今回の話は、
折れやすい心と、
折れにくい心の違いは、
いったいどこから来るのか?
また、
折れにくい心を作るには
どうすればよいのか?
について。
話の流れは次の通り。
1)心の頑丈さの決め手となるもの。
2)同じ出来事でも、異なる反応。その違いは何?
3)私たちの心の奥底に潜む大きな情報倉庫
4)害なるものを取り入れないためには。
さっそく詳しく解説したい。
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1)心の頑丈さの決め手となるもの。
もちろん、遺伝的なものも
多少はあるだろう。
しかし、それよりも
もっと影響力の強いものは、
「環境」だ。
生まれ育った環境や、
今まで生きてきた環境が
心の状態の決め手となる。
人間は誰でも、生まれた時には
ピュアで汚れのない心。
折れにくい心とか、折れやすい心とか
あまり関係ない。
しかし、成長のプロセスで
心の強さが徐々に形成される。
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Aちゃんは、常に親から
こう言われて育った。
「あなたは本当にダメな子ね。
隣のCちゃんを見てごらん!
Cちゃんはこんなことも
あんなことも立派にできるのよ……」
Aちゃんは常に親から
ダメ出しを受けてきた。
同級生の子と自分を比較されて、
惨めな気持ちになることも
しばしばあった。
それに対して、Bちゃんは、親から
全く違うことを言われて育った。
「あ~ら、スゴイわね!
あなたはこんなことも
あんなこともできるのね。
素晴らしいわ!
今度は~にも挑戦したらいいわよ」と。
こんなAちゃんとBちゃんが
中学生になった時、
2人はマラソン大会に出場した。
10キロコースのマラソン。
平坦地のみならず、
山あり谷ありのコースだ。
途中でシンドクなったら、
この2人のどちらが先に
弱音を吐くだろう?
その答えは明らかだ。
人の心は環境によって
作られる。
特に人格形成のために重要な
幼少期、青年期に
どのような環境下で生活したかが
その後の人生を
大きく左右することになる。
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2)同じ出来事でも、異なる反応。その違いは何?
同じ出来事が起きても、
人によって反応の仕方が
全く違うのは、なぜだろうか?
全く同じことなのに、
ある人は大喜びするが、
別の人は悲しんだりする。
この違いを説明するのに、
ABC理論というものがある。
ABC理論のABCとは次の通りだ。
Aは出来事。
Bは信念に基づく思考や解釈。
Cは感情。
この理論では、
A x B = C という
公式が成り立つ。
何か出来事が起きた場合(A)、
人は自分の信念に基づいて、
その出来事を思考したり、
解釈したりする(B)。
その思考や解釈により、
その人の感情が引き起こされる(C)
ということだ。
更に言えば、その感情によって
何らかの行動が取られ、
その行動の結果として、
見る現実も変わってくる。
出来事の対して、
ポジティブな解釈ができ、
良い感情が生まれ、
それが建設的な行動につながれば、
結果的に良い現実を見れる。
また、その逆も然りだ。
Aの出来事部分は誰でも同じで、
変えることはできない。
しかし、Bの思考や解釈部分を
変えることは可能であり、
それができれば、
生まれる感情である
Cの部分も異なるものになる。
実際のところは、
どんな出来事も
良い悪いなど、意味は持たないもの。
その出来事を解釈する人間により、
良いものだとされたり、
悪いものだとされたり、
意味付けがなされるのだ。
もし、自分がポジティブな感情を
感じたいと願うなら、
変えるべき部分は、
Bである思考、解釈の部分にある。
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3)私たちの心の奥底に潜む大きな情報倉庫
それなら、
私は良い感情を感じたいから、
ポジティブな思考や解釈が
できるようになりたい! と思うだろう。
しかし、
それはなかなか難しい。
その理由は、思考や解釈は
その人の心の奥底に潜む
大きな情報倉庫の中身に
強く影響を受けるものだから。
もし、その倉庫の中に
ネガティブなものが
いっぱい詰まっていれば、
悲観的な物の捉え方しか
できなくなるからだ。
この膨大なサイズの倉庫の中身を
コップの水で例えるなら、
生まれたばかりの頃には、
ピュアな澄んでいる水で
満たされている。
しかし、成長の過程で
周りの人たちから
ネガティブなことを言われ続ければ、
墨汁のような黒いしずくが
少しづつコップに垂らされて、
水はだんだん濁ってゆく。
ネガティブなことを聞くたびに、
墨汁が一滴。
ポジティブなことを耳にすれば、
綺麗な水が一滴。
成人した時、コップの水の状態は
どのようなものだろうか?
ピュアな状態に近いのか?
それとも真っ黒で
すっかり汚い水になっているのか?
実は、これが
出来事が起きた時に
どのように思考して、解釈できるか
の決め手になるものだ。
真っ黒で汚れた
心の情報倉庫であれば、
当然、ネガティブに受け取りやすく、
否定的な解釈をするから、
感情も不快なものになる。
逆に、綺麗な水が
沢山入っていれば、
前向きに物事を捉えやすく、
建設的な思考ができるから、
感じ方もポジティブなものになる。
ABC理論のBの部分である
思考や解釈を良いものに
変えたいのなら、
コップの水をできるだけ
澄んだ状態に近づけることだ。
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4)害なるものを取り入れないためには。
そのためには、
コップの上から1滴ずつ
新しい新鮮な水のしずくを
垂らしてゆくことが重要だ。
そうすることで、
コップの中の水質を変える
必要があるからだ。
綺麗な水になるまでには、
その人の今のコップの水の状態により
かかる時間も異なる。
真っ黒の水の場合は、
当然、時間がかかる。
でも、ちょっとだけ
濁っているような場合には、
割と早く簡単に
綺麗な水になるだろう。
ピュアな水を入れるのに、
一番効果的な方法は、
害なるものを取り入れないこと。
その際、役立つことは、
幾つかある。
まず最初に、環境を変えること。
コップの中の水を
ピュアにしたいと望んでも、
ネガティブな人間に囲まれていたり、
自分を取り巻く環境が劣悪であれば、
そうすることも難しいからだ。
どんなに自分の心持を
ポジティブなものにしようと
頑張っても、
「あんたはダメ!」
と否定の言葉を連発する人が
身近にいれば、
その努力はしづらいものだ。
そんな環境下にいる自分を
まずは外に出す必要がある。
否定的で悪口ばかり言う人や、
不平不満でいっぱいな人からは
身を引いて、近寄らないことだ。
自分が自分に発する言葉にも
気をつけて、自分に対して
悪口を言わないようにすること。
また、テレビニュースや
ネット情報にも注意を払い、
見たり聞いたりすれば、
気分が滅入るものには、
意図して触れないこと。
世の中にはありとあらゆる情報が
散乱しているけれど、
能動的に良い情報だけを
自らで選択する姿勢が必要だ。
とにかく自分にとって
害になりそうなものは
意識して自分の中には
取り入れないことが必須。
その上で、「天国言葉」
を唱えてみる。
「愛してます」「ツイてる」「嬉しい」
「楽しい」「感謝しています」「幸せ」
「有難う」「許します」(斎藤一人先生)
のようなポジティブな言葉を沢山使い、
自分の心の奥底に潜む
大きな情報倉庫に
良いものを沢山入れてゆくことだ。
このような姿勢で生活していれば、
そのうちあなたのコップの水も
綺麗なものに変ってゆくはず。
その結果、出来事に対しても
前向きな捉え方ができ、
感情も良いものが湧いてくる。
そして、心地よい感情のお陰で、
自分の行動も
良いものを引き寄せるような
良い行いが可能となる。
最終的にはその行動のお陰で、
自分が見る現実も
素晴らしいものになるだろう。
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実際に、心が折れやすいとか、
折れにくいとか、
「心の丈夫さ」みたいなものが
あるように思われるが、
どちらかと言えば、
どんな現実を見ているのか?
によって、
心が折れやすくなったり、
折れにくくなったりするものだ。
折れにくい心を作るには、
心が折れそうになる
厳しい現実をなるべく見ないよう、
自分でコントロールできれば、
より効果的だ。
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今回の話をまとめれば、
心の頑丈さの決め手となるものは
「環境」だ。
その理由は、
自分の居る環境により、
心の奥底に潜む情報倉庫に入るのもが
全然違ってくるから。
その倉庫の内容が
出来事が起きた時に
自分の思考や解釈の仕方に
大きな影響を与える。
倉庫の中に良いものが
沢山詰まっていれば、
前向きでポジティブな解釈をしやすい。
逆に倉庫の中が
汚れたキタナイがらくたばかりなら、
悲観的な思考や、ネガティブな
物の捉え方をしやすくなる。
思考、解釈により、感情が生まれ、
その感情に基づいて、行動が起きる。
どんな行動が取られるかで、
当然、得られる結果も違ってくる。
得た結果は自分の「現実」として
自分に返ってくるのだ。
良い現実を沢山見れれば、
心は折れにくいだろう。
それに対して、
厳しい現実ばかりを
見てしまえば、
心も弱くなってしまうもの。
どのような現実を見るかで
心の状態も
随分変わってしまうからだ。
よって、まずは
自分のいる環境に注目して、
そこから良い流れに入るよう
努めることが大切だ。