親友だと思ったから相談したのに、的外れな反応で、反って傷ついた!

自分だけでは
解決できない悩みがあって、

信頼する人に相談したけれど、
よく分かって貰えず、
反って傷ついた。

ああ、相談なんか
しなければよかった。

そんな後悔をしたことはないか?

悩みや心配事で苦しい時、
自分一人で抱え込まず、
誰かに相談できれば、気持ちもラクになる。

たとえ話すことで、
その問題が解決しなくても、

外に出すことで、
ガス抜きができる。

メンタル的にも
癒しを得ることが可能だ。

しかし、
相談相手を間違えれば、
かえって逆効果にもなり得る。

相談しなかった方が
よかった、なんてこともある。

今回の話は、
悩みや心配事を打ち明ける際、

慎重に相手を選ぶことが重要だ
ということ。

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なぜ、そうなのか?

適切な相手でなければ、
的外れな反応が返ってきて、

悩んでいる自分の状態を
更に悪化させてしまうから。

「そんなの大したことではないよ」
とか、

「世の中には
もっと大変な人がいるよ」とか、

「そんなに弱音を吐くな!
前向きな気持ちで、もっと頑張れ!」
とか、

「なに言ってるんだ!
お前の考えは甘すぎる!」
とか。

こんな風に言われた後には、
その人の考えや価値観を
一方的に押し付けられることもある。

そうなれば、
自分は更に傷ついて、
「相談しなければよかった」と後悔する。

開いている傷口に
塩やレモンを刷りこまれるように、
心の傷はズキズキと痛む。

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この人なら自分も信頼できる。
安心して打ち明けられる。
と信じていたのに、

自分の期待とは
全く違う反応を返されれば、
ショックが大きい。

この人は、自分が思ったよりも
信頼できる人ではなかった、
とがっかりする。

相手に対して、
敵対心が生まれることさえある。

相手に攻撃的になることも
珍しくない。

良い人、信頼できる人
と思っていた人は、
良くない人だったのか?

それは違う。

あなたを理解できなかったのは、
その人が

悪い人だったからではなく、

信頼できない人でもなく、

意地悪な人でもない。

慰めるどころか、
傷つける言葉を発したのは、

相手が困惑しているから。

あなたの苦しい経験や気持ちを
理解できないからだ。

悩んでいるあなたを
非難する気持ちは全然なくても、

実際のところ、
分からないことを言われて、
どう対処していいのか困ってしまう。

時にはあなたの話の内容に
恐怖を感じることもあり、
自然と引いてしまうのだ。

意図して、
あなたを傷つける気持ちはない。

どう回答してよいのか分からず、
的外れなことを言っただけだ。

一方的に自分の考えや
不適切なことを発言したのも、
そのせいだ。

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人間は
自分で経験していないことを
理解するのは難しい。

表面的には、
「それは大変なことだ」
と分かっても、

本当の意味で、
それがどんなことなのか?

似たような経験が
自分になければ、理解できない。

たとえば
温かい家庭で育って、
両親との人間関係が良好な人には、
毒親問題で
苦しむ人の気持ちが分からない。

夫婦円満で相思相愛のカップルには、
離婚問題で揉めている人の気持ちが
分からない。

子供を持たない人には、
子育てで苦労する人の気持ちは
理解し難い。

自分自身がパニック症の経験がなれば、
パニック発作を起こした時、
どんな不快で恐怖な感覚なのか、
想像もつかない。

そんな話を聞かされれば、
「大変だな。気の毒だな」
と思っても、

実際に、それがどんなことだか
相手には理解されない。

でも、それは当然のことだ。

自分が経験したことのないことは、
誰でも理解不能だから。

相手の立場では、
分からないことを言われて、
困惑してしまう。

どう対処していいのか?
分からない。

意図して
あなたを傷つける気持ちは
これっぽちもない。

でも、適切な回答を知らないから、
的外れになってしまう。

自分の視点で考えることを
勝手にアドバイスして、

あなたを傷つけることになる。

相手には全然悪気はないけれど、
知らないことが原因で、
言わないほうがいいことを
言ってしまうわけだ。

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だから、そういう相手には
相談してはいけない。

自分と似たような経験がある人、

または、経験はなくても、
理解できないなりにも、
あなたを傾聴する姿勢があり、
あなたに寄り添ってくれる人、

そんな人を選ばなければ、
いけない。

適切な相談相手を見つけるには、
やはり、少しは話す必要がある。

さもなければ、
相手にはあなたが悩んでいることも
知られないから。

でも、ちょっと話してみて、
相手が引く様子を見せたり、
的外れな反応が返ってきたら、

その時点で、
サッと相談をやめることだ。

「この人は、
自分の苦しみを理解できないから、
相談相手としては適切ではない」
と判断して、

できるだけ、早いうちに、
その場を離れるとよい。

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相手が自分の問題を理解しなくても、
その相手は悪い人ではない。

単に自分自身が経験していないので、
それを理解できないだけ。

この問題に関しては、
これ以上、その人と話しても、
生産的な結果は得られない。

だから、その話はもうやめる。

こんな時、
「あいつは自分のことを
分かってくれないから、
もう付き合うのはやめよう」
という気持ちになるかもしれない。

でも、それはちょっと勿体ないかも。

その点では
相手とつながれなくても、

別の点で
相手とシェアできることもある。

趣味が同じだったり、
スポーツで
一緒にプレーする仲なら、

共有できる部分で、
今まで通りつながればよい。

すべての点で
相手とつながる必要はない。

縁を切らなくてもいい。

血のつながりのある親兄弟や
これまでずっと親しくしてきた親友でも、

自分のことを100パーセントは
理解できない。

どんなに近親者でも、
親しい間柄でも、
自分の悩みや問題を理解して欲しい
と期待しないほうが賢明だ。

なぜなら、人間は、
自分が経験したことでなければ、

本当の意味で、
それがどんなことだか
分からないから。

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誰かに相談したくても、
近くに適切な人がいない場合、
どうすればよいか?

自助グループのように
同じような経験を持つ人の集まりに
参加してみるのも一つの手段だ。

同じような問題を抱えた人同士が
お互いを支え合い、励まし合う中から、

問題解決の糸口を見出したり、
克服の道に進むことも可能だから。

お互いの経験談をシェアして、
共感し合い、

その場にいるだけでも、
癒された気持ちになれる。

カウンセラーのように
専門知識のある人に
相談するのもありだ。

しかし、カウンセラーだからといって、
必ずしも自分をより良い方向へ
導いてくれるとは限らない。

自分との相性もあるし、
自分の問題の本質を
理解できない専門家もいる。

自分に合ったカウンセラーを
慎重に選ぶことも重要だ。

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今回の話をまとめれば、

1)自分一人で悩まず、
誰かに相談することはいいことだ。

2)しかし、注意して
適切な相談相手を選ぶことは、
非常に重要。

3)さもないと、
悩んでいる自分の状態を
余計悪化させてしまうから。

4)適切な相談相手は、
自分と似たような経験のある人、
自分を傾聴して、
寄り添う気持ちのある人。

5)少し話してみて
相手が引く様子を見せたり、
的外れな話が始まったら、
不適切な相手と判断して、話をやめること。

6)自助グループやカウンセラーに
相談するのも一つの手段。

7)自分を理解できない人は、
悪い人ではない。
理解できない理由は、
その人に同じような経験がないから。

8)人間は自分が経験したことでないと、
本当の意味で、それがどんなことだか
分からない。

9)その点では相手とつながれなくても、
別の共有できる部分で
つながればいい。