悩むのは悪いことではない。悩むことを悩みの種にするのはやめよう!

「悩むこと」を
ネガティブにとらえる人は多い。

悩むことはいけないことだ
と思い込み、

できるだけ早く
悩みを解決しよう
と頑張る人もいる。

しかし、「悩むこと」は
必ずしも悪ではない。

直ぐに悩みをなくそうと
ジタバタしなくてもいいのだ。

今回は
「悩んでも全然かまわないよ」
という話。

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そもそも悩みは
なぜ、起きるのだろうか?

それは、こうありたい
と願うことが、

そのような状態には
ないからだ。

望ましくないことが
身の回りにあり、

取り除きたいけれど、
取り除けない場合、

悩みが発生して、
人を悩ませる。

自分の思い通りには
行かない!

期待するように、
物事が進まないから、

不満に思い、
悩んでしまうのだ。

人間関係において
思い通りにならないこと。

健康面で
受け入れられないこと。

恋愛において
望みが叶わないこと。

仕事面で期待することを
裏切られてしまうこと。

そんな場合に、人は悩む。

悩みの対象は
人それぞれ違っても、

自分が望む「こうありたい」と

現実の姿が異なるために、
悩みは発生する。

そんな時、多くの人は、
悩んでいる自分は
悪い状態にあると考え、

早いところ
悩みをなくせるように
頑張ってしまう。

しかし、悩むことは、
多くの人たちが考えるほど
悪いことではない。

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なぜ、そうなのか?

それは、悩むことは、
私たち人間にとっては
「普通」のことだから。

悩むことが
自分の思い通りにならないために
起きるのなら、

悩みが頻繁に発生しても
全然不思議ではない。

日々の生活の中で
自分の思い通りに
すべてが動くことを経験するのは
珍しいことだからだ。

いつもいつも、
ありとあらゆる面で
自分の望むようになることは、
まず、あり得ない。

上手く行くことが
ある一方で、

期待を裏切られることも
しばしばある。

思い通りにならずに、
イライラすることも
多くの人が経験することだ。

そう考えれば、
悩むのは普通のことだ
と言える。

また、こうなって欲しい
と願う裏には、

改善したい、
向上させたいという
向上心が隠れている場合も多い。

この状態は良くないので、
これを取り除きたい、と願う時、

自分を悪いことから守る
自己防衛が働いている。

そのために、悩むのであり、
悩むこと自体は、
決して悪いことではない。

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しかし、それでも、
人は悩むことにより、
苦しんでしまうこともしばしばだ。

なぜ、そんなに
苦しくなるのか?

主な原因は、
もともとの悩みの対象に
苦しむというよりも、

悩むこと自体が
悩みの種になってしまうからだ。

悩むのはいけないことだ
と信じていれば、

悩んでいる自分は
悪いことをしている
と考えられる。

そして、「悩む」という
悪い行為をしている自分は、
望ましくない状態にいる
と捉えてしまう。

だから、必要以上に、悩みに
苦しめられてしまうのだ。

つまり、悩むこと自体を
悩んでいるということ。

悩むことを
悩みの種にしている
ということだ。

悩むことを問題だと思うことが
本当の問題だ。

悩むことが悪ならば、
早くその悩みをなくしたい
と切に思う。

そして、その悩みをどうにかして、
解決しようと頑張る時、

その悩みに囚われすぎて、
執着してしまう。

執着が大きくなれば、
自分がその悩みに、そのうち
支配されるようになる。

その結果、現実が
歪んで見えてくる。

悩んでいる問題ばかりが
大きく膨れ上がり、

その他のことは存在していても、
見えなくなってしまうのだ。

本当は、その悩みのサイズは
たいしたものではないのに、

執着が始まれば、
実際のサイズよりも、
ずっと膨れ上がり、大きく見える。

自分は悩みに気を取られ、
悩みにコントロール
されるようになり、

他のもっと重要なことが
おろそかになることも
しばしばだ。

こういう状態になれば、
悩むことが、大きな苦しみに
つながる。

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それでは、どうすれば、
悩みに支配されずに、
穏やかな気持ちで過ごせるか?

それは、悩むことがあっても、
悩むこと自体を悪だ、
とは考えないことだ。

今の自分では
どうにもならないことは、

下手にどうにかしようと
頑張らない方がいい。

それよりも
自分の目の前にある悩みを

横にちょっとずらして
置いておくことだ。

悩みを見えないことろに
隠そうとはせず、

近くの見える場所に
置いておくという感じだ。

少しずれた位置にあるから、
面と向かうことはない。

その状態で、他の作業に
取り掛かってみる。

悩み以外にも、
自分にとって大切なことは
あるだろう。

その大切なことを
淡々とやってみるのだ。

不思議なことに、
今、自分ができること、
大切なことをしているうちに、

自然と悩みが
消滅することもある。

解決のために、
特別自分は何かを
したわけでもないのに、

自然と問題が軽減したり、
消滅してゆくこともある。

「時間が解決してくれる」
というのが、このことだ。

時間の威力は物凄い。

1年前には
自分は何かに悩んでいても、

1年後は、
その悩みが何だったのか? 
思い出せないこともある。

これは、自分が積極的に
問題解決したのではなく、

時間が解決してくれた
ということになる。

今の状態では、どうにもならない。

今の状況では、
どう考えても無理だ
ということがあっても、

その問題や悩みに
自分が深入りすることなく、

そのままちょっと
横に置いておけば、

勝手に時間が
解決してくれることは
少なくない。

自分が何かしらの
行動を起こさなければ、

問題解決しない
という場合もあるが、

そんなケースでも、悩みに囚われて、
悩みの大波に
自分が飲まれてしまえば、

溺れて、焦って、もがくだけ。

解決の方法が見えるどころか、
余計悪い方向へ
進んでしまうこともある。

自分の傍に置いておくけれど、
それに深入りしないで、

その他のことを
淡々とこなしていくのが一番だ。

そうするうちに、突然、
問題を解決する方法が
目の前に降りてくることも、
よくある話。

皮肉なことに、
一生懸命になっている時よりも、

「まあ、いいよ。
しょうがない」と諦めて、

そのことに
深入りしない時の方が、

なぜか
良い案や方法が
頭に浮かぶもの。

一番良くないのは、
「悩むことはダメだ!
サッサと悩みをなくそう!」

と今の自分では解けない問題を、
無理に解こうとすること。

もちろん、自分が頑張れば
問題解決できるものもある。

そういう悩みは
極力早くに片づけて、
スッキリした方がよい。

しかし、大抵の場合は、
解決できないから悩んでいる。

そんな時には、悩むことが
悪いからと言って、

頑張って悩みをなくそう
とはしなくていい。

しなくていいというよりも、
しない方が望ましい。

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今回の話をまとめれば、

こうなればいいと望むことと、

実際の姿がかけ離れていれば、
悩みは発生する。

しかし、悩むのは
必ずしも悪いことではない。

思い通りにならないことは
誰もが経験することで、
普通のことだから。

悩みにより、
自己防衛があったり、
自己向上になることも
多々あるからだ。

悩みで苦しむ時、
悩む対象そのものよりも、

悩むことを悩みの種として、
自分を苦しめることがある。

そんなことは、
やめた方が賢明だ。

それよりも、悩むことを
悪いことだと捉えずに、

そのまま「普通のこと」
と受け入れた方が、

最終的には、良い方向へ
進める場合も多い。

悩みに執着せず、
それに支配されない分、
冷静でいられるからだ。

そちらの方が、
広い視野で、正しい判断ができる。

今の自分では
どうにもならない悩みは、
無理に解決しようとしないことだ。

悩んでいることを
悪だと捉えないで、

その悩みをそのまま
自分の横に置いておこう。

そして、自分にとって
大切なことを淡々とやる。

そうしているうちに、
自然と悩みが軽減されたり、
消滅されたりすることも多々ある。

時間が解決してくれた
ということだ。

悩み解決のために
何らかの行動が必要でも、

横に置いて
他の作業を淡々としていた方が、

良い案を見つける確率も
高くなる。

一番、いけないことは
悩むことを悩みの種にして、

必要以上に
自分を苦しめてしまうこと。

悩むことは
人間にとっては普通のこと。

「悩むのは決して悪くない」
と悩むことについて、
考え方を少し変えてみよう。

そうすれば、
想像以上に気分がラクになる。

そして、不思議と
いつもよりも早くに
その問題が解決することも多い。