新型コロナの
パンデミックが始まって早二年。
ニュージーランド政府より
「暫くの間、全国的なロックダウンに入る」
と突然アナウンスがあり、
国内移動禁止、外出禁止などの措置が取られたのは
2020年3月末。
その当時は、1年くらいすれば、
コロナもすっかり終息するだろうと期待していた。
しかし、未だに終息のめどは見えず、
この先どうなるのか?分からない状態だ。
このような状況下で、つくづく思うことは、
望ましくない環境や状況でも、
工夫により、それを活用して、
良いものに変えたほうが得だということだ。
最近、私が新たに始めた趣味がYouTube投稿。
ニュージーランドの生活様子を
ビデオに収めて、YouTubeに上げることだ。
未だ視聴者数は少ないけれど、
徐々により多くの方に観て頂けるようになり、
有難いと思っている。
ドライブに出かけた先でビデオ撮影したり、
カフェやレストランに行き、
そこでの食事の様子をビデオに収めて、
その後、簡単なビデオ編集を楽しんでいる。
週末の数時間をこの活動に充て、
週一回投稿できればと思っている。
今週末はワイタンギデイという国民の祝日があり、
3日間の連休になる。
実は、今週末、行ってみたいところがあった。
最近テレビでも紹介された話題のスポットで、
とても美しい場所だ。
私が住むウェリントンからは、車で2時間ほどの距離。
そこへ出かけて、
ビデオ撮影でもできればと考えていた。
しかし、最近、ニュージーランドでも
オミクロン株の市中感染が始まった。
ウェリントンでも昨日は3名の新規感染者が出た。
たったの3名と言えど、
オミクロン株は感染力が非常に強いと聞いている。
できれば病気にはなりたくないから、
何処へも出ないほうが無難だろうということになり、
昨日も一昨日もずっと家の中に居る。
こういう状況になれば、やはり、がっかりする。
自分としては計画していたところへ行き、
美しい風景を映像に収めたかった。
しかし、「不必要な外出は避けるように」
という風潮もあり、自分も怖いから、
極力、外に出ないほうがいいと思う気持ちもある。
こんな時に、今の環境や状況を嘆いて、
がっかりしたり、残念に思ったり、
場合によっては、いじけたり、ひねくれたりしても
ネガティブ感情に襲われるだけで
何も良いことはない。
それよりも、今の状況だからこそ
やりやすいことを見つけて、
それを楽しんだほうが得すると思った。
自宅にずっと引きこもって
何ができるのだろうか?
素晴らしい家に住んでいるなら
ハウスツアーのビデオを撮り、
それを投稿してもよいだろう。
しかし、あいにく我が家はボロ屋だ。
綺麗な庭があるわけでもなく、見せ所もない。
ビデオのネタ切れで、どうしようか?
と悩んでいた時、突然、良いアイデアが降りてきた。
「そうだ、私の風変わりな食事を
紹介すればいい!」と思ったのだ。
早速、キッチンに向かい、
ビデオ撮影のためのセティングが始まった。
ゴタゴタしたキッチンを少しでも良く見せるため、
散らかっていたものをすべて片づけた。
冷蔵庫から必要な食材を取り出して、洗うものは洗う。
計量が必要なものは、予め測ってお皿に入れておく。
準備完了後は、早速ビデオ撮影をした。
料理が得意でなく、
普段はあまり料理を楽しめない私だ。
片づけることも大嫌いで、
掃除をサボリ気味の私だ。
しかし、なぜか分からないが、
昨日の片づけとクッキングは
なかなか楽しいものになった。
たった一品作るだけでも、
ビデオに調理の様子を収めようと思えば、
それなりに力が出る。
エンジョーイしながら片付けをして、
夕食の一部をラクに作ることができた。
この作業のお陰で、
通常は「ツマラナイ~」
と思えるような「週末の引きこもり」も、
けっこう楽しいものに変えられた。
そこで感じたことがある。
本当はこれをしたいと望むものがある。
しかし、何らかの事情により、
それができなくなることもある。
従来はこのやり方でやってきたが、
今、自分を取り巻く環境や状況では、
今まで通りにできなくなることもある。
そんな時に、できないからと言って、
できないことを嘆いたり、文句を言ったりしても、
何も改善されない。
今後の人生でも、自分を取り巻く環境や状況が
自分が期待した通りに、願った通りに
動かないこともあるだろう。
そんな場合、自分ではコントロールできないことを
一生懸命コントロールしようとしても、
良い結果に繋がることはまずない。
そんな不毛な努力をするよりも、
今の環境や状況でも、できることはないか?
今の状況だからこそ、やりやすいことはないか?
そちらの方向へ目を向けて、
今でもできることを楽しんだほうが
精神衛生上も健康的だし、自分の満足度も高くなる。
望ましくないことが起きないように、
自分が努力をすれば、防げることもある。
自分のコントロールがきくことは、
一生懸命頑張って、望ましい状態を維持できるよう
努めたほうがよいだろう。
しかし、自分がどんなに頑張っても、
どんなにわめいても、どうにもならないこともある。
そんなことは、どうにかしようとしたり、
その望ましくない状況を嘆いたり、
残念に思ったりしても、どうしょうもない。
それなら、自分自身も方向転換して、
時代の流れに沿うように生きたほうが賢明だ。
今の状態でも、できることはないか?
今の状態だからこそ、できやすいことはないか?
色々考えてみて、今できることをやったほうが
自分も楽しいし、有意義に時間を過ごせる。
今後もコロナの状況が
どのように変わってゆくのか分からない。
「残念だ。残念だ」と言ったところで、
事態が良くなるわけでもない。
今の状況を悲しく思い、
文句を言ったり、嘆いたりするよりも、
今だからこそ、より良くできることはないのか?を思考して、
そちらにエネルギーと時間を注いだほうが賢明だ。
もちろん、コロナが早く終息することは祈るけれど、
あまりそればかりに囚われることなく、
今できることに集中するほうが
自分にとっても得だ。