Categories: メンタルヘルス

「何か様子が変。きっと私のせいだ」と心配して気を揉んでしまう人へ

近くにいる人の様子が
なんだか変だ。

いつもとはちょっと違う。

なんか怒っているみたい….

もしかして、私が彼女を
怒らせてしまったのかも?

いったい、私は
何をしたのか?

そう言えば、先週、
私が言ったことが
彼女を傷つけてしまったのか?

思いを巡らすうちに、
だんだん暗い気持ちになる。

彼女に直接聞ければいいけど、
なんだかそんな雰囲気ではない。

近寄るのが怖いくらい…..

ネガティブ感情が自分に向かって、
どんどん近づいてくる。

「ああ、どうしよう。
あれが良くなかったんだ」

と勝手に結論付けする。

そして、自分の内では
良くない妄想が始まる。

現実的には、全然違うのに、
勝手に「自分が悪いから」
と思い込んで、酷く落ち込む。

今回の話は、
こういうことが多い人への
メッセージ。

====

感受性が非常に高く、
敏感な気質の持ち主は、
こんな経験をしばしばする。

外からのちょっとした刺激に
敏感に反応して、
心が落ち着かなくなる。

あれこれと気を揉んで
心を消耗させてしまう。

こういう人たちは
想像力も非常に豊かだ。

自分の内で
勝手に想像を膨らませるが、

その想像は、
かなり現実離れしていることも
珍しくない。

ネガティブな想像をすることが多く、
それにより、自分が苦しむ。

しかし、実際のところは、
その想像は全然違っていた
ということもよくある。

勝手に自分の妄想により、
自分を苦しめないほうがよい。

これが今回の話の
メインのメッセージだ。

====

感受性が非常に強いのは
決して悪いことではない。

美的センス、芸術的センスに長けていて、
素晴らしい芸術作品を
生み出すことも可能だ。

洞察力に優れているから、
他人の気持ちがよく分かり、
共感能力も高い。

小さなことでも感動できるから、
感動体験が人よりも多い。

その一方で、
繊細すぎるがゆえに、
精神的にも動揺しやすく、
傷つきやすい。

どんな性格、気質でも言えることだが、
良い面もあるし、悪い面もある。

感受性が高いことの
ネガティブ面が強く出れば、
生きることもシンドクなる。

====

私自身がそんな一人。

相手の感情の変化に
すぐに気づいてしまう。

相手が急に怒りの感情を持った時、
その感情の切り替わりのタイミングまで
分かってしまう。

昔、こんなことがあった。

出勤して同僚に「おはよう」
と声をかけた。

彼女も「おはよう」とは
返してくれたけれど、
なんだか様子がオカシイ。

「どうしたの?」と
その場で聞ければよかったが、
それができなかった。

怖くて聞けないのだ。

怒った様子でイライラしながら、
彼女はタイプを打っている。

タイプの音も、
怒りに包まれているようだ。

私は心の中では
同僚がどうしたのか?
とても気になっていた。

でも、彼女に話かけることが
できない。

自分が傷つくことが怖くて、
聞けないのだ。

仕事のタスクをしながら、
頭の中は同僚のことばかりでいっぱいだ。

その同僚と私は昨日、
どんな話をしたのか?思い返した。

「そうだ、だから、私のせいで
彼女は怒っているんだ」

私は勝手に結論付けていた。

そして、その後、
「どうしよう。
どうやって謝ればいいのか?」
などまで考えていた。

暗い気持ちで
やらねばならない仕事のタスクを
やりながら、

同僚を怒らせたことに
気を揉んで、あれこれと
考えるばかりだった。

けっきょく、その日は、
私と同僚は「おはよう」以外には
言葉を交わさず、一日が終わった。

翌日、私は憂鬱な気持ちで出勤した。

やはり、同僚に話をして、
謝罪したほうがいいんだと思った。

小心者で内気な私は、
なかなか怒っている人に
話しかけることができない。

でも、勇気を出して、話すしかない
と自分に言い聞かせた。

オフィスに入ると、
彼女はもう既にパソコンに向かい、
カタカタとタイプを打っていた。

そのタイプの音は、
昨日の音とは大分違うように
感じられた。

こちらが「おはよう」と言う前に、
同僚のほうから挨拶してくれた。

なんだか今日は機嫌が良さそうだ。

私のほうから何も言わなくても、
彼女は勝手に話してくる。

そんな彼女の話を聞いていて、
前日に彼女が旦那さんと
大喧嘩したことを知った。

「な~んだ。
同僚が昨日怒っていたのは、
そのせいだったのか」と納得。

同僚は私とは無関係のことで
怒っていたのだ。

私が悪いことを
言ったわけでもなく、
悪いことを
したわけでもなかった。

ほっとすると同時に、
昨日、勝手に自分の中で
とんでもない妄想をして、
気を揉んでいたことを思い出した。

「なんて、馬鹿らしいことか!」

自分の勝手な思い込みで、
自分自身が勝手に悩み苦しんで、
心的エネルギーを不必要に
消耗させていた。

メンタルには
非常に悪いことだ。

何て自分は愚かなのだろう。

====

相手は怒っている、
という相手の感情は
正しく察することができても、

その感情を引き起こした原因を、
私は全然理解していなかった。

それなのに、
間違った思い込みをして、
不必要に気を揉んで、
精神的に勝手に疲れ果てていた。

私に限らず、
感受性の強い人は、
同じような経験があるのでは?

大切なことは、
相手の感情そのものは
どんなものだか分かっても、

なぜ、相手にその感情が起きたのか?
原因までは分からない。

このことをしっかり
頭に入れることは重要だ。

相手に原因を確認することなく、
勝手に自分の中で想像して、
結論付けをしないほうが賢明だ。

こういう場合は、
相手に「どうしたのか?」
聞いてみるのが一番いい。

繊細な人ほど、
自分が傷つきたくないから、
相手と向き合い、質問することに
しり込みしてしまう。

その結果、当然、その理由を
知ることがないまま、

自分の内だけで、
悪い妄想を膨らませて、
自分が苦しむことになる。

健全なメンタル状態を保つには
役に立たないことだ。

====

相手の感情はよく分かっても、
本人にその原因を確認しないまま
分かった気持ちにならないほうがいい。

これは非常に重要だ。

相手がイライラしていたり、
怒っている時に、
自己肯定感の低い人は、

「相手のイライラや怒りの原因を
自分のせいだ」と考えがち。

でも、実は、
そうではないことが多い。

相手には相手の事情や都合があり、
その事情や都合により、
悲しんだり、怒ったり、イライラしたり。

逆に喜んだり、
ワクワクした様子を見せたり、
気分が落ち着いた感じになったり。

相手は色々な感情を見せるけれど、
それは自分とは無関係なことが多い。

このことを再認識するとよい。

さもなければ、不必要に他人に
振り回されてしまうことになるから。

====

もし、私があの日、同僚に
勇気を持って、
「何かあったの?」と
聞くことができれば、

彼女は旦那さんと大喧嘩したことを
教えてくれただろう。

そうすれば、
私は相手の怒りの感情が
自分とは全く無関係だったと
直ぐに知ることができ、

勝手に変な妄想をして
自分を苦しめることもなかった。

あれこれと
気を揉むこともなかったから、
仕事のタスクに集中できた。

心配と不安に駆られて、
落ち込むこともなかったはずだ。

自分とは全然関係ないことで、
悩む必要もなかったし、
心を疲弊させることもなかった。

自分が傷つくのは怖い。
こういう気持ちは確かにある。

でも、やはり勇気を持って、
相手に聞いてみることが必要だ。

ならなら、相手の感情そのものは
正しく理解できても、

その感情が引き起こされた
原因は、知ることができないから。

実際のところは、自分は悪くないのに、
勝手に「自分が悪い」と決めつけて、
要らぬ心配までして、
気を揉むほど、馬鹿らしいことはない。

====

今回私が自分自身や
自分に似たような人に
伝えたいメッセージは、

他人には、自分が知らない
本人の事情や都合があり、
その事情や都合により、
他人は色々な感情を見せること。

つまり、他人の感情は
自分とは無関係のことが多いこと。

他人の中にある
ネガティブ感情を察しても、
即「私が悪いんだ。私のせい」
とは結論付けないこと。

相手の感情を正しく察しても、
その感情がなぜ起きたのか?
その理由までは分からないことが
多いから。

気になるのなら、怖いけれど
勇気を出して、
その本人に聞くのが一番だ。

相手に確認せずに、
勝手に自分の内で「私のせい」
と決めつけて、苦しむのは
時間とエネルギーの無駄遣いになる。

ネガティブ感情が強い相手に
聞くことは、確かに怖い。

でも、相手に聞いて確認しなければ、
自分が不必要に苦しんでしまう。

それは、自分にとっても
ツマラナイことなので、
やはり、確認するのが必要だ。

大抵のことは、
自分とは無関係だから、大丈夫。

他人は私が知らないところで、
その本人の事情や都合により、
色々な感情を抱いているから。

相手の感情が分かっても、
その感情の原因までは
理解していないことを
しっかり覚えておこう。