目標に向かって頑張っていても、なかなか前に進まない理由

目標に向かって、一生懸命頑張っても、
思うように前に進めない時がある。
その原因の一つは、
アクセルとブレーキを同時に踏んでいるから。
目的地に向けてアクセルを踏み
早く辿り着けるよう努力する。
でも、その一方で、
自分で自分の進行を妨げるよう
ブレーキを踏み、止まろうとしている。

当然、アクセルとブレーキを同時に踏めば、
思うようには前には進まない。
アクセルを踏む力がブレーキよりも
少しだけ強ければ、
ほんの少しは前に進むが、
通常の速度で走ることは不可能だ。

なぜ、このような現象が起きるのか?
そして、どうすれば、
この問題を解決できるのか?
勝間和代さんのトークを参考に
考えてみたい。

勝間さんによれば、
何かを達成しようと決めて、
その目標に向かって行動しても、
なかなか前に進めない時には、
意外な原因があるという。

その原因は自分の複雑な心だ。
何かを成し遂げたいと願う一方、
それをやりたくないという
矛盾した気持ちが自分の中にある。
相反する気持ちが綱引きをして、
やるのか、やらないのか、
自分自身がはっきりしないのが原因だ。

ただ、表面上はやりたいと思っている。
表面上のやりたい気持ちは
自分ではきちんと意識できているが、
心の底にあるやりたくない気持ちに
気づいていない場合が多い。

人間の心はとても複雑で、
相反することを抱えていることは
誰にでもよくあることだ。
自分の相反する矛盾する気持ちにも
きちんと気づいて、
その部分を解決することが
目標達成に役立つということだ。

例えば、ダメンズと別れたいと願い、
交際を止めようと考えている。
でも、なかなか相手にそのことを言い出せない。
それどころか、今まで以上に頻繁に会い、
関係性を深める方向へ進んでしまっている。

こういう場合、自分の心の内では、
その彼氏と交際を続ければ、
悪影響を受けることは分かっている。
でも、自分がダメンズのお世話をすることで、
自尊心を満足させている部分もある。
彼には自分が必要であり、
自分は彼に尽くすことで、
喜びを得ている事実もあるので、
なかなか別れを切り出すことができない。

自分にとってデメリットがあるので、
別れたくても、それと同時に
メリットも存在するから止められない
ということだ。

お酒は健康に悪いので、
禁酒しようと決めたけれど、
やはり、なかなか止められない。
この場合にも、お酒によるデメリットと
メリットが両方あるので、
なかなか禁酒が進まないのだ。
デメリットはお酒による健康被害。
メリットは、飲んだ時に気持ちよくなれること。
ツライ現実、ツライ生活、ツライ人間関係を、
お酒を飲むことにより忘れられる。
このメリットが魅力的なので、
デメリットがあっても禁酒が難しい。

勝間さんのアドバイスは、
目標そのものに向き合うよりも、
その目標を成し遂げた場合、
自分が失うものに注目することだ。
そして、失うものに対して、
問題解決したほうが効果的だということ。

例えば、禁酒の場合には、
お酒を止めた場合には、
自分は何を失うのか?
どんな問題が起きるのか?
はっきりさせることが重要だ。
お酒がなくなれば、
リラックスできなくなる。
ツライ現実、ツライ人間関係も
忘れられなくなり、苦しくなってしまう。
この部分に目を向けて、
どう対処すればよいのか考えることだ。

この場合には、お酒以外に
リラックスする方法がないかどうか
考えてみるとよいだろう。
もし、映画が大好きで、
映画館に行くことで気分転換できるのなら、
お酒を飲む代わりに、
もっと映画に行く機会を作ればよい。
筋トレでストレス解消できる人なら、
もっと筋トレにお金や時間を費やせばよい。
解決方法は人それぞれ。
どれが自分に最適なのかはケースバイケースだ。
要は、禁酒することにより
自分が失うメリットを他で補えないか?
考えることが、目標達成には役立つということだ。

私の例を挙げれば、
職を失い、就職活動を頑張る時期があった。
毎日、就活サイトを見て、
適切なポジションがあるか確認した。
これだというものが見つかれば、
その企業に履歴書を送り、
早く次の仕事が見つかるよう、
それなりに行動していた。

しかし、いざ、面接に呼ばれれば、
熱意を持って自分を売り込めない。
そのポジションに就いて、
熱心に働く気持ちが十分でなく、
なんとなく力が入らなかった。
そういう姿勢で面接に臨んでも、
企業側には、すぐにバレてしまう。
その結果、当然、不合格通知を受け取ることになる。

仕事を見つけようとして、
就活のために様々なポジションに応募しても、
いつまで経っても、
なかなか職に就けない状態だった。
一生懸命頑張っているのに、
やっぱりダメだと嘆く気持ちもあった。

しかし、ある日、大切なことに気づいた。
表面上は仕事に就きたい気持ちはあっても、
それと同時に、心の奥底では、
就職したくないと願っていたのだ。
相反する気持ちが自分の意識に上がってきた。
なぜ、相反する気持ちがあるのかは、
就職すれば、自由時間が少なくなる。
自分が心底やりたいことに費やせる時間も
ほとんどなくなってしまうので、
今のままの状態のほうが
自分にとってはメリットがあるということだ。

つまり、私の中には、
就職したい気持ちと、
就職したくない気持ちとが、
同時に存在していて、
それらが綱引きをしていたから、
なかなか就職活動に一生懸命になれなかった
ということだ。

自分の中で、このことが明らかになった時、
私は就職活動を一時止めることにした。
今は仕事をするよりも、
もっと自分がやりたいことに
時間とエネルギーを注ごう
と決心できたからだ。

目標を定めて、その目標に向かって
色々努力をしていても、
なかなか前に進まない時には、
自問自答してみるとよい。
「私はこれをやりたいと思っていても、
自分の心のどこかでは、
やりたくない気持ちが存在しないかどうか?」
もし、自分の中で相反する気持ちがあるなら、
目標そのものに注目するよりも、
目標を妨げるものに向き合って、
そちらをどうにかしたほうがよい。
そうすれば、意外にも簡単に
視界が開けてくるだろう。

勝間さん、役立つアドバイスを
有難うございました。

参考動画:「勝間和代の、変えたくても変えられないこと、それは何かの理由であなたを守っているはずです
(勝間和代が徹底的にマニアックな話をするYouTube)