心が折れやすい人、そうでない人。いったい、どこがどう違うの?

「自分は
メンタルが弱いな~」
と嘆く人が、

「もっと強いメンタルの
持ち主になりたい!」と願う時、

何をすれば、効果的か?

今回はこれがテーマ。

結論を先に言えば、
「いい加減」を目指すことが、
折れない心を作るのには、
とても有効だ。

なぜ、そうなのか?
をお話したい。

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心が折れやすい人と、
そうでない人とを観察すると、
興味深いことを発見する。

それは、
心が折れやすい人たちには
共通する傾向があること。

また、頑強な心の持ち主たちも
心が折れやすい人たちとは
違った傾向があることだ。

それぞれの共通点を
比べてみれば、

どうすれば、
心が折れやすい人が、
心を鍛えてゆけるのか? 

そのヒントを
得ることが可能だ。

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説明の便宜上、これ以下、
心が折れやすい人たちのグループを、
「グループA」と、

そして、
心が折れにくい人たちのグループを、
「グループB」と呼びたい。

まず最初に
物事への取り組み方について。

グループAの人たちは、
「きちんとやる」
「完璧にこなす」ことに
徹する傾向がある。

それに対して、グループBは、
完璧でなくても、
まあまあ良ければ、
それで十分だと思っている。

「適当でいい」ということだ。

こう言えば、グループBの人たちは
物事を真剣に取り組んでいなく、
怠け心があるように聞こえる。

しかし、
そういうことではない。

一生懸命やるけれど、
完璧にこなせなくても、
まあまあのところまで行けば、
それで満足できる。

グループAは、
「絶対に妥協はできない」
という姿勢だ。

その一方で、グループBは、
「パーフェクトでなくても、
ある程度できれば十分だ」
と柔らかい心持ちがある。

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自分の信念について、
グループAの人たちは、
「自分が考えることは、
絶対的に正しい」と思う傾向にある。

それに対して、グループBは、
「自分はこう考えるけれど、
他の考え方があっても、構わない」
と思っている。

信念や価値観が違う人間が
自分の目の前に現れれば、

グループAの人たちは、
受け入れ難く感じるが、
グループBは、「まあ、それもありね」
と軽く受け流せる。

物事が思い通りに
スムーズに行かない時、

グループAの人たちは、
「自分が悪いからだ」と
自責の念に駆られる傾向がある。

それに対して、グループBの人たちは、
「自分にも非があるかも。
でも、悪いのは自分だけではなく、
他にも原因はあったはず」と
一方的に自分を責めない。

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自分が大事にしていることが
失われそうになった時、

グループAの人たちは、
どうしてもそれは許せず、
そのことに執着してしまう。

それとは逆に、
グループBの人たちは、
「残念だけれど、仕方ない」と
強くこだわったり、執着したりはしない。

一時的には落ち込んでも、
直ぐにそのことを忘れて、
次に移ることもできる。

一般的な物事の捉え方が、
グループAの人たちは、
「白」か「黒」のどちらかで
判断する傾向にある。

しかし、グループBの人たちは、
白・黒はっきりさせるよりも、
多くの出来事や物は、
中間のグレーゾーン内にあると
認識している。

必ずしも、良いとは言えないし、
必ずしも、悪いとも言えない、
と感じている。

以上、述べた共通点が
すべての人に当てはまる
というわけではないが、

それぞれのグループで、
似たような共通点が
あることは確かだ。

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一般的には、「強い」と言えば、
感覚的に堅くて、ずっしりしていて、
パンチを受けても凹まないこと。

そして、「強い人」と言えば、
意志が強くて、自分が決めたことは、
絶対にやり遂げる人。

自分が正しいと信じたことは、
絶対に曲げない人だ
と思われがち。

しかし、現実的には、
ずっしりとした堅い特性を
持つ人たちは、

一見、強そうに見えても、
ちょっとしたきっかけで
ポキンと折れてしまうことも
しばしばだ。

逆に、ちょっといい加減で、
「まあ、いいでしょう」と
気軽に構えている人の方が、
心を痛めることも少なく、

逆境に立たされても、
折れてしまうことなく、
強く生き残れる傾向がある。

この点で、
心が折れやすい人は、
勘違いしていることが多い。

強くなるには、
堅くならなければいけない
と思い込んでいるのだ。

そして、一生懸命、
堅く強くなるために、
力を入れて頑張ってしまう。

でも、それは逆効果だ。

実際には、力を入れるより、
力を抜いて、いい加減になった方が、
折れない心を作りやすい。

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心が折れやすい人が
期待することは、
非現実的なことが多い。

「完璧にこなすこと」

「他人も自分と
同じ考え方をすること」

「自分の思い通りに
物事が進むこと」

「すべてのことは、白か黒か
はっきりと決められる」等々、

心が折れやすい人は
このように期待することが
しばしばある。

しかし、現実世界では、
彼らの期待に沿うことは、
あまりないのだ。

滅多に起きないことを
期待しているから、

ほぼ確実に期待外れとなり、
がっかりして気を落とす。

次から次へと
期待が裏切られれば、
悲しくなり、そのうち
心が折れてしまうもの。

その一方で、
心が折れにくい人は、
非現実的な期待はしない。

「まあ、そんなものでしょ」
と良くも悪くも
あり得ない期待はしないので、

どんなことが起きようと
割と平気でいられる。

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心が折れやすい人は、
もともと精神的に弱い人で、
生まれつきそうなんだろう、
と考える人もいる。

しかし、本当のところは、
そうでもなさそうだ。

自分がもつ姿勢とか、
考え方を少し変えるだけでも、
全然、感じ方が違ってきて、
心も折れづらくなるからだ。

心が折れやすい人が、
強い心の持ち主になりたい!
と望むのなら、

心が折れにくい人の
考え方や姿勢を真似てみれば、
とても役に立つ。

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具体的には、
強くなるためには、
頑張り過ぎないことだ。

適切な加減で頑張るのはよいが、
度を超えた頑張りは禁物。

それよりも、肩の力を抜いて、
「いい加減」を
目指してみるといい。

物事に取り組む際、
精一杯やることは
素晴らしいことでも、

すべてが完璧で
パーフェクトでなければダメだ!
とは思わないことだ。

まあまあできれば、
それで十分だと考えた方が
心は健全になりやすい。

自分には自分の考え方があり、
他人にもその人なりの
考え方がある。

自分の考え方を大切にするのは、
よいけれど、自分が考えることが
絶対的に正しいとは思わない方がいい。

この世の中には、色々な考え方や
価値観が存在するので、

自分の考えは、
単なる一つの考え方
にすぎないこと。

他の人が
自分と全く違う考えでも、
「それもあり」と受け入れることだ。

自分の期待通りに
物事が進まない時には、
自分が常に悪いわけではない。

だから、
自分責めをするのは
やめよう!

改善点を考えて、
実施するのはいいけれど、

ただただ自分を責めるだけでは、
ろくなことは起きない。

自責の念を強めても、
良いことは何もないと知ろう。

どんなに頑張っても、
思うように
行かないこともある。

自分のコントロールが
つかない部分で、
どうにもならないことも
あるから、

自分だけを
責めなくてもいいはずだ。

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大事にしていることが
失われそうになったら、
それを守ることも重要だ。

しかし、それだけに囚われて、
執着しすぎてもいけない。

どうしょうもないことは、
見切りをつけて、
手放す姿勢が必要な時もある。

そんな場合は、
いつまでもそのことに執着せずに、
サッサと手放してしまおう。

この世の中で起きることは、
「白」か「黒」のどちらかで
決められないことも多い。

このことをしっかりと
認識すると、視野も広くなる。

すべてのことを
「良い」「悪い」で判断せず、
良い面もあり、悪い面もあり、
両方あると気づければ、

多くの出来事に柔軟性を持って、
対処できるようになり、

自分としても、
精神的にラクになる。

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「絶対にこれでなくてはダメ!」
という姿勢は捨てる。

「絶対に完璧にこなさなければ!」
と完璧でなければ許せない
という心構えもやめることだ。

「絶対にこれが正しいから!」
と考えることもNG。

「絶対に~」というマインドはやめて、
「まあ、いいでしょ」と
いい加減になることだ。

そのためには、
下手な踏ん張りはしないこと。

肩の力を抜いて、
「適当にやること」が
とても大切だ。

「適当」「いい加減」は
丁度いい加減であり、
一番理想的な程度のこと。

思い通り行かなくても、
「まあ、いいでしょう」
と軽く構える。

これができれば、
心は折れにくくなるだろう。

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心が折れてしまうのは、
非現実的なほど
「こうでなくてはダメだ」
と譲れない気持ちがあるから。

残念なことに、
それは非現実的なので、
そうならない場合の方が多い。

時々、稀に非現実的なことは
起きるけれど、
そんなことは滅多にない。

だから、
「絶対にこうでなくてはダメ」
とは思わないことだ。

こう思えるようになれば、
心が折れることも
大分少なくなる。

強くなるためには、
踏ん張って
堅くなることではない。

それよりも、
力を抜いて、いい加減になり、
しなやかになることだ。

しなやかさは
柔軟性があるということ。

打たれても、
直ぐに元の位置に
戻れるというものだ。

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ということで、
もし、心が折れやすい自分が
嫌だと感じられ、

もっと強い心の
持ち主になりたい!
と願うならば、

堅くなることを
目指すのではなく、

柔らかく、
しなやかになる方向へ
進むことだ。

「いい加減」を目指すことが、
柔らかくなるためのコツ。

「絶対に~」とは思わず、
「まあ、いいでしょう」と
いい加減を目指そう!