メンタル病みやすい人は、テレビ番組を極力避けた方がよい

事件や事故、芸能人の訃報や病気など、
テレビ番組を見ると
感情が揺すぶられて、
ネガティブ影響を受ける人は多い。

今回のテーマは、
メンタル病みやすい人は、
極力、テレビを見ない方がよい、
というお話だ。
なぜ、そうなのか?
精神科医・樺沢紫苑先生は、
その理由を、脳科学的な見地で
解説して下さっている。

メンタル病みやすい人は、
ちょっとした刺激でも、
感情が揺さぶられる傾向にある。
普通の人ならスルーできることでも、
頭の中に残ってしまい、
そのことをグルグルと考えて、
落ち込んだり、心を揉んだりする。

例えば、事件のニュースを見れば、
自分には全く関係ないことでも、
「ああ、怖い。同じようなことが起きたら、
どうしよう」と心配してしまい、
夜も寝れなくなってしまうことがある。

でも、そうなるのは当然と言ってもよい。
なぜなら、テレビ番組というものは、
多くの人々に見て貰えるよう、
わざわざセンセーショナルに
人の感情を揺すぶるように作られているからだ。
さもないと、チャンネルを変えられたり、
途中で切られたりしてしまう。
ネガティブなことに強く反応する人間の心理を
上手く利用して、
実際以上に誇張したり、大袈裟に表現して、
人の心を揺さぶるように工夫されているのが、
テレビ番組というものだ。

樺沢先生によれば、
視覚情報はテキスト情報の6倍も
記憶に残りやすいそうだ。
別の言い方をすれば、
視覚情報はテキスト情報よりも、
6倍も感情を揺すぶることができる
ということ。

交通事故で誰かが亡くなった時に、
「この事故により、家族4人が
お亡くなりになりました」
とテキストで読む場合と、
現場の映像を目で見て、
亡くなられた家族の写真などを
視覚情報で受け取った場合とでは、
感情の揺すぶられ方は全く違う。

不安や恐怖で感情が揺さぶられると
ノルアドレナリンが、
怒りの感情の場合には、アドレナリンが、
そして、スゴク楽しい時には、
ドーパミンが分泌される。
これらの脳内物質は、記憶を増強して、
ものすごく記憶に残りやすくする作用がある。

また、テレビのニュースは、
悪いニュースの方が、
良いニュースよりも圧倒的に多い。
これも、人がネガティブなこと、悪いことに
より反応を示して、見てしまう性質があるからだ。
ニュースの中では、事件、事故、
有名人の病気などのネタが多い。
テレビ局がわざとネガティブニュースだけを
沢山流して、視聴率を上げようとするからだ。

樺沢先生の脳科学的な解説をまとめれば、
テレビニュースは視覚情報なので、
感情が強く揺すぶられ、
ネガティブな気持ちになることが多い。
この時、脳内ではノルアドレナリンが分泌され、
記憶が増強されるので、
非常に悪影響を受けやすくなるということだ。

そんな悪影響があるのに、
それでも、テレビを見たいだろうか?

テレビを見ないと、
世界で何が起きているのか分からず、
置いて行かれてしまう、
と心配する人もいる。
もちろん、それはその通りだ。
でも、ニュースを知るためには、
テレビでなくても、ネット情報でもよいはずだ。
ニュースはウェブ上のテキストでも読める。
テキスト情報ならば、
ネガティブなニュースであっても、
さほど感情を揺すぶられることはないだろう。

また、テレビ番組の中には、
有益な情報を流す番組もある。
テレビを一切見ないと決めれば、
自分にとって役立つ情報を
逃してしまい、勿体ないことにもなる。
そうならないためには、
自分に必要な情報を与えてくれるもの、
自分にとって面白くて、
楽しむことができるものを選び抜くことが必要だ。
どの番組を見て、どれを見ないのか、
十分考えて取捨選択することだ。

テレビを見る上で、
もう一つ大切なことがある。
それは、テレビ番組は、
その番組のスポンサーによって、
都合のよいように作られることが多い。
だから、事実のある一面だけが、
不必要に誇張されていることもある。
テレビから得られる情報を
そのまま鵜呑みにするのではなく、
疑いの目を少し持って見ることが
重要ではないか? と私は思う。

ということで、今日の話のポイントは、
ちょっとしたことで
感情を揺すぶられやすい人は、
テレビ番組を見る際、
十分に注意して、
どれを見て、どれを見ないか決めること。
ニュースはテレビの視覚情報よりも、
ウェブ上のテキスト情報の方がよい
ということだ。

樺沢先生、役立つ情報を
有難うございました。

参考動画:「テレビのニュースの影響を減らす方法
(ユーチューブ 精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル)