他人の幸せを憎む自分が苦しい時、どうすればよいか

今日の話は、
精神科医・樺沢紫苑先生のトーク
「他人が憎いです の対処法」
を参考にしている。

ユーチューブ「樺チャンネル」で
有益情報を沢山発信する樺沢先生のもとには、
日々、様々な質問が寄せられる。
今の自分が幸せではなく、
周りにいる幸せな人と自分を
比べて苦しんでしまう、
嫉妬してしまう質問者に対して、
先生は役立つアドバイスを下さっている。

樺沢先生のこのトークの中に、
私は以下の3つのポイントを見出した。
1)他人と比較することは無意味である。
2)どこに注目するかで、感じ方は随分違ってくる。
3)他人を見るよりも、自分自身の成長に
目を向ければ、幸せになれる。

1)他人と比較することは無意味である。

「隣の芝生は青く見える」という諺通り、
多くの人にとって、他人は良く見えてしまう。
自分よりも能力があったり、
良い境遇に恵まれている人に会えば、
羨ましいと思って、嫉妬心が湧くことも
不思議なことではない。
その人と自分を比べて、
「自分はなんてダメなんだ」
と劣等感で苦しむこともある。
自分と他人を比較する癖があれば、
自分でも気づかないうちに
常に無意識に比較してしまう。

でも、樺沢先生は「他人との比較は無意味」
なので、やめた方がよいとアドバイスする。
自分よりも優れた人は必ずいるからだ。
自分よりも頭が良い人、
自分よりもカッコいい人、
自分よりもお金持ちの人、
自分よりもスポーツができる人等々、
他人と比べて自分が劣っているところを探せば、
無限に出てきてしまう。
自分の劣ったところ探しをして
劣等感を感じたり、苦しくなったりして
自分を疲弊させることは、建設的ではない。

どんなに優れた人でも、
優れた部分というのは限られている。
人間の能力や資質は沢山あるので、
ほんの一つのことで優秀であっても、
他の部分ではそうではないことが多い。
すべてのジャンルで1位になることは不可能だ。
ほんの一部分のことにおいて、
「あの人は私よりも優れているから」
と落ち込むことも、意味がないことだ。
今自分がフォーカスを当てない部分で、
おそらく、あの人よりも自分の方が
良くできることだってあるはずだからだ。

自分のポジティブな面に目を向けずに、
弱い点ばかりをほじくり返して、
その弱い点において、
自分と他人とを比較して、
劣等感を持ち苦しむことは、
わざわざ自分を虐めているようなものだ。

2)どこに注目するかで、感じ方は随分違ってくる。

樺沢先生は
「ポジティブ3行日記」をつけるよう
と患者さんや視聴者さんに奨励している。
ポジティブ3行日記とは、
1日の終わりに今日あった楽しかったことを
3つ書くというもの。
1つにつき1行で十分だと言う。

「ポジティブ3行日記」を実践すれば、
今日楽しくなかったことがあっても、
楽しかったことを思い出して、
記憶に留めることができるので、
「今日は良い1日だった」と思えるようになる。

もし、1日の終わりに今日あった嫌なことを
3つ書き出す作業をすれば、
その日に楽しいことがあったとしても、
苦しかったことだけが注目されて、
「今日はなんて最悪な日だった」
と感じるようになる。

1日の中には、良かったことも、
良くなかったことも、両方あるはずだ。
でも、自分がどこに目を向けるかによって、
感じ方が大分違ってくるものだ。

これと同じように、
自分の中にも良い面もあれば、悪い面もある。
すべての人は両面持ち合わせている。
悪い面ばかりを見て嘆くのか、
良い面にフォーカスを当てて
ポジティブに生活するのかでは、
全く違う人生を送ることになる。

他人の良い面ばかりが目について、
自分を惨めに思う人に
樺沢先生はアドバイスをしている。
「ポジティブ3行日記」を実践して、
まずは、自分のポジティブに注目する
練習をするとよいということ。

3)他人を見るよりも、自分自身の成長に
目を向ければ、幸せになれる。

見る方向を他人に向けるのではなく、
自分自身に向けてみるとよい。
比較をする場合には、
過去の自分と今の自分を比べてみることだ。
昨日はできなかったことが、
今日できるようになっていれば、
昨日は知らなかったことが、
今日は知っているならば、
自分は確実に1段上がったことになる。
自分が少しでも成長できた
と実感できるときには、
脳内ではドーパミンが分泌されて、
幸せを感じることができるのだ。

樺沢先生曰く
「多くの人が最終的な幸せがある
と勘違いをしている」と。
でも、本当の幸せとは、
何かを実践するプロセスの中で、
少しづつでも向上している感がある時に
感じられるものだ。
「やる気があれば、誰でも今日から幸せになれる」
と樺沢先生は励みになる言葉を下さった。

他人を見て羨ましく思う気持ちや
嫉妬心で自分の時間や精神エネルギーを
ムダ遣いしてしまうよりも、
その時間とエネルギーを
自分自身がより良くなるために
使った方が賢明である、
というのが樺沢先生の締めの言葉だ。

樺沢先生、役立つアドバイスを
有難うございました。

参考動画:「他人の幸せが憎いです」の対処法
(ユーチューブ 精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル)