望む成果を
長期間にわたって維持したい
と考えるのは、
多くの人が抱く願いでしょう。
それを実現するには、
どのような行動や考え方が
求められるのでしょうか?
この記事では、
スティーブン・R・コヴィー氏の名著
『7つの習慣』をヒントに、
成果を最大化し、継続させるための
具体的なコツを
考えてみたいと思います。
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コヴィー氏は『7つの習慣』の中で、
人生における「物的資産」
「金銭的資産」「人的資産」という
3つの分野での
P/PCバランスの重要性について
語っています。
ここでいうPは「生産(Production)」、
PCは「生産能力(Production Capability)」を指し、
長期的に望む成果を得るためには、
この二つのバランスを取ることが
不可欠だと説かれています。
Pをわかりやすく言えば、
私たちが望む成果のこと。
そしてPCは、
その成果を生み出す力そのもの
と考えるとイメージしやすいでしょう。
では、このP/PCバランスの考え方とは
具体的にどのようなものでしょうか?
たとえば、「良い成績を収める」という
学業の目標を「望む成果(P)」とします。
この成果を得るために、
一生懸命勉強を続けたとしましょう。
努力の結果、成績が向上し、
満足のいく成果を得ることが
できたかもしれません。
しかし、さらに成果を追い求めて
勉強を続けるあまり、
睡眠不足や疲労がたまれば、
集中力が低下し、
学びの効率が落ちてしまうことも
考えられるでしょう。
短期間で大きな成果を得たとしても、
過剰な努力が続けばそれは長続きせず、
最終的には成果が減少してしまう可能性が
高くなるのです。
そこで重要なのが、
適度に休息を取りながら
心身を整えることです。
休息を取ることは成果を生み出す力、
つまりPCを維持し、強化するための
重要な投資と言えます。
ただし、
休みすぎて勉強を怠れば、
期待した成果が得られないのも
また事実です。
このように、「望む成果(P)」と
「その成果を生み出す力(PC)」の
バランスを取ることこそが、
持続可能な成果を生むための
鍵となるのです。
次に、「物的資産」「金銭的資産」
「人的資産」という3つの分野における
P/PCバランスの具体例を
見ていきましょう。
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物的資産とは、日常生活で使用する
機械や設備、家、車などを指します。
たとえば、ある家族が
車を頻繁に利用している場合、
その車を効率よく使いたいと考えるのは
当然のことでしょう。
このとき、「なるべく安価で、
できるだけ多くの走行距離を稼ぐこと」が
「望む成果(P)」にあたります。
しかし、安価を重要視するあまり、
車のエンジンオイル交換や
タイヤのメンテナンスを怠れば
どうなるでしょうか?
短期的には
費用を節約できるかもしれませんが、
長期的には車が故障し、
より高額な修理費用が
発生する可能性があります。
これは、「成果を生み出す力(PC)」
を犠牲にする典型的な例です。
一方、適切なメンテナンスを
定期的に行えばどうでしょうか?
多少費用はかかっても、
車の寿命が延び、
安定して長期間使用できるように
なるでしょう。
これが、物的資産における
P/PCバランスの重要性を示す実例です。
目先の利益や効率だけを
優先するのではなく、
長期的な視点で
物的資産を大切に扱うことが
理想的と言えるでしょう。
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金銭的資産とは、
個人の貯蓄や収入源などを指します。
たとえば、
ある会社員が高収入を得るために、
毎日深夜まで働き、
休日出勤もこなしているとします。
この場合、
普段よりも収入が増えることは
「望む成果(P)」と言えるでしょう。
しかし、過剰な労働によって
健康を損ねたり、
家族との時間を犠牲にしたりすれば、
「その成果を生み出す力(PC)」が
失われてしまうリスクが高まります。
もし健康を崩して働けなくなれば、
短期的に収入が増えたとしても、
長期的には減少してしまうでしょう。
また、家族との時間を削り続けた結果、
家族関係が悪化すれば、
幸福感や心の安定が
損なわれることも考えられます。
それが仕事のパフォーマンス低下に
つながれば、
さらなる悪循環を招く可能性もあります。
これを防ぐには、
適度な休息を取りつつ働くこと、
そして家族との時間を大切にしながら、
活力の源を確保することが重要です。
それにより、「望む成果(P)」と
「成果を生み出す力(PC)」の両方を
バランスよく保つことができるのです。
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人的資産とは、
自分自身の能力や健康、家族や友人、
職場の同僚などとの人間関係を指します。
たとえば、
あるマネージャーが部下に対して
一方的に厳しい指導を繰り返し、
短期間で高い業績を上げたとします。
この場合、「望む成果(P)」を達成できた
と満足するかもしれません。
しかし、
このような無理のあるやり方では、
長期的な成功は望めないでしょう。
厳しすぎる環境では、
部下との関係が悪化し、
モチベーションの低下を招きかねません。
その結果、生産能力の低下や
離職者の増加といった問題が
生じる恐れがあるでしょう。
それにより、チーム全体の生産能力、
つまり「その成果を生み出す力(PC)」が
著しく低下してしまうのです。
一方で、マネージャーが
一方的に厳しく接するのではなく、
部下の立場に立ち、
働きやすい環境を整えた場合は
どうでしょうか?
部下との関係性が良好になり、
部下自身が自発的に能力を
発揮する可能性が高まります。
短期的には
業績が若干落ちることが
あるかもしれませんが、
長期的にはチーム全体の生産能力が向上し、
持続可能な成果を
生み出せるようになるでしょう。
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「望む成果(P)」と
「その成果を生み出す力(PC)」のバランスは、
これまで挙げた3つの分野に
限られるものではありません。
実生活のさまざまな場面でも、
この原則は応用できます。
たとえば、
趣味の活動においても同様です。
ピアノを習っている人が
「早く上達したい!」と強く願い、
毎日長時間の練習を続けたとします。
一見、努力が
成果につながりそうに思えますが、
体力や集中力を使い果たしてしまえば、
やがてピアノを弾く楽しさ自体を
失う恐れがあります。
このような場合、
適度に休息を取り入れながら、
楽しみを感じつつ練習を続けることで、
スキルを長期的に無理なく
向上させることができるでしょう。
また、地域活動やボランティアにおいても、
このバランスが重要です。
目標達成に向けて
過剰に頑張りすぎてしまえば、
家族との時間や仕事との両立が難しくなり、
自分自身の健康や生活に
悪影響を及ぼす可能性があります。
一方で、自分の限界を見極め、
無理のない範囲で
参加するよう心がければ、
長く続けることができるでしょう。
その結果、地域社会への貢献も
持続的かつ大きなものとなるのです。
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この記事では、望む成果を
長期間にわたって維持するためには、
「望む成果」と
「その成果を生み出す力への投資」の
バランスを適切に取ることが
重要であることをお伝えしました。
「物的資産」「金銭的資産」「人的資産」の
3つの分野を例に挙げながら、
具体的に説明しました。
コヴィー氏が提唱する
P/PCバランスの考え方は、
私たちの生活のあらゆる側面に
応用できる普遍的な原則です。
日々の生活で
目先の利益だけを追い求めるのではなく、
長期的な視点を持つことで、
望む成果を持続的に得ることが
可能になるでしょう。
そのためには、
定期的に自分の行動を振り返り、
バランスが取れているかを
チェックする習慣を持つとよいでしょう。
この考え方を日常に取り入れることで、
望む成果を最大限にし、
それを長期間維持する道が開けるでしょう。
結果として、より豊かで
より充実した人生を
築けるでしょう。
このバランスを意識しながら、
一歩ずつ理想の生活に
近づいてみませんか?