日々の生活の中で
望ましくないことが起きた時、
そのまま放っておいた方が
よいものと、
放っておかずに
適切な処置を取った方が
よいものとがある。
今回の話は、どんな時に
そのままにしておく方がよいのか?
そして、どんな時に
積極的に動いた方がいいのか?
について。
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結論を先に言えば、
自分ではどうにもならないことは
放っておいた方がよい。
たとえ起きたことで
損失が出たとしても、
頑張ったところで
取り戻すことができなかったり、
自分ではどうしょうもなく、
コントロールがきかないことは、
何もせずに潔く諦めて、
忘れてしまった方が賢明だ。
その一方で、
自分が適切な処置を取れば、
事態を好転させられる場合には、
早いうちに行動に出た方がよい。
面倒だからと言って、
何もやらずに放っておけば、
事態は更に悪化して、
自分が余計苦しくなる。
やってもやらなくても、
状況はさほど変わりない
ということもある。
そんな場合は、
直ぐに忘れられるなら、
何もしなくてよいだろう。
しかし、そのことが
ずっと心の片隅に残るようなら、
サッサと適切に処理した方が
自分のためになる。
なんとなく心の中で
引きずっていることは、
私たちが想像する以上、
心的エネルギーを奪うからだ。
そのことにより、
重要なことに集中できなかったり、
不必要に考え事をしたりして、
効率よく有意義な活動に
専念できなくなるからだ。
やるべきことは、サッサと片づけて、
スッキリしてしまった方が、
後に引くものもなくなるから、
心がザワつくことも防げるし、
気分的にも軽くなれる。
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たとえば、
自分がとても大切にしていた
貴重な飾り物を壊してしまった場合。
掃除中に床に落として、
バラバラに割れてしまった。
修理をしても、
元の状態には戻せないだろう。
この場合、その飾り物が
いくら貴重なものでも、
後悔して残念がっても、
どうにもならない。
元の状態には戻らないから、
嘆いても仕方ない。
こういう状況下では、
「残念だけど、しょうがないな」
ときっぱり諦めた方がよい。
いつまでも「残念だ、残念だ」
と言い続けたところで、
壊れたものは元には戻らない。
後悔するのではなく、
「今後は掃除をする時には、
十分注意を払って、
床に物を落とさないようにしよう」
と学びのチャンスに変えた方が
今後のためにもなる。
良くないことが起きれば、
人は後悔するけれど、
どんなに残念がっても、
どうしょうもないものは、
良い意味で諦めてしまい、
それ以上、悔やまない方がよい。
こうすれば、
良い意味で「放っておくこと」
ができたことになる。
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友人と言い争いを
してしまった場合。
その場では、お互い何もしないで、
そのまま分かれた。
しかし、その夜、床に入ってから、
昼間の言い争いを思い出し、
そのことが気になって、
相手のことを色々考えていた。
早く寝付きたいけれど、
友人のことが頭から離れず、
なかなか眠ることができない。
こんな時には、
何もせずに放っておけば、
事態は更に悪化するだろう。
なぜなら、
自分はそのことを忘れられず、
引きずっているから。
放っておけば、
自分にとって重要なことに
専念したくても、
突然、そのことが
頭の中に蘇ることもある。
そして、やるべきことに
集中できなくなる。
相手と仲直りせずに、
そのまま放っておけば、
近い将来、今後の人間関係で、
不都合が生じることもあり得る。
自分が悪かったと感じたのなら、
意地を張ることなく、
サッサと
謝ってしまった方がよい。
自分の言い分があるのなら、
丁寧に相手に伝わるよう工夫して、
自分の思うことを相手に話して
一件落着させた方がよい。
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ちょっと身体に異変を感じた時、
「まあ、大したことがないから、
このまま放っておけばよい」
と思うこともあるだろう。
直ぐに治ってしまうのなら、
それでもよい。
しかし、1週間も2週間も
同じ状態が続くようなら、
放っておかずに
できるだけ早い時期に
病院へ行った方が無難だ。
最近は、
ネットで様々な情報が得られるから、
病院へは行かず、ネット検索で
どんな病気の可能性があるのか?
自分で調べる人もいるだろう。
しかし、素人がネット検索で
医学情報を得るのは、
必ずしも望ましいことではない。
自分の症状と、ある病気の症状が
似ていても、
自分がその病気であるかは
素人には判断できないからだ。
専門家に見て貰わなければ、
何とも言えない。
病院へ行かずに、
自分で色々考えていても、
心配になるだけで
良いことはあまりない。
こういう場合に、
医者に診て貰うことなく
放っておけば、
取り返しのつかないことに
なるおそれもある。
重大な病気の場合もあるからだ。
早く病院へ行って、
それなりの治療を受ければ、
完治できたのに、
長い間、放っておいたために
病気がかなり進行してしまい、
もう手遅れだということも
あり得る。
医者に診て貰い
「何も心配ないですよ」
と言われれば、
その時点で、心配も
すっかり消える。
「このままにしていて
大丈夫だろうか?」
と何度も自分に問いかけて、
あれこれと
考える必要もなくなる。
そういう心配は
小さなものでも、馬鹿にはできない
けっこう心の負担に
なってしまうからだ。
心の片隅にある心配で
自分を疲れさせることも
珍しくない。
サッサと病院へ行き、
専門家に診て貰い、
そのまま放っておいてもよいのか?
それとも、
適切な治療が必要なのか?
はっきりさせて、
一件落着させた方が
自分も安心できる。
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自分の心の中に
未解決の問題を残せば、
心的エネルギーを
不必要に浪費してしまう。
忘れようと思っても、
自然とそのことが
繰り返し戻って来てしまう場合、
長い間、それを引きずって
生活してゆくことになる。
ふとしたことで
そのことを思い出して、
暫く、頭の中で
グルグルと回っている。
スッキリしないだけでなく、
本当に大切なことに
専念したくても、
雑念として湧き上がるので、
他のことに集中できなくなる。
そのせいで、
物事を効率よくこなすのも困難だ。
そうならないためにも、
問題解決できるものは、
早い時期に解決して、
そのことを完全に
終了させること。
完結したものは、
頭の中からすっかり消えて、
再び戻ってくることもなくなる。
精神エネルギーを無駄なことに
費やす必要もなくなるし、
自分も心が軽くなり、
明るくラクな気持ちで
生活できるようになる。
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望ましくないことがあった時、
そのまま放っておくのが
よいことなのか?
それとも、適切な処理をした方が
よいことなのか?
早い時期に見極めて、
放っておいてもいいものは、
良い意味で諦めてしまうこと。
そして、何かしら
行動に出た方がよいことは、
できるだけ早くに
対処して済ませた方がよい。
心の中に
引きずっているもの、
心配していること、
気にかかることを
放っておけば、
それだけで
精神エネルギーが奪われる。
自分にとって大切なことに
集中できなくなったり、
雑念に邪魔されて、
心が落ち着かなくなったり、
いつまでもスッキリせず
得なことはないからだ。
「良い放っておく」と
「悪い放っておく」を
意識して区別しよう。
そして、悪い放っておくを
極力なくして、
心の中をスッキリさせよう。
気持ちも晴れるし、
色々なことを楽しむことも
可能になる。