ノウハウ系情報:一つの答えは存在せず、個々の差が鍵

インターネットテクノロジーが進化し、
最近ではスマートフォンや
家庭のパソコンから
さまざまな情報を
手軽に入手することが
できるようになりました。

勉強法や仕事術、健康法、
そしてさまざまなノウハウが
ネット上にはあふれています。

そんな時代に、情報を探す際には、
心に留めておくべきことがあります。

それは、「どんな情報でも、
必ずしも全ての人には当てはまらない」
ということです。

今回は、
精神科医の樺沢紫苑先生の話を参考に、
なぜそうなのかを
お話ししたいと思います。

====

ネット上の書き込みで、
たまに見かけるのは、
「このノウハウ、試してみたけれど
全く効果がなかった!」といった、
情報の有効性に疑問を抱くコメントです。

他人のそんな意見を読むと、
情報に対して
不信感を抱くかもしれません。

しかし、この姿勢は
あまり望ましくありません。

なぜなら、
自分には効果がなかったからといって、
「これは嘘だ」と決めつけるのは
適切ではないからです。

樺沢先生によれば、世の中には
全ての人に効果がある薬は
存在しないとのことです。

抗うつ剤の場合、
およそ60%の人に
効果があるそうです。

逆に言えば、抗うつ剤は
40%の人には
効果がないということになります。

もし80%の人に
効果がある薬があれば、
それはかなりの良薬だ
と言えるのでしょう。

なぜ薬が効く人もいれば
効かない人もいるのでしょうか?

その理由は、薬を服用する人の
体質や栄養状態、精神状態、
免疫状態、遺伝的要素、
年齢、性別、体力の違いなど、
人々の身体の状態が異なるからです。

全く異なる身体の状態を持つ私たちが
同じ薬を服用しても、
同じような効果が得れる
とは限りません。

これは当然のことです。

====

ノウハウ系の情報についても、
薬の場合と
似たようなことが言えます。

情報を活用する人たちは皆、
異なる人々です。

私たちはそれぞれ、
生まれ育った環境や受けた教育、
これまでの経験、趣味や興味、
性格など、異なるバックグラウンドを
持っています。

当然、ある情報が有益だ
と感じる人もいれば、
自分にはそのやり方が
まったく合わない
と感じる人もいるでしょう。

でも、それは全然
不思議なことではありません。

大切なことは、
自分に合った情報を
見つけることです。

そのためには、どんなノウハウであれ、
自分で試してみて、
役立つかどうかを確かめる
必要があります。

情報を読んで
頭の中で理解するだけでなく、
「実践する」という行動が
不可欠です。

====

それから、あるノウハウ情報が
必ずしも100%有益なものである
という保証もありません。

それでも
一部でも自分に役立つもので、
生活を豊かにしてくれるのなら、
役に立つ部分だけを
積極的に取り入れれば良いのです。

様々な情報ソースから
自分に有効な部分を抜き出し、
いくつかの「良い部分」を組み合わせて、
自分用の情報を
作り上げるのも意義深いことです。

本を読んでいると、
「書かれていることが素晴らしい」
と感じて読み進めていたものの、
最後の1章がどうもしっくりこない
ということもあるでしょう。

こういった場合、がっかりして
「この本はイマイチだな」
と失望してしまう人もいます。

しかし、
これは「完璧主義」の考え方であり、
健全な姿勢ではありません。

100%が良ければ合格、
でもちょっとでも
ダメなところがあれば不合格、
というような完璧主義的考えでは、
不満ばかりが募り、
幸せな気持ちにはなれません。

この世の中には、どんなことでも
100%全てが良いということは
ほとんどありません。

多くの人が
素晴らしいと賞賛するものでも、
せいぜい80%は良くて、
残りの20%には良くない部分も
含まれているものです。

そのため、一つの情報の中でも
自分にとって有効な部分だけ
取り入れる姿勢も大切です。

====

同じ目標を
達成するためのノウハウでも、
逆のやり方を奨励するものも
存在します。

例えば、
ノウハウAとノウハウBがあり、
AとBのやり方が相反している場合も
あります。

同じ目的を達成するために
なぜ全く逆のやり方をするのか、
混乱してしまうこともあるでしょう。

しかし、これも
驚くべきことではありません。

なぜなら、100%最善の方法は
存在しないからです。

AとBは同じ目的を達成するためでも、
それぞれに長所と短所があります。

どちらが良い悪いではなく、
人によってどちらの方が
自分に合っているかが
ポイントなのです。

実際に実践してみることで、
やり方の長所を上手く活かせるか、
短所を最小限に抑えることができるかが
問題となります。

自分で試してみて、
自分に一番合った方法を選ぶのが
最善なのです。

====

これらのことをふまえて、
情報を探す際には、
ベストを求めることは避けましょう。

100%完璧な情報は
どこにも存在しないので、
期待外れになるからです。

それよりも、ベターな情報を
探すようにすることです。

現在の自分の状態や状況よりも、
少しでも良くなるための情報を
求めたほうが賢明です。

さまざまなノウハウ情報に触れ、
実際に自分で試してみて、
試行錯誤しながら
自分にとって最も役立つものを
見つけること。

他人の意見を
参考にすることはできますが、
それはその人個人の
意見に過ぎません。

その人にとっては素晴らしくても、
自分にとっても良いものだ
とは限らないのです。

そのため、他人の意見を
そのまま鵜呑みにするのは
やめましょう。

実際にどうなのかは、
自分で確かめるしかありません。

どこの誰にでも
100%当てはまる情報は
存在しないことを念頭に置き、
ベストな情報ではなく、
ベターな情報を探すことが大切です。

ベターな情報を有効活用し、
日々の生活を
より良い方向に導いてゆきましょう!

参考動画:「100%正しいことなんかない!」(ユーチューブ 精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル)