「ストレス」という敵に
打ち勝つために、
ストレス耐性を
鍛えるべきなのでしょうか?
今回のテーマは
「ストレス耐性を鍛えるべきか否か」です。
この問いに対し、
精神科医樺沢先生のアドバイスを参考に
考えてみたいと思います。
結論から申し上げますと、
この問いへの答えはノーです。
それよりも、
もっと適切な方法が存在します。
一体その方法とは何か、
なぜそれをお勧めするのか、
詳しくご説明しましょう。
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ストレスは耐え忍ぶものではなく、巧みに受け流すべきもの!
仕事や人間関係からのストレスにより、
頭痛や肩こり、イライラ、
疲労を感じることは一般的です。
多くの人が
「ストレスに打ち勝つためには、
自分のストレス耐性を鍛えるべき」
と考えがちです。
しかし、
「ストレス耐性を強化して、
ストレスに負けないようにしよう」
と思う人が多い中で、
精神科医樺沢先生は
異なる見解を持っています。
先生は
「ストレスは耐え忍ぶものではなく、
受け流すべきだ」と考えており、
「ストレス耐性を磨くのではなく、
レジリエンス力を強化すること」
を推奨しています。
樺沢先生は、
スペインの闘牛士を例に挙げ、
「ストレス耐性」と「レジリエンス力」の違いを
わかりやすく説明しています。
猛烈な勢いで
猛牛が自分に向かってくる状況を
想像してみてください
これを盾で受け止めたら
どうなるでしょうか?
きっと跳ね飛ばされて、
酷い目に遭うでしょう。
この時に、
「跳ね飛ばされないように」と
盾を強化することが
「ストレス耐性」を鍛えることに
例えられます。
それに対して、
猛牛からの攻撃を
スルッと交わして避けるようにすれば、
ぶつかることもないので、
自分はダメージを受けないでしょう。
「レジリエンス力」はこれと似ていて、
スルーして
ストレスを上手く避ける方法です。
どんなに盾を強化して
猛獣に負けないよう頑張っても、
相手は人間よりもずっと力の強い獣です。
猛烈な勢いで攻撃されれば、
人間には勝ち目はないでしょう。
しかし、
スルッと上手く交わして
物理的に猛獣にぶつからなければ、
何も被害はないはずです。
この考え方を
ストレスへの対処に応用することが、
より効果的な方法だと言えるのです。
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どうすればレジリエンスは高まるのか?
「レジリエンス」とは、
「弾力性」のことです。
これを理解するために、
「バネ」をイメージすると
よいでしょう。
バネは押されても
一瞬は縮んでも、
すぐにビョーンと元に戻ります。
ストレスを真正面から受け止めず、
ちょっと掠るくらいにすれば、
バネのように柔軟性を持ち
対応できるでしょう。
このためにできることが
レジリエンス力を磨く
ということです。
レジリエンス力を磨くためには
様々な方法がありますが、
樺沢先生がお勧めするのは、
「朝散歩」です。
これは手軽で簡単な方法であり、
誰でも実践可能です。
朝日を浴びながらリズム運動をすると、
脳内物質のセロトニンが
活性化されます。
セロトニンは気分を安定させ、
感情のコントロールを助ける物質で、
セロトニンレベルが高いと、
多少のストレスがあっても
心に余裕を持ち、イライラせずに
ストレスを受け流すことが可能になります。
一方で、セロトニンレベルが低いと、
小さな刺激にもカッとなり、
感情のコントロールが難しくなります。
いつも神経質になり、
些細なことで悩むようになるでしょう。
このような状態を防ぐために、
一番簡単な方法は
「朝散歩」をして、セロトニンレベルを
上げることです。
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捉え方を変えれば、上手に対処できる!
樺沢先生によれば、
多くの人は「ストレスは悪いもの」
と捉えがちですが、
必ずしもそうではありません。
過剰なストレスは
確かに害になりますが、
適度なストレスは
健康的な生活にとって
むしろ有益なものです。
適切な刺激があることで、
仕事や勉強のパフォーマンスが向上し、
生活に活力が生まれるからです。
最近の研究によると、
ストレスを否定的に捉える人ほど、
その悪影響を受けやすい傾向がある
と判明しました。
それに対して、
適度なストレスを必要なものと捉え、
ストレスを敵視しない人は、
ストレスから受ける害が
少ないことが明らかになっています。
ストレスへの捉え方を変えること、
また、朝の散歩によって
セロトニンレベルを高めることは、
ストレスに上手く対処する方法だ
と言えるでしょう。
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まとめ:ストレスに上手く対応するために
今回の話の要点をまとめますと、
以下の通りになります。
1)ストレスに耐えるのではなく、
受け流すことが効果的です。
2)そのためには、
ストレス耐性を鍛えるのではなく、
レジリエンス力を高めるようにしましょう。
3)レジリエンス力を向上させるためには、
朝の散歩が手軽で効果的な方法です。
4)過度なストレスは
避けるべきですが、
適度なストレスはむしろ有益だ
と理解することも大切です。
樺沢先生のアドバイスは
役に立つので、ぜひ先生のトークを
聴いてみることをお勧めします。
参考動画:「ストレス耐性を強めるな!」
(YouTube 精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル)