逆に、選ぶ気にならないオプションを
入れてみるのも効果的。

どれを選んでも、「~すること」
が前提になっているので、
同じ結果を得ることが可能だ。

子供の側も、自分で「~する」
と意志表明した後は、
自分で選んだのだから、
行動にも移りやすくなる。

このテクニックは、
セールスマンがしばしば使う
ちょっとキタナイやり方でもある。

お客の立場として、
この方法を知っていれば、
簡単に騙されることも
なくなるはずだ。