日本には
毒親問題で悩み苦しむ人たちが多数いる。
私のように「自分の親は毒親だ」
とはっきり自覚する人がいる一方、
親の問題に全く気づいてない人もいる。
まさか自分の親が毒親だなんて思いもよらず、
むしろ、良い親だと思っているのだ。
今回は、「毒親だと思ってなかったけれど、
実は、毒親だった」というケースをお話したい。
人生を楽にするカウンセラー・高橋リエさんの
ユーチューブトークを参考にしている。
自分の親を良い親だと信じていれば、
親との心理的、物理的距離も近く、
結婚してからも、
親とは頻繁に会ったり、連絡し合う仲だろう。
でも、もし、自分は心理的問題を抱えており、
年齢を重ねるにつれて、
原因不明の生き辛さを感じることがあれば、
親が問題だったという可能性もある。
自分に限らず、
自分の子供が引きこもりや不登校になったり、
摂食障害、強迫性障害、
リストカットの症状で悩んだりする時、
自分の親が原因だったということもあり得る。
自分の生き辛さに関しては、
思ったことが言えないとか、
人間関係が築けないとか、
仕事が続かないとか、
様々な形で自分が望ましくない状態でいることだ。
高橋さんによれば、
自分や自分の家族に
何らかの心理的問題がある場合、
根本的な原因は、
自分の親にあったということもあるそうだ。
自分では気づいていなくても、
自分の親が毒親だったために、
無意識に自分を殺して、
親に過剰適応してきたのが原因だった
ということも珍しくないとのこと。
親に問題があるのに、
なぜ、それに気づけないのか?
高橋さんはその理由を
トークの中で詳しく説明している。
その理由は次の通りだ。
幼い子供は知識も力もなく、
一人では何もできない。
しかし、色々なことがよく分かる。
幼い子供は潜在意識で生きているからだ。
親の喜びや、悲しみや、心配など、
幼い子供は察するのが上手で、
親の心がお見通しの状態だ。
親が自分のことで精一杯で、
自分の心配ばかりしていて、
子供の気持ちを思いやれない時、
親はそのことを隠しているつもりでも、
子供にはすべてバレている。
小さな子供にとっては、
親は生きるために絶対的に必要な存在だ。
無事に育てて貰うためには、
子供は親に適応するしかない。
親が自分の思い通りにならなければ、
カッとなり激しく怒れば、
子供は怖くてたまらない。
親を怒らせないように
と必死で良い子になるよう努める。
親は常に正しくて、
悪いのは子供である自分だ、
という思考を作り、合理化して、
子供は親が求める役割を果たす。
例えば、お母さんを支える良い子とか、
お母さんの見栄を満足させる優等生とか、
年下の兄弟の面倒をよく見る
良いお姉ちゃん、お兄ちゃんとかだ。
親に見放されないように、
親の機嫌取りを最重要課題にするのは、
子供にとっては、死ぬほど苦しいこと。
でも、子供は必死で親に適応するよう頑張る。
ツライことには蓋をして鍵をかけて、
見ないように一生懸命頑張る。
そんな姿勢で生きてゆくうちに、
自分は本当はどう感じているのか?
自分は本当は何をしたいのか?
自分は本当はどうありたいのか?
が分からなくなってくる。
それでも、子供にとっては、
親に過剰適応していたほうが
育てて貰うことができるので、
好都合なのだ。
小さな子供の頃から、大人になるまで、
ずっとこのように生きてくれば、
それが普通になってしまう。
親子関係はこういうものなんだ
と思い込むようにもなるのも当然だ。
高橋さんのクライアントの中には、
ずっと親から虐待されて育ったのに、
「可哀そうなのはお母さんだ」
と信じて、母に尽くす人もいるそうだ。
親が不当な要求をしているのに、
親の期待に応えられない自分のほうが悪い
と罪悪感を持つ人もいるとのこと。
多くの人が育てて貰うために、
生き延びるために、
親の実態は見ないようにして
固く蓋をしている。
そして、長い年月を経るうちに、
それが普通のことに感じられるので、
親に大きな問題があっても、
なかなかそれに気づけないそうだ。
他人の親子関係はオカシク見えても、
自分自身の関係性については、
なかなか客観視することができない。
しかし、子供も何らかのきっかけがあり、
ある日気づくことになる。
ちょっとした事件だったり、
親から言われた一言で、
「あれ、自分の親はちょっと変なのでは?」
とうすうす気づき始める。
なんだか分からないけれど、モヤモヤして、
あれこれ調べているうちに、
「ひょっとして、私の親は
毒親ではなかったのか?」
とかすかな疑いが生じてくる。
今まで当たり前のようにやってきたことが
実は、親のためにムリして我慢して
やってきたと気づくことになる。
この時点で本来の自分を取り戻し、
自分軸で生きるために
親との関係を見直す人もいる。
しかし、今更、親との関係を変えられない
と今まで通りにしておく人もいる。
親との関係性を変えるか否かについて、
カウンセラーの立場では、
直接アドバイスすることはないそうだ。
なぜなら、本人が決めるほうが
よいと思われるから。
ただ、一つ言えることは、
この問題に気づき、
親との関係性を見直して、
自分の在り方を自分ベースに戻せれば、
今まで自分の身近で起きていた
家族の問題や、自分自身の問題が
自然と解決することが多いということ。
今まで本来の自分で生きていないことが、
自分自身や身近にいる家族などに
負担をかけていた。
その負担により、様々な形で
自分や家族に問題が生じて、
悩み苦しむことになっていたからだ。
もし、年齢を重ねるにつれて
原因ははっきりしないが、
生き辛さが増してきたり、
自分の身近な家族に心理的問題が起きて、
様々なトラブルを起こすようであれば、
一度は「自分の親に問題があったのでは?」
と疑ってみてもよいだろう。
もちろん、問題のすべてが
親に原因があるわけではないが、
そういうケースがあることを
知るだけでも、役に立つだろう。
高橋さん、興味深い役立つトークを
有難うございました。
参考動画:「毒親育ちさんが親から自由になると、こんなに変わる!」
(ユーチューブ 人生を楽にするカウンセラー高橋リエ)