辛い状況に直面したとき、
「自分よりも
ずっと大変な状況の人がいるのだから、
これくらいで弱音を吐いてはいけない」
と考えたことはありませんか?
他人の苦労を思うことで、
自分はまだ恵まれていると感じ、
もう少し我慢しよう
と自分を奮い立たせるのです。
でも、それで本当に
良いのでしょうか?
この記事では、
この疑問について考えてみます。
====
「自分はあの人よりはマシだから…」で本当に良いのでしょうか?
たとえば、Aさんの夫は
家事や育児にまったく協力せず、
さらにAさんを非難し続けています。
「息子がだらしないのは、
お前がちゃんと
教育していないからだろう!」
といった批判的な言葉を繰り返し、
Aさんを追い詰めてきます。
身体的な暴力こそないものの、
暴言を吐き、
文句ばかりをぶつける夫に対して、
Aさんは大きな不満を感じていました。
自分なりに一生懸命やっているのに、
何も手伝わない夫から責められる状況に、
Aさんは腹立たしさを隠せませんでした。
そんなある日、Aさんは
友人のBさんと
話をする機会がありました。
Bさんの夫も厳しい人で、
時にはBさんに
暴力をふるうこともあるそうです。
さらに、
Bさんが大切にしている食器を
床に投げつけて
壊したことまであったと言います。
Bさんの話を聞いたAさんは、
「自分より
もっと苦しい思いをしている人が
いるんだな。
私の夫は暴力を振るわないだけ
マシかもしれない。
まあ、しょうがないか」と考え、
それ以降、自分の状況を受け入れて
耐えることにしました。
しかし、このように他人と比べて
「自分はまだマシだ」と思い、
解決策を講じず
我慢し続けるのは
本当に良いことなのでしょうか?
自分より厳しい状況の人と比較して
「あの人に比べれば
自分は恵まれているのだから」
と問題を放置したままで、
果たして幸せになれるのでしょうか?
====
問題が解決されない限り、不満も消えない
「自分はあの人よりもマシな状況だ」
と考え、
目の前の問題を見過ごすことは、
短期的には楽な選択かもしれません。
しかし、
問題そのものが解決されない限り、
不満は消えることなく
心に残り続けるでしょう。
他人と比べるのではなく、
自分にとって
問題だと感じるのであれば、
それは確かに「問題」なのです。
その問題にどう向き合い、
解決していくかを考えるほうが
賢明です。
さもないと、問題を引きずり続け、
つらい気持ちを抱えたままの生活が
続いてしまうでしょう。
たとえば、Aさんが
夫の心無い言葉に
傷ついているのであれば、
まずはその気持ちを
夫に伝えることが大切です。
「私は一生懸命やっているのに、
そう言われるととても悲しい」と、
自分の感情を率直に
言葉にすることです。
また、家事や育児について
「もう少し協力してほしい」という希望を
話してもよいでしょう。
夫婦は
お互いに支え合う関係ですから、
自分が感じていることを正直に伝え、
相手の考えを聞く姿勢も必要です。
もちろん、
相手が理解してくれるかどうかは
分かりませんが、
何も言わずに我慢しているだけでは、
お互いの思いがすれ違うばかりです。
その結果、
ネガティブな感情が蓄積され、
夫婦関係が破綻するかもしれません。
これを避けるためには、
自分の思いをしっかりと伝え、
相手の意見を聞くことも重要です。
そして、その対話を通じて、
お互いに納得できる妥協点や解決策を
見つけることが、
良好な関係を築く鍵になるでしょう。
====
自分にできることがあるのなら、やるべき!
AさんとBさんのケースは、
あくまで一例にすぎません。
私たちは日々、
さまざまな問題を抱えながら
生活しています。
その中には、
どれだけ努力しても
自分の力では解決できない問題も
あるでしょう。
自分の手の届かない範囲に
あることだったり、
今の自分の立場や能力では
対処しきれない問題だったり
するからです。
そうした場合には、
残念ながら
諦めるしかありません。
解決が不可能な問題に取り組んでも、
期待する結果が得られず、
努力が報われず
フラストレーションだけが
溜まるからです。
このようなときには、
「自分よりももっと大変な人もいる」と考え、
自分自身を慰めるのも
一つの方法でしょう。
しかし、
自分の行動や努力で
状況を変えられる可能性がある場合は、
他人と自分を比較して
「自分より大変な人がいるから」
と目をつぶるのではなく、
問題解決に向けて
積極的に動いたほうがよいでしょう。
そのまま放置すれば、
問題はいつまでも続き、
それが原因で、将来にわたって
苦痛を感じることになりかねません。
他人の状況と自分を比較することは、
一時的な安堵をもたらすにすぎません。
それでは問題の本質から目をそらし、
問題が長引く原因となるだけです。
もしその問題が
自分を苦しめているのなら、
解決に向けて行動したほうがよいでしょう。
自分にできることがあるなら、
積極的に取り組むことで、
より快適な生活が可能になるからです。
====
おわりに
この記事では、自分自身が
問題を抱えているにもかかわらず、
「あの人よりは自分のほうがマシだから」
と自分に言い聞かせて
何も問題解決をしないことについて
考えてみました。
私の意見としては、
たとえ他人よりも
自分が恵まれている状況であっても、
目の前に問題があるのなら、
ただ我慢することが
最善の選択肢だとは思いません。
確かに、自分の力では
どうにもならない問題も存在します。
その場合は、受け入れて
我慢するほかないでしょう。
しかし、
自分の努力で状況を改善したり、
事態の悪化を防げる可能性があるなら、
問題を解消したり
軽減させる方向へ
積極的に動くべきだと考えます。
他人と自分を比較して
一時的に安心するだけでは、
問題は解消されません。
それどころか、
問題に振り回され続け、
つらい状況が長引くだけです。
解決のために行動を起こせば、
少しずつ前進し、より良い状態へと
進むことも可能でしょう。
その結果、自分自身も楽になり、
より幸せな日々を
送れるようになるでしょう。
もし、自分の力で
改善できる余地のある問題に
直面しているのなら、
「あの人よりはマシだから我慢しよう」
という考えを手放し、
解決に向けて
一歩踏み出してみませんか?
その一歩は、あなたの未来を
より豊かで幸せなものへと
変えてくれるでしょう。
勇気を持って、自分の生活を
より快適なものにしていきましょう!