インターネットの普及により、
自宅から簡単に
さまざまな情報を瞬時に
収集することが可能になりました。
便利な時代になった一方で、
溢れる情報量によって
戸惑いを感じることも
珍しくありません。
特定の事柄に関して、
相反する情報がネット上に
掲載されていることもあります。
では、こういった場合に
私たちはどのように対処すれば
よいのでしょうか?
今回は、そんな状況において
どうすればよいのかを
考えてみたいと思います。
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ネット上で全く逆の情報を
目にする経験は、
多くの人がしていることでしょう。
そうした場合、私たちは
どちらの情報が正しいのかを
知りたいと思います。
一体どちらが真実なのか、
正解なのかというアプローチを
取ってしまいがちですが、
実際にはおそらく
両方が正しいのです。
では、なぜ真逆のことが
両方正しいと
言えるのでしょうか?
その理由は、
情報の対象が異なるからです。
ある情報がある人にとっては
正しいかもしれませんが、
別のグループの人々にとっては
適切ではない場合も多々あります。
受け取る人が異なれば、
同じ情報でも
有効であったり無効であったり
するものなのです。
例えば、「ぼーっとすること」は、
ある情報によれば
非常に有益であり、
奨励されています。
しかし、別の情報では、
ぼーっとすることは望ましくなく、
より活発な生活を
送るべきだと述べられています。
「ぼーっとする」という
同じ行為について、
良いことだと言う人と
悪いことだと言う人が
存在するわけです。
これらの情報を同時に読んだ場合、
どちらが正しいのか
疑問に思うことでしょう。
その答えは、
どちらも正しいということです。
なぜなら、忙しくて
息抜きの時間がない人にとって、
ぼーっとする一時は
脳のリフレッシュを可能にし、
アイデアが浮かびやすい状態を
作り出すことができます。
それにより、リラックスし、
心を充電させ、
その後の仕事の効率を
高める利点もあります。
したがって、
常に忙しく動いている人には、
ぼーっとすることを奨励するのが
適切です。
しかし、一日の大半を
集中力を欠いた状態で
ぼーっと過ごす人には、
ぼーっとすることを奨めるのは
望ましくありません。
常にぼーっとして
意義ある活動も行わずにいると、
時間の浪費になるばかりでなく、
心身の健康面にも
良いとは言えません。
適度なストレスがある状態であれば、
最も効率的に作業を行い、
自己向上や改善に
つながるものです。
よって、一日の中で
小さなストレスを感じながら
何かに没頭することは
非常に意義あることです。
一日中何もせずに
ぼーっと過ごしている人には、
ぼーっとする時間を減らし、
より活動的になることを
勧めるのが
正しいアプローチでしょう。
このように、情報を受け取る人が
普段ぼーっとすることが多いのか、
それとも常に
忙しくしているのかによって、
「ぼーっとする」という行為が
奨励されるべきかどうかが
異なってきます。
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情報の有効性について考えるとき、
それが正しいか間違っているか、
「白」か「黒」かの二者択一で
考えたくなります。
もちろん、特定の事柄については、
正しいか正しくないか
はっきりと
言い切れることもあります。
しかし、単純に正しいか
間違っているかに
当てはまらない事柄も
多数存在します。
何かをする方法にしても、
Aというやり方には
良い面も悪い面も
両方存在するものです。
Aの良い面を活かせる人にとっては、
Aは役立つので
Aの方法が正しいやり方だ
と感じるでしょう。
しかし、Aの良い面を活かせずに
悪い面が強く出る人にとっては、
Aのやり方が正しい
とは言えないのです。
Aが正しい方法なのか、
そうではないのかは
人によって異なってきます。
なぜ人それぞれそんな違いが
出るのでしょうか?
その理由は、
人間は多様な存在だからです。
性別の違い、年齢の違い、
体や体質の違い、遺伝的な違い、
住んでいる環境の違い、考え方の違い、
価値観の違い、人間関係の違い、
行っている仕事の違い、経験の違い、
生活スタイルの違い、置かれた立場の違い、
文化的な違いなど、さまざまな点で
人は異なり、ユニークな存在なのです。
この世の中には、すべての面において
自分とまったく同じ人は
どこにもいません。
ですから、同じ事柄でも
真逆な意見が出ても
全く不思議ではないのです。
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これは私の体験談です。
太り気味だった私は、
以前さまざまなダイエット方法を
試してきました。
その中の一つに
糖質制限ダイエットがあります。
お米やパン、麺類、
イモ類などの炭水化物や、
スイーツなど砂糖の入ったお菓子は
一切食べず、
肉、魚、チーズなどのタンパク質、
また油や野菜を
しっかり摂るダイエット方法です。
この方法で
体重を減らすだけでなく、
体調が改善された人もいます。
このダイエット法を
推奨する医師も存在し、
詳しい方法が書かれた書籍まで
出版されています。
私がこのダイエットを試みたとき、
確かに体重はうまく減りました。
しかし、私はこれを続けた結果、
体調をひどく崩してしまいました。
眠れない日が増え、
昼間もぼーっとして倦怠感が強く、
意欲がわかない状態に
なってしまったのです。
そのため私は
このダイエットを断念しました。
今振り返ると、糖質制限ダイエットは
私にとっては適切な方法では
なかったと言えます。
でも、自分にとっては良くなくても、
他の人にとっても
必ずしも悪い方法だとは思いません。
それにより
体調が改善される人も
いるからです。
世界中のすべての人々にとって
「これは絶対的に良いダイエット法だ」
というものなど
どこにもないのです。
私たちは体質や遺伝的な要素も
異なるため、
あるダイエット方法によって
体調が良くなる人もいれば、
悪くなる人もいるのです。
そして、
それは不思議なことでは
ありません。
よって、人によって有効であったり
害になったりすることを
承知しておくことは大切です。
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大勢の人が
「この方法は効果がある」
と言っても、
自分にとって効果がなければ
意味がありません。
逆もまた然りで、自分にとっては良くても、
必ずしも他人にも同様に良い
とは限りません。
要は、自分にとって
どうなのかが重要なのです。
自分にとって有効かどうかを
知るためには、
自分で実際に
試してみなければ分かりません。
健康法であれば、
自分の体を使って
実験する必要があります。
もちろん、
体に明らかに害になるものは
試すべきではありませんが、
そうではないものは
試してみても良いでしょう。
自分が効果的だと感じたら、
それを継続すれば良いですし、
そうでなければ
やめても構いません。
自分に有効だからといって、
友人にも有効だろう
と考えるのは
適切ではありません。
逆に、友人に効果があっても、
必ずしも自分にも効果がある
と期待しない方がよいのです。
正しいか間違っているかで
判断せずに、
自分に合うかどうかを
試してみて決めることは
とても重要です。
時には自分で試してみて
有益だと思っても、
後になって実はそうではなかった
と分かる場合もあります。
自分には適切ではない情報を
取り入れたために、
被害を被ることも
あるかもしれません。
しかし、これも失敗から学び、
次に活かすための練習になります。
情報選びや判断スキルも、
自分で実際にやってみて
試行錯誤をしながら、
スキルが徐々に磨かれていくものです。
情報を自分で選び、
自分の生活に応用させる試みは、
自分自身のスキルを向上させ、
生活をより豊かにするためにも
意義あることなのです。
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今回の話をまとめると、
溢れる情報社会において、
特定の事柄について
相反する情報を
見つけることは
珍しくないです。
そんな時には、
どちらの情報が正しいか、
間違っているか
というアプローチを取るのは
適切ではありません。
むしろ、その情報が
誰に向けられたものなのかを
考えながら
情報を選択するべきです。
同じ情報でも、人によっては
正しい情報となったり、
悪い情報となったりするものです。
人間の多様性を考えれば、
それも不思議ではありません。
要は、その情報が
自分にとって有効なのか
ということに注目することです。
実際に自分にとって
良いかどうかを知るためには、
それを使って
自分自身で試してみる必要があります。
時には試した結果、
悪いことが起きて
被害を被るかもしれませんが、
それは学びの機会と捉えて
次に活かすことが望ましいでしょう。
自分で情報を選び、
その情報を使って試すうちに、
情報選びのスキルも
徐々に磨かれていきます。
自分にとって
より良い情報を得るスキルを向上させ、
生活をより充実させていきましょう!