受験のための猛勉強、
大事な仕事やイベントのための
大きな頑張りにより発生する
疲れやストレスは、
その行事中ではなく、
終了後、しばらくして、忘れたころに
私たちを攻撃してくる。
今回のテーマはこのことについて。
精神科医・樺沢紫苑先生の
ユーチューブトークを参考にしている。
確かに、私も経験がある。
資格試験のため、睡眠時間を削って、
一生懸命、頑張っていた時期があった。
風邪が流行る季節で、
周囲ではゴホンゴホンと咳する人ばかり。
「なんだか嫌だな~ 今、具合が悪くなったら困る!」
と心配したが、気が張っていたせいか、
風邪をうつされることはなかった。
でも、大事な試験が終了してから、ドカンと来た。
風邪ではないが、酷い体調不良に見舞われた。
樺沢先生のトークで意外だったのは、
終わってから、
すぐにダメージを食らうのではなく、
3~6カ月の時差があるということ。
こんなに長い時差があれば、
ストレスフルなイベント自体を
すっかり忘れてしまうだろう。
でも、忘れた頃に襲われてしまうのだ。
樺沢先生によれば、
疲れやストレスが時間差で訪れるのは、
人間の脳や身体の作りによるものだとのこと。
大変な時には、気が張っているので、
脳内の緊急対応物質で対応できる。
しかし、頑張れる期間は限りがある。
脳内物質のセロトニンは、貯金のように
脳内に蓄えることが可能だ。
でも、ムリが長期間ずっと続けば、
蓄えられたセロトニンは徐々に減ってゆき、
やがては枯渇状態になる。
この時点で、病気になってしまうということだ。
疲れが溜まっていること自体、
自覚できない場合もあるだろう。
しかし、注意していれば、
ちょっとしたサインに気づける。
ケアレスミスが多くなったり、
普段はしないような間違いをしたり、
やるべきことを忘れていたり。
大きなミスでなくても、
このようなことが増えてきたなら、
自分が疲れているという証拠だ。
樺沢先生の調査によれば、
2020年10月、自殺者数が急増した。
しかし、11月、12月には減少傾向で、
1月、2月では、更に数は減った。
なぜ、10月に頂点に達したのか?
先生の推測では、5~6カ月前の4~5月に、
新型コロナの恐怖がピークに達したからだ。
この頃、未だこのウィルスが
どんなものだか分からなく、皆、不安が強かった。
また、緊急事態宣言の発令に伴い、
多くの人が大きなストレス状態になった。
そのピークから5か月後に、大きなストレスが、
自殺者数の増加として、表れたということだ。
先生のアドバイスは、
何かを乗り越えている時よりも、
乗り越えられた後の方が、
ストレスによるダメージが大きく出ることを、
頭の片隅に入れておくこと。
自分に対しても、周囲の人々に対しても、
一番大変な時には、「大丈夫かな?」
と気遣いするだろう。
しかし、本当は、大変な時ではなく、
それを乗り越え一段落して、
普通に戻ったときの方が危ない。
このことを知るだけでも、
よりよい対応ができるだろう。
例えば、会社が経営危機で
大変な時期があったとする。
どうにか、それを乗り越えて、
もう大丈夫だ、安心してもよい、
とほっとする時期が来る。
そこですべてが終了したと思いがちだが、
その大変だった時のことを忘れた頃に、
それまでのストレスが襲ってくるので、
この時期を意識して注意することは重要だ。
もう落ち着いたと安心した時には、
すぐに再び大きな頑張りをしないで、
少し休憩時間を取った方が無難だということ。
今回の話の大事なポイントを繰り返せば、
大変な時、辛い時を乗り越えたら、
その後、暫くしてから
疲れやストレスによる
攻撃が襲ってくるかもしれないので、
意識して自分や周囲の人々を
労わってあげようということだ。
樺沢先生、役立つ情報を
有難うございました。
参考動画:「疲れは自分では気づかない!?」
(ユーチューブ 精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル)