なんらかの問題を解決したく、
その対策案を考え実施して、
その問題は解消できても、
今度は別の問題が深刻化してくる。
その別の問題をどうにかしようと
別の対策を実践したら、
別の問題は解決されたが、
もともとあった問題が
再び戻ってきてしまった。
何をしても、常にどこかにひずみが出て、
すべてを良好な状態に保つことは
非常に難しい。
色々なことで、何が正解なのか分からず、
なかなか答えが見つからないものだ。
最近、私はこのことを強く感じている。
一番分かりやすい例は、コロナ渦の今の状態。
現在、ニュージーランドでは、
感染力の強いオミクロン株が猛威を振るっており、
昨日の一日の新規感染者数は全国で2万人弱。
人口の少ないこの国では、かなりの高数値だ。
感染者を減らすためにロックダウンをして
人の往来や商業活動を厳しく規制すれば、
感染者数の点では改善が見られるだろう。
しかし、これでは社会や経済が上手く回らない。
失業者が続々と出て、苦しむ国民も増える。
この状態で精神を病む人も多数いる。
経済活動を元に戻すために、
すべてのことを今まで通りに自由にして、
普通の生活を奨励するようにすれば、
経済面では改善されるだろう。
しかし、再び感染者数が大幅に増加して、
医療崩壊の問題が懸念される。
厳しい規制により、
社会活動を止めてしまえば、
感染者数は減少しても、
経済が上手く回らない。
それを解消しようとして、
あらゆる面で規制を外して、
自由に生活できるようにすれば、
今度は医療崩壊のリスクが高くなる。
どんなに考えても、
「こうすれば、すべてが丸く収まる」
という理想的な正解はどこにも見えない。
結局は、規制を今までよりは緩めて、
社会活動、経済活動が
ある程度活発になるような対策を取る。
その一方で、医療崩壊のリスクも
最小限に抑えられるよう、多少の規制は設ける。
どうにかパンデミックによるダメージが
なるたけ少なくなるように、
中間地点の対策が取られるようになった。
これが今の現状だろう。
これは単なる一例であり、
私たちの生活の様々な場面で、
似たようなことは他にもある。
すべてをパーフェクトにしたくても、
それはなかなか難しい。
一つのことを満たそうとすれば、
別の問題が出てきてしまう。
その別の問題点を解決しようとすれば、
もともとあった不都合が
再び浮かび上がってきたり、
そうならないにしても、
更にまた別の問題が出てくる。
現在、私が難しいと感じるのは
情報発信のコメント欄について。
最近、私はブログやユーチューブ投稿を始めた。
分からないことも未だに多く、
手探り状態でやっている。
できれば、自分の情報発信を改善させたく、
視聴者や読者からフィードバックを得たいと願う。
そのためには、コメント欄を開くことは
非常に役立つことだ。
コメント欄がオープンしていて、
気軽にコメントを残せれば、
「これは良かった。あれはイマイチ」、
「こういう風にすると、もっと良くなる」
というようなアドバイスも頂けるだろう。
視聴者から「~を投稿して欲しい」
とリクエストも受け取れる。
今後、何を情報発信してよいのか分かり
自分としてはかなり助かるだろう。
しかし、私はコメント欄を閉じている。
その理由は心なき誹謗中傷や、
ネット上で意図的に行われる攻撃から
自分の身を守るためだ。
長年ウェブ開発・デザインに携わってきた中、
現実的にコメント欄が
建設的に利用されることもある一方、
攻撃的に悪い目的で使用される事実も
沢山見てきた。
だから、誰でもラクにコメントできるのは
危険なことだと考えている。
その代わり、コンタクトページを設けて、
ここから私に連絡できるよう工夫した。
しかし、わざわざ私のコンタクトページまで行き、
自分のメールアドレスを入力してまで、
メッセージを送ることは、
ちょっと敷居が高いと思われる。
時々、私はコンタクトページを通して、
メッセージを頂くこともあるが、
その数は非常に少ない。
もっとフィードバックが欲しいのなら、
コメント機能をオンにするべき。
そうすれば、自分が得たい情報も
より簡単に得られるようになる。
しかし、そうすることで、
ネット上の誹謗中傷や攻撃に
身をさらすことになり、
自分が避けたいと思っていることを
避けられない状態になってしまう。
どうすれば、
悪意ある人たちからの嫌がらせを遮断して、
同時に建設的なコメントやリクエストを
上手く受け取ることができるだろうか?
正直、今の私には分からない。
一つのことを改善できても、
別の面で悪い状態になってしまう。
その悪い状態が起きないよう工夫すれば、
自分が欲しいと思うことが手に入らない。
何が一番よいのか?
私には正解がなかなか見つからない。
問題Aを解決するために、
対策案NO1が実施されれば、
問題Aは消えてなくなる。
しかし、そうすることで別の問題Bが発生する。
今度は問題Bをどうにかしたくて、
対策案NO2を取るようにする。
すると、問題Bは解決されるが、
再び問題Aが戻ってきてしまう。
結局のところ、問題Aと問題Bが
同時に解消される方法は、
なかなか見つからないものだ。
このように正解を得れずにいるのは
私たちの多くが経験することだろう。
それでも諦めることなく、
試行錯誤を続けることが大切だ。
今のところは、対策案NO1とNO2の
2つの選択肢しか見えなくても、
もしかしたら、対策案NO3
というものがあるかもしれない。
対策案NO3が見つかって、そのお陰で、
問題Aも問題Bも解決する
という可能性もあるからだ。
対策案NO3やNO4を見つけるためには、
柔軟な姿勢で広い視野を持つ必要がある。
対策案NO1とNO2のたった2つだけしかない
と思い込めば、視野が狭まり、
そのどちらかだけしか選べなくなる。
視野狭窄の状態では、
他のオプションや可能性が
視界から消されてしまい、
全く見えなくなってしまうものだ。
「こんなことは!」と頭ごなしに
直ぐに全否定する癖はやめて、
意外な「こんなこと」にも心を開き、
柔軟な姿勢で物事に接するとよいだろう。
そうすることで、今までは思いもつかなかった
第三の選択肢が見えてくるかもしれない。
今後も試行錯誤を繰り返しながら、
よりよい答えを気長に探し続けるつもりだ。