自分の性格や性質が嫌で、
どうにかして
自分を変えたい! と望む人は、
けっこう沢山いるようだ。
今回の話は、そんな場合に
どうすればいいか? について。
結論を先に言えば、
自分の性格や性質を
変える努力はしないほうがいい。
それには幾つか
理由があるからだ。
それよりも、
「行動」や「考え方」を
変えることで、
自分の感じ方を変えたほうが
ずっとスムーズに事は進む。
早速、詳しく説明しよう。
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まず最初に、どうして、
自分の性格や性質を
変える努力は避けたほうがいいのか?
その大きな理由は、
人の性格とか性質は
生まれ持った要素が大きいから。
つまり、生まれつき
ということだ。
生まれつき与えられたものを
変えようと頑張っても、
なかなか上手く行かない。
莫大な精神エネルギーと
多大な時間を費やしても、
自分本来のものを変えることは
ほぼ不可能だと言ってもよい。
一生懸命頑張っても、
期待通りに行かず、
がっかりするだろう。
すると、自己イメージが
更に下がってしまう。
変わるための努力で
エネルギーも使い果たして、
心身ともに疲労困憊になる。
ひょっとしたら、一時的には
上手く行っているように
見えるかもしれないが、
長続きはしないもの。
自分を変えるために費やした
時間と労力の割には、
得られるものが少ないからだ。
こんなに頑張ったのに、
これだけしか成果が出ない
と思えば、失望感も大きい。
結局は、自分もそのうち
疲れてきて、挫折することが
目に見えている。
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自分の嫌な性格や性質を
変えるよう頑張らないほうがよい
もう一つの理由は、
どんな性格、性質でも、
良い面と悪い面の両方が
存在するからだ。
短所と長所は表裏一体だ
と言われるが、
本当にその通り。
自分が嫌だと思った欠点、短所でも、
別の角度から観れば、
長所や良い面にもなり得る。
たとえば、
心配性という性質は、
悪いことにも捉えられるが、
違う見方をすれば、
慎重だという良い点もある。
頑固だという欠点は、
負けず嫌いで、諦めない
強い意志の持ち主の特性だ。
おせっかいと聞けば、
あまり良い響きはしないが、
別の角度から観れば、
面倒見が良くて、気配りができること。
どんな性格、性質でも、
様々な側面を持つので、
一概に良い、悪いと
判断すること自体、間違いだ。
自分にうんざりしている人は、
自らの性格や性質の
悪い面だけに注目している。
だから、嫌だ!
と感じてしまうのだ。
しかし、そんな嫌だと感じられる
性格や性質でさえ、
ちょっと違った視点から観れば、
望ましいものにもなり得る。
自分の性格が気に食わず
嘆いている人は、
この点に気づくことが重要だ。
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生まれつきの性格や性質を
変えようと頑張ることは、
本来の自分を否定して、
偽りの自分を装う努力をしている
とも言える。
残念ながら、自分らしさを
大切にしなければ、
物事はあまり上手く進まない。
なんだかしっくりこなくて、
違和感を感じながら
生きることになるだろう。
本来の自分でない自分を
演じていれば、無理が生じて、
自分の想像以上に
大きなストレスを抱える。
そのストレスを無視して、
更に頑張り続ければ、
ある日、突然、心や身体の健康を
壊してしまうこともしばしばだ。
これは、
「あなた本来の生き方を
していないよ」と知らせてくれる
警告サイン。
病気になって初めて、
今までの自分の在り方が
良くなかったと気づく人も多い。
その在り方とは、
本来の自分を否定して、
無理に自分でない自分に
なろうとしていること。
そんなことをするよりも、
元々自分に恵まれた
そのままの自分を受け入れて、
自分らしく生きたほうが
精神的にもラクだし、
物事もスムーズに行く。
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自分の性格、性質そのものは、
変えることはしなくても、
自分が取る「行動」を
変えることは可能だ。
たとえば、内気で普段は
自分の方から他人に
話しかけない人でも、
自ら誰かに挨拶するよう
行動を変えることはできる。
そういう人は、
いきなり色々な人に
「おはよう!」と言うのは
難しい。
しかし、自分にとって
言いやすい人もいるはずだ。
最初は、そんな人に
「おはよう」と
声をかけてみよう。
一日たったの一回でもいいから、
誰かから挨拶される前に
自分の方から挨拶するよう
心がけてみる。
一日一回でも、
暫くやり続ければ、
そのうち自然と「おはよう」
と言えるようになる。
少し慣れてきたところで、
今度はまた別の人に
挨拶してみよう。
今までは、
ちょっと苦手かも? と思われた人に
声をかけてみるのだ。
自分から声をかければ、
意外にも相手の反応は
自分が想像したのとはかなり違い、
良い感じに「おはよう!」
と返してくれることも
しばしばだ。
そんな小さな成功体験ができれば、
自分にも自信がついてくる。
もっともっと別の人にも
自分の方から声をかけれるように
なってくるのだ。
そして、この小さな積み重ねにより、
いつかは「平気で自分から
人に声をかける」という行動が
簡単にできるようになる。
ここでのポイントは、
自分の行動を無理ない程度に
少しずつでも意識して
変えてみること。
そして、
行動が徐々に変わってくれば、
自分に対する自分の感じ方も
全然違うものになる。
内気であることは
そのままでも、
以前よりは、もっと他人と
話すことができるようになった自分を
自覚できるからだ。
慣れというものは
偉大なパワーを持つ。
慣れてしまうと
そうすることが普通になり、
自然とできるようになるからだ。
自然と話せるようになっても
やはり内気な人は
内向的指向の人間だ。
本来の性質は変わらない。
しかし、それでも
自分のほうから
話かけることができる自分に
ポジティブな気持ちになれ、
自分を肯定する気持ちも
高まってくる。
要は、性格や性質が
どうこうというのではなく、
自分が自分に対して
良い気持ちになれることが
一番大切なこと。
そのためには、
憧れる性格や性質を持つ人の
行動を観察して、
その行動を
少しでも真似てみるといい。
いきなりその人のやることを
そっくりそのまま
できなくても、
自分のできる範囲内で
ちょっとだけでも
やてみることだ。
そして、小さなちょっとを
常に意識してやり続ければ、
ある日、自分は
喜びに満ちた驚きを
体験できるだろう。
私もあの人と同じように
できるんだ!
と感激する日が来る。
そして、自分自身の感じ方も
とても良い感じになっている。
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行動を変えると同時に、
考え方も変えてみる。
今までは
自分の短所や欠点を克服しよう
と必死に考えていただろう。
しかし、その考えを
そちらに向けるのではなく、
自分の長所や良い点を
更に磨いていくことを考えて、
そちらに力を注ぐことだ。
自分自身を嫌に感じるのは、
単になる主観的な感覚によるもの。
しかし、第三者が客観的に
あなたを見れば、
あなたが思うほど
あなたは酷い人間ではない。
悪いところもあるだろうが、
良いところもあるのだ。
どんなに素晴らしい人でも
悪いところが全くない人間は
どこにもいない。
だから、悪いところを
正そうとは考えずに、
良いところを
もっともっと良くしよう
と考えることだ。
自分の長所を伸ばすことに
力を入れて、良い面を
どんどん磨いてゆく。
そのような姿勢になれば、
自分の性格や性質を
嘆いて悩むこともなくなる。
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今回の話をまとめれば、
自分の嫌な性格や性質を
変える努力はしないほうがよい。
その理由は、
1)その性格、性質は
生まれつき要素が大きく、
どんなに努力しても、
変えることはほぼ不可能だから。
2)その不可能なことに
膨大な時間と
多大な精神エネルギーを注いでも、
期待する成果は得られないから。
3)どんな性格、性質でも、
良い面、悪い面の両方が存在するから。
自分の性格、性質の悪い面を
強調するのではなく、
良い面にも気づくことが大切だ。
4)本来の自分でない自分を
装ったり、演じたりすれば、
無理が出てストレス大になり、
心身の健康を損ないやすくなるから。
5)性格、性質そのものを
変えなくても、
「行動」を少しずつ変えることで、
長期的には自分の行動を
大きく変えることも可能だ。
6)それができれば、
自分に対する自分の感じ方も
随分良いものに変わる。
7)悪いところ、欠点を
直すことを考えるのではなく、
良いところ、優れた面を
もっと磨いて更に伸ばしてゆく
姿勢のほうが、
自分もラクだし、物事も
スムーズに進みやすい。