長期のメンタルの不調や
心の病気から回復した後でも、
時々、再び元の状態に
戻ってしまうことは
珍しくありません。
今回の話は、
「もう大丈夫だと思っていたのに、
再び元の状態に…」
とがっかりしている方への
メッセージです。
そういう状態はよくあることであり、
特別驚くべきことではありません。
それでも問題ない
というのが今回の主旨です。
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良くなったり、悪くなったりするのは自然なこと
長い間、メンタルの不調や
心の病気に苦しんだ後に、
「ようやく回復した!
病気から解放された!」
と喜ぶ瞬間は、
多くの人が経験することでしょう。
そんなときには、
「病気は治った!」と思い、
幸せな気持ちに包まれるでしょう。
でも、その喜びもつかの間で、
再び元の状態に戻ってしまうことも
珍しくありません。
そういった場合、多くの人が
「やはり治っていなかったのか」
と落胆するものです。
しかし、一度良くなった後で
再び不調を感じることは、
回復の過程でよくあることです。
これは普通のことなので、
焦る必要もなければ、
落ち込む必要もありません。
一般的には、
病気が良くなると言えば、
その後は完全に健康になる
と考えられがちですが、
現実には、そのようなことは稀です。
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回復の過程にはアップダウンがつきもの!
私は子供の頃、メンタルを酷く病み、
2年以上普通の生活が
送れませんでした。
あの頃を思い返すと、
私も大小の波を乗り越えながら、
病気を徐々に克服してきました。
昨日は絶好調だったのに、
翌日には全く逆の状態になることも
ありました。
ある日は気分が軽やかでも、
次の日は身体がとても重く感じることも
少なくなかったです。
体調にムラがあるのは、
回復過程では普通のことだ
と言えるでしょう。
一般的には、病気の回復は
じわじわと良くなっていくものだ
と思われがちですが、
実際の回復の過程は
そう単純ではありません。
良い日が続き「やっと治った!」
と感じることもあれば、
再び体調を崩すことも
珍しくないのです。
その度に
「せっかく調子が上向きだったのに」
と落ち込むこともありました。
しかし、長期的に見れば、
このようなアップダウンを繰り返しながら、
ゆっくりと回復していくのが、
メンタルの不調や
心の病気の克服の実態です。
この事実を理解し、受け入れることが、
真の回復への
第一歩と言えるでしょう。
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回復のために、行なったほうがよいことと避けるべきこと
病気からの回復を望む場合、
行ったほうがよいことと
避けるべきことがあります。
まず、避けるべきことから
お話ししましょう。
それは、毎日の体調の変動に
一喜一憂することです。
例えば、1週間ほど
体調が良好だった後、
突如として体調が悪くなっても、
「やはり治っていない!」
と落ち込むと、それが新たなストレスとなり、
回復が難しくなる可能性があります。
より適切なアプローチは、
「1週間も好調だったのは回復の兆し。
今日は少し不調だけど、これも一過性」
と肩の力を抜いて
気楽に構えることです。
短期的な変動よりも、
長期的な視点で
自身の体調を
理解したほうが適切でしょう。
そこで、
積極的にやったほうがよいことですが、
それは、「体調日記」をつけることです。
毎朝、起きたときの気分を
100点満点で評価し、
ノートに記録します。
また、夜にはその日の体調の概要を
簡単にメモるとよいでしょう。
体調日記のメリットは、
後から振り返り、自分の状態を
客観的に観察できる点にあります。
ただの記憶だけでは、
症状が主観的に
捉えられてしまいます。
特に、
悪い日の記憶が印象に残りやすく、
良い日の記憶が
隠れてしまうこともあるでしょう。
でも、
日記にしっかりとした記録があれば、
たとえ一時的に体調が悪化しても、
過去数週間の良好な日々を確認して
安心することもできるのです。
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長期的な傾向が短期的な状態より重要
しばらく記録を取り続ければ、
長期的かつ客観的に
自分の状態を把握できます。
体調の良い時間が
以前と比べて増えていることに
気づけるかもしれません。
もしそうならば、
それだけで十分です。
病気が治ってからも、
常に好調であることを期待するのは
現実的ではありません。
日々の変動に
一喜一憂するのではなく、
長期的な視点で
回復傾向を感じられるなら、
それ以上、求めなくてもよいでしょう。
たとえ不調の日があっても、
好調な時間が以前よりも増えていれば、
それは回復の証だと言えます。
将来的には、
完全に病気を克服できた
と感じる時が来るかもしれません。
それでも、
完全な克服を期待するのは
現実的ではありません。
健常者であっても、
常に好調なわけではないからです。
その事実を受け入れ、
柔軟な姿勢で病気に向き合うことが
大切です。
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まとめ
長期にわたるメンタルの不調や
心の病気を抱える方は、
体調や感情のアップダウンが
当たり前であることを
受け入れるとよいでしょう。
回復期であっても
このことは変わりません。
無理に「治そう、治そう」
と焦ることは避けましょう。
気を楽にして構えることが、
実際の回復につながるからです。
病気の回復を目指す際には、
日々の小さな変動に
一喜一憂するのを避けること。
そして、体調記録をつけて、
自分の状態を長期的かつ客観的に
観察する習慣をつけるとよいでしょう。
日々の変動に喜んだり悲しんだりせず、
長期的に良い方向に進んでいるかどうかを
見る目を持つことです。
一時的な不調を過剰に気にすることなく、
楽な気持ちで構えていれば、
気がつけば、その不調も
薄れていることでしょう。
焦らないで、アップダウンを
受け入れることが大切なのです!