最強のチームを組むには、能力、バックグランドに多様性を持たせる

多くの人が、
共同で事業を立ち上げたり、
大きなプロジェクトを成し遂げるとき、
最強のチームを組むために、
優秀な人材を集めようと考えます。

しかし、
トップの人材を集めるよりも、
もっと重要なことがあります。

それは、能力やスキル、経験、
バックグラウンドにおいて、
多様性を持たせることです。

優秀な人を探し回るよりも、
一定基準を満たせば、
あとは多様性を重視して
チームを組む方がずっと効果的です。

なぜそうなのでしょうか?
その理由と、多様性を尊重するのと同時に
大切なことについて
お話ししましょう。

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能力、スキル、経験、
バックグラウンドなどが
似通っている場合、
どんなに優秀な人たちが集まっていても、
グループ全体の知性は上がらず、
むしろ低下してしまいます。

グループ全体の知性を
最大限に引き出し、
最強のチームを作りたければ、
お互いに重なり合わないよう、
多様な組み合わせのメンバーを
入れることが必要です。

これは、アメリカ軍隊の例からも
よく理解できます。

かつては、軍隊に雇われるのは
体力が強い人たちばかりでした。

体力的に優れる集団ならば、
戦争に勝てると考えたからです。

しかし、これは間違いでした。
どんなに力が強くても、
優れた作戦を練ることが
できなかったのです。

このことが明らかになって以来、
軍隊では様々な人材を
採用するようになりました。

宗教面や人種面の多様性だけでなく、
体格的にも多様な人々を
雇っています。

こうすることで、
戦争に勝つための
より良い作戦研究が
可能になったのです。

ベンチャー企業においても
似たようなことが言えます。

高い能力を備えている人から
順番に採用するのではなく、
一定能力がある人であれば、
組織内において多様性を重視し、
能力の幅を広げることに
重きを置いたほうが効果的です。

お互いの能力が重なることなく、
組織全体の能力が
最大限に発揮されるからです。

個人的な視点からも、
同じ専門知識を持つ人が多い職場よりも、
自分とは異なるスキルを持つ人が
多い職場の方が、
自分のスキルを活かしやすい
と言えます。

例えば、
コンピューターシステム関連の会社では、
ITやプログラミングの知識を持つ人が
ほとんどです。

自分がITのプロでも、
このような組織内では
自分のスキルは
特別目立つものではありません。

しかし、
コンサルティング会社に転職すると、
IT知識を持つ人は少ないため、
自分のスキルを
大きく活かすことができます。

何らかの能力に長けている場合、
自分と同じ能力を持つ人が多い組織よりも、
自分の能力を持たない組織に行った方が、
活躍できる機会が
大きく広がるのです。

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能力やバックグラウンドの多様性は
なぜそんなに貴重なのでしょうか?
それには理由があります。

多様性のあるチームは、
幅広いスキルセットを持っているため、
複数の分野で問題を解決するための
アプローチが可能になります。

その結果、
よりクリエイティブなアイデアが生まれ、
より高度な問題解決がしやすいです。

異なる文化や経験を
持つメンバーが集まれば、
より広い視点から課題を見ることができ、
より優れた判断や意思決定もできます。

ただし、多様性のチームから
最大限の恩恵を受けるには、
ある条件が必要です。

それは、
メンバーが自分の強みを活かせるように、
自由に発言や行動が
できる環境があることです。

多様な人材を集めても、
彼らの発言権を抑えるような環境では、
幅広いスキルや能力を
活かすことはできません。

チームメンバーが
各々の得意分野で活躍するには、
すべての人が心理的に
安心を感じながら
自由に意見を言えることが必須です。

さらに、
メンバー同士が気楽に互いに学び合える
雰囲気があることが望ましいです。

同業種の人たちが集まり、
議論を交わすことは大切ですが、
自分とは全く異なる業種の人たちに
接することにより、
意外な発想やアイデアが
生まれることも多いのです。

メンバーがお互いに
自分の知らないことを学び、
視野を広めていくためにも、
気軽に交流できる雰囲気が
チーム内に流れていると
望ましいです。

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私自身も、多様性の重要性を
実感した経験があります。

かつて私は、
国際交流クラブに所属し、
イベントの企画・運営に
携わっていました。

最初は日本人のみで
チームを組んでいましたが、
ある時点で
外国人も参加することになりました。

正直に言うと、
外国人メンバーの中には
日本語が上手くない人もいたため、
コミュニケーションが上手くいかず、
スムーズなイベント運営が
難しいのではないかと
心配していました。

しかし、予想とは
全く異なる結果が出ました。

日本人と外国人が混ざったチームでは、
意思疎通に時間がかかることは
確かでした。

英語と日本語の両方で
企画書を作成する必要があり、
少し手間取ることもありました。

しかしながら、この面倒さよりも、
得られたメリットは
想像以上に大きかったです。

日本人だけでは、
宗教上の理由で特定の食べ物が
食べられない人がいることに
気付くことはできませんでした。

また、会食やエンターテイメントの点でも、
面白いアイデアを
出せなかったです。

国際チームのお陰で、
通訳の心配をすることもなく、
スムーズにイベントを
進めることができました。

参加者からも、日本人だけの企画よりも、
異なる文化の人々が
集まったチームによって
企画されたイベントの方が、
より充実していて、より楽しい
と好評であったことも事実です。

このように、日本人だけではなく、
異なる文化の人々を
チームに加えたことは、
大正解だったと今では思います。

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今回の話をまとめると、
共同作業をする場合には、
同じ能力やスキルを持つ人ではなく、
自分自身が持っていない
能力やスキルを持つ人と
一緒に仕事をした方がよいです。

自分が得意なことについては、
自分で担当し、
苦手なことについては、
その分野で優れた人に
任せることが重要です。

このようにすることで、
チーム全体の能力が大きく向上し、
活躍範囲が広がります。

トップクラスの人材だけを
集めるのではなく、
様々なスキル、能力、経験、
バックグラウンドを持つ人々を
意図的に集めた方が賢明です。

これによって、
チームはより幅広いスキルセットを持ち、
より広い視野で、
より優れた判断や意思決定が
可能になるからです。

また、意外なアイデアが生まれ、
より素晴らしい成果を
生み出すことができるでしょう。

最強のチームを作るためには、
多様性が非常に重要です!

このことを忘れずに、
覚えておいてくださいね!