この記事では、
「アサーティブに話すこと」
をテーマにしています。
アサーティブに話すことで、
コミュニケーションがスムーズに進み、
人間関係の構築も容易になります。
そのため、
アサーティブに話すことが
奨励されていますが、
具体的にどうすれば
アサーティブに話せるのか、
明確でないかもしれません。
今回は、アサーティブに話すために
注意すべきポイントに
焦点を当ててみたいと思います。
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アサーティブに話すとは、
自分の意見や感情を
はっきりと伝えつつ、
相手の意見や感情も尊重する
コミュニケーションスタイルです。
このスタイルは、
職場やプライベートでの人間関係において、
健全で建設的な対話を築くのに
非常に役立ちます。
ここでは
アサーティブに話すための
ポイントをいくつか挙げてみましょう。
ポイント1: 自分の感情に正直になる
自分の感情を認め、
適切に表現することが重要です。
たとえば、
プロジェクトの案について、
不安を感じているなら、
「この案には賛成ですが、
いくつか心配事があります…」
と伝えることで、
自分の不安を正直に共有できます。
ポイント2: 意見を穏やかに伝える
不満があるときでも、
冷静で穏やかな態度で
伝えることが大切です。
たとえば、
プロジェクトの方向性に異議がある場合、
「その方向で進むのは間違っているよ」
と批判するのではなく、
「この部分について
いくつか懸念があります。こうしたら
もっと効果的ではないでしょうか?」
と提案することで、
自分の意見を穏やかに表明しつつ、
建設的な議論を促すことができます。
直接的な反対よりも、
改善提案を通じて
意見の不一致を扱うとよいでしょう。
ポイント3: 簡潔に話す
長々と話すのではなく、
自分の言いたいことを
ポイントを絞って伝えることが重要です。
たとえば、
会議で提案する際は、
「このプロジェクトには
これこれのメリットがあり、
特に重要なポイントはここです」
と要点を絞って説明すると、
相手に内容が明確に伝わりやすくなります。
ポイント4: 相手の意見に耳を傾ける
アサーティブなコミュニケーションは
一方通行ではなく、対話です。
相手の意見や感情も
大切にすることで、
より良い関係が築けるでしょう。
たとえば、
相手が提案に反対意見を述べた場合、
「なるほど、それは良い指摘ですね。
もっと詳しく教えていただけますか?」
と尋ねることで、相手の考えを理解し、
共に解決策を探す姿勢を示すことができます。
これらのポイントを心がけることで、
アサーティブにコミュニケーションを取り、
より良い人間関係を築くための
一歩を踏み出せるでしょう。
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上記のポイントを踏まえて、
アサーティブに話す際に
役立つアプローチをご紹介しましょう。
それは、「強すぎる言い方」、
「弱すぎる言い方」、そして
「その中間の言い方」を
それぞれ考えてみることです。
強すぎる言い方とは、
相手のことを考えず、
自分の感情やニーズを
優先する言い方です。
一方で、弱すぎる言い方は、
自分の感情やニーズを抑え、
相手の都合を優先する言い方です。
アサーティブな会話では、
どちらの言い方も極端であり、
適切ではありません。
理想的なのは、
強すぎる言い方と弱すぎる言い方の
中間に位置する
バランスのとれた言い方だと言えます。
この中間の言い方では、
自分の感情やニーズを
適切に表現すると同時に、
相手の立場も尊重します。
自分と相手の
バランスを取ることがポイントなのです。
ここを目指すとよいでしょう。
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学校での場面です。
遅刻しそうになっていたため、
急いで教室に向かって走っているとき、
誤って誰かのカバンを
踏んでしまいました。
そのカバンは
廊下の通り道に置かれていたため、
意図せず踏んでしまったのです。
そのとき、
カバンの持ち主があなたに
「何をするんだ!」と怒ってきました。
このような場面で、
あなたはどう対応するのが
よいでしょうか?
まずは、強すぎる言い方について
考えてみましょう。
この場合、
「そんなところに置いてあるから
いけないんだろう!」と言い返すのは、
自分の都合だけを考えた対応です。
この言い方では、相手に対して
非協力的で攻撃的な印象を
与えてしまうでしょう。
次に、弱すぎる言い方を
考えてみましょう。
「踏んでしまってごめんなさい、
全て私のせいです」と謝ることで、
自己の責任を過剰に
認めることになります。
これは自己主張が不足しており、
自分の状況や意見が
表現されていません。
最も望ましいのは、
中間的な対応をとることです。
「カバンを踏んでしまってごめんね。
でも、急いでいたので
気がつかなかったんです。
廊下は皆が通る場所なので、
カバンを置く際は注意してもらえると
助かります」と伝えることで、
自分の非を認めつつ、
相手にも配慮を求めることができます。
これにより、
お互いの立場を尊重して、
問題の解決につながる対話が
期待できるでしょう。
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言いにくいことでも、
重要なことは
相手にきちんと伝える必要があります。
その際、言い方によって
相手への伝わり方が
大きく変わることがあることを
心得ておくとよいでしょう。
たとえば、
部下のミスを指摘する場合、
「いつも書類にミスが多いね!
もっと注意してほしい!」
と言いたくなるかもしれません。
しかし、この言い方では
部下は防御的になり、
有意義な対話は難しいでしょう。
かわりに、
「最近の書類に
いくつかの誤りが見られたよ。
チェックリストを使ってみるのは
どうかな?
一緒に見直し方法も考えようか?」
と提案することで、
支援を申し出る形で話すことも可能です。
この方法なら、
指摘が建設的であると感じてもらい、
改善に向けての
協力的な反応を期待できるでしょう。
同様に、意見の不一致があるときには、
相手の提案を単に否定するのではなく、
建設的な反応を示すことが望ましいです。
たとえば、「そのアイデアは無理だよ」
と断言するのではなく、
「そのアイデアは面白いですね。
ただ、いくつか懸念する点もありますので、
その部分について
もっと詳しく話し合いませんか?」
と提案することで、
オープンで対話的な環境を促進できます。
これにより、相手は
自分のアイデアが評価されていると感じ、
さらなる改善にも
積極的になるでしょう。
また、
プロジェクトの遅延を伝える際にも、
言い方には注意が必要です。
「あなたのせいで、
納期に間に合わないよ」と言うのではなく、
「プロジェクトのスケジュールが
遅れていることが心配だけど、
何か困っていることがあれば
手伝えるかもしれないよ」というように、
協力を申し出ることで、
プロジェクトチーム全体の士気を保ちながら、
問題の解決を図ることも可能でしょう。
言い方を工夫することで、
言いにくいことも
相手に適切に伝えることが可能になり、
より良い関係を築くこともできるのです。
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今回は、
円滑なコミュニケーションを通じて
良好な人間関係を築くために、
アサーティブに話すことに
焦点を当ててお話ししました。
アサーティブな話し方のポイントとして、
自分の気持ちに正直になること、
意見を穏やかに伝えること、
簡潔に話すこと、そして
相手の意見に耳を傾けることが
挙げられます。
強すぎる言い方や
弱すぎる言い方を避け、
その中間を目指すことがポイントです。
自分の都合だけを
考慮した言い方ではなく、
また自分のことを完全に無視して
相手の都合だけを
受け入れるのでもなく、
自分の都合も述べつつ
相手の都合も尊重する
バランスのとれた言い方が望ましいです。
これこそが
アサーティブなコミュニケーションだ
と言えるでしょう。
ときには言いにくいことを
相手に伝える必要が
あるかもしれません。
そのようなときでも、
躊躇せずに話すことが大切です。
ただし、言い方によっては
相手に伝わる印象が
大きく変わることもありますので、
どのように伝えるかに
注意を払うことが重要です。
言い方を工夫することで、
言いにくい内容でも適切に伝えれば、
より良い関係を築くことも
可能になるでしょう。
相手を尊重し、
協力的な関係を維持するために、
アサーティブな言い方を
心がけましょう!