自分の性格が嫌!と嘆く人は、行動を変えれば、気分がラクになる

自分の性格が気にくわない!

なんで、自分はこうなんだ!

と嘆く人は、
性格を変えようと
努力することが多い。

しかし、性格そのものは
生まれつき要素が大きく、

変えよう!と頑張っても、
なかなか思うようには行かない。

そんな人が
「行動」を少し変えることで、

自分自身に対する感じ方が
大分違ってくるものだ。

今回は、自己嫌悪が強い人は、
「性格を変えようとはしないで、
行動を変えよう!」という話。

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なぜ、性格を変える努力は
実りがないのか?

それには幾つか理由がある。

まず最初に、
その人本来の性格や特性は
努力ではなかなか
変わらないものだから。

生まれ育った環境や
関わってきた人間関係が

その人の考え方や行動パターンに
影響を与えることはあっても、

生まれ持った本質的なものは、
ちょっとやそっと頑張っても、
変えることは難しい。

たとえば、内向的な人が
外向的な人間に憧れて、

自分も頑張って
外向的になろうとした場合。

残念ながら、内向的な人は、
生まれつき内向的であり、
それが自分の本質だ。

外向的に
振る舞うことは可能でも、

やはり、自分の内には
内向的な性質が
しっかりと根を下ろしている。

努力のお陰で、
表面上は外向的に見えても、

自分の内には
本質である内向性が強く残り、
内向的から抜け出ることは困難だ。

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無理してでも、
外向的でいようと頑張れば、

かなりの心的エネルギーが
吸い取られて、疲れてしまう。

性格を変えることを諦めて、
素の自分のまま
自然体で生きれれば、

不必要に力を入れて
頑張る必要もない。

だから、ラクだ。

本来のものとは違うものに
変える努力は、

私たちの想像以上に
多くのエネルギーを消費する。

性格を変えるために頑張った分、
他の大切なことに
力が入らなくなる。

私たちは日々、
やることが沢山あり、忙しい。

仕事をしていれば、
職場に行って、やるべきタスクを
片づける義務がある。

主婦であれば、
家庭生活が上手く回るよう、
子育てや家事に専念する必要がある。

日常生活のやることでも、
多くのエネルギーが消費されるのに、

更に自分の性格を変えるため、
無理な努力をして、

多大な精神エネルギーを
つぎ込めば、

ある一定期間はどうにかなっても、

その後は、徐々に疲れが出てきて、

そのうちすっかり疲れ果て、
ギブアップすることもしばしばだ。

人の時間やエネルギーは有限だ。

その有限な貴重なリソースの多くを
自分の性格を変えるのに
使う方がいいのだろうか?

それとも、自分の人生で
大切なことに
注いだ方がいいのだろうか?

考えて見る価値はある。

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自分の性格を忌み嫌う人に
共通点がある。

それは、その性格の
ネガティブ面しか
見ていないことだ。

どんな性格、性質にも
ポジティブ面とネガティブ面の
両方がある。

それなのに、
自分の性格を嫌って嘆く人は、

悪い部分しか見ることなく、
良い部分は見落としている。

ここが問題だ。

たとえば、内向的性格は
メリットもあれば、
デメリットもある。

メリットは、内向的性格の人は
洞察力や自己内省力が高いこと。

注意深く観察できて、
物事の本質を見ることに長けている。

集中力もあり、一つのことを
極めることも得意だ。

内向的な人は慎重な傾向が強く、
リスク回避能力も優れている。

それに対して、
内向的性格のデメリットは、

他者とのコミュニケーションが
上手でないこと。

対人関係が苦手であり、
社交的ではないこと。

環境への変化が弱く
新しい環境へ移る際には
かなり時間もかかってしまう。

内向的な人は、自分の外側に
興味関心が向きにくい。

内向的性格に限らず、
どんな性格、性質にも、

メリットもあれば、
デメリットもある。

だから、この性格は良いとか、
悪いとか、とは言えないのだ。

どんな性格、性質でも、
良い面もあれば、悪い面もあり、

それぞれが違った性質を持つ
というのが本当のところ。

それなのに、
自分の性格や性質を
嫌だと思い、嘆く人は、

悪い部分だけを取り上げて、
そこだけを注目している。

人は、意識が向く部分が
大きく見える傾向にあり、

フォーカスしない部分は、
見えない場合も多い。

注目する部分が
実際のサイズ以上に膨れ上がり、
大きなものに見えるため、

その他の部分が存在しても、
隠されてしまい
目に入らなくなるのだ。

しかし、実際には、
良い面もあれば、悪い面もあるので、

両者を満遍なく見ることが
必要であり、大切だ。

もし、自分の性格が嫌な人が
その性格の長所にも気づければ、

自分に対する感じ方も
大分違ったものになる。

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嫌な性格を変えるために
多大な心的エネルギーを
つぎ込んで、

もっと他の大切なことが
できなくなってしまうのは、
勿体ないことではないか?

性格の短所の部分だけを
大きく拡大して見て、

長所の部分を全然見ないのは、
視野が狭くて、残念ではないか?

それよりも
自分の中にある本質的なものは
否定することなく、大事にして、

その長所を活かすのに
努力した方が、建設的ではないか?

素の自分をそのまま受け入れて、
無理に自分でない自分を
演じることをしなければ、

不必要に時間や心的エネルギーを
外に漏らすこともない。

その分の時間とエネルギーで
自分にとって有意義な活動に
専念することも可能だ。

自分の悪い面を
否定する必要はないけれど、

同時に良い面も存在することを
認識した方が望ましい。

そして、良い面を
上手く活かせる方法を考えて、
実践してみることだ。

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生まれ持った性格、性質は
変えなくても、

行動を変えることは可能だ。

いきなり大きく
行動を変えるのではなく、

少しずつ無理ない程度で
自分が望ましいと思う方向へ
変えてみることだ。

たとえば、自分は内向的で、
普段は自分の方から
挨拶することがなければ、

今日一日のうちに、
たった一回だけでもいいから、

自ら「おはよう」と
声を出して言ってみるといい。

こんな些細なことでも、
普段やり慣れないことをやるのは、
かなりの勇気が要ること。

しかし、これなら
ちょっと頑張れば、できるだろう。

内気な性格で
普段は自分から挨拶しなくても、

今日初めて、自分の方から
誰かに「おはよう」と言えれば、

これだけでも
自分の中で喜びを感じられる。

とりあえずは
一日一回だけでもいいから、
自分の方から声をかける練習をするのだ。

毎日、これを続けていれば、
気がついたら、そのうちに、自然と
挨拶できるようになっている。

一旦、習慣化されたものは、
自然とできるようになるからだ。

挨拶できなかった以前の自分と、

今では自然と自分の方から
誰かに挨拶できるようになった自分を
比べてみれば、

自分は良い方向へ進んでいる、
と喜ばしく思えるものだ。

挨拶は、ほんの一例。

要は、自分が望ましいと思う行動を
少しずつでも試してみることだ。

大きな心の負担にならない程度
小さなことで十分。

ちょっとだけ背伸びすれば
できることをやってみるのだ。

暫く、その小さなことを
続けているうちに、
自然とできるようになっている。

こういう小さな積み重ねを
日頃から意識してやれば、

性格や性質はそのままでも、
自分の行動が大分変った
と自覚できるだろう。

すると、自分に対する自分の感じ方も、
かなりポジティブなものになる。

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今回の話をまとめれば、次の通り。

1)本来の性格、性質を変えるのは
かなり難易度が高くて、無理に近い。

2)性格を変えるのに
エネルギーを消費するよりも、
もっと大切なことに時間やエネルギーを
費やした方が賢明だ。

3)たとえ良くない性格だ
と思われても、悪い面だけでなく、
良い面も必ず存在する。

4)自分本来のものを変えるのではなく、
行動を変えた方が幸せになれる。

5)行動を変える時には、
いきなり大きく変えようとはせず、
無理なくできる小さな変化を
積み重ねてゆくのがコツ。

自分らしく生きることで
幸せな気持ちでいる時間も
以前よりはずっと長くなるはずだ。