毒親あるある ― 楽しいはずなのに、なぜか楽しめない!

楽しい行事に参加していて、
楽しいはずなのに、
なぜか自分は楽しめない!

そんな経験はないだろうか?

実はこれ、
毒親育ちあるあるの一つだ。

周りの皆が
盛り上がっているのに、
自分だけが冷めている。

自分だけが浮いているように
感じられることもある。

なぜ、そうなのか?

今回は、このことについて。

楽しいはずなのに、楽しめない原因と、
その対処法について、お話したい。

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まず最初に原因から。

それは、「過緊張」
によるものだ。

楽しい時には、
普通はリラックスしているはず。

しかし、毒親育ちの多くが、
気を緩めてよい場所でも、
緊張状態から抜け出れない。

その緊張も、かなり強いものだ。

ただ、本人は
自分が過緊張であることに
気づいていない。

そもそもの原因は、
その本人が幼少期より
過ごしてきた家庭環境にある。

幼少期には、親から
十分な愛情を注がれて、

安心、安全を感じながら
すくすくと育つのが望ましい。

しかし、機能不全家庭では、
それは絶対にムリなこと。

親が本来の親の役割を
果たせないからだ。

小さな子供が生き抜くには、
親の保護が必要になる。

しかし、その保護でさえ
保障されていないと
子供は感じている。

子供は、常に危機感を抱いて、
精神的にも不安定な状態で
生きている。

親に見捨てられないよう
親の顔色を常に伺い、
ビクビクしながら生活している。

親に認めて貰うために、
子供は親の機嫌を取り、

無理してでも、
本来自分が望むことを
なかったことにして、

自分の欲求を
抑えていることも珍しくない。

本当は、親が子供を
満たしてあげるはずなのに、

機能不全家庭では、
子供が親を満たすという

親子の役割逆転の現象も
頻繁に見られる。

このような状況下では、

子供は安全基地を
得ることができず、

常に緊張状態で
生きている。

小さな頃から
ずっと緊張状態が続けば、

その人にとっては、それが自然であり、
普通になってしまう。

自分が緊張していることすら
自覚できないのだ。

すっかり身についた
緊張状態は、

成人した後でも、継続する。

常に警戒モードであり、
気を緩めることもできないのだ。

このようであれば、
自律神経も乱れている。

リラックスする時には、
リラックスして、

緊張する場面では
緊張するという、

オン・オフが上手くできない。

常に緊張状態ばかりで
リラックスモードが全然ない。

そのため、楽しい場面でも
心底楽しいとは思えないのだ。

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私も毒親育ちの一人。

楽しいはずなのに、
心底楽しめない自分がいて、

そんな自分を変な存在だ、
と思い、悩んだこともある。

未だに忘れられないのは、
一番最初にディズニーランドへ
行った時のこと。

友人数名と一緒だった。

私以外の他の人たちは、
皆ウキウキしていて、
スゴク楽しそう。

でも、私は一人で
冷めていた。

本当は楽しいはずなのに、
なんだかそんな気持ちに
なれないのだ。

皆がエンジョーイする時、
自分はそうできない。

私もディズニーランドへ行きたい
と思っていたのは確かだ。

しかし、
実際にその場に到着しても、
友人たちとは違い、
ワクワク感が湧かない。

このようでは、皆に
迷惑がかかるような気もした。

皆がワクワクなのに、
自分だけがそうでなければ、

楽しんでいる友人たちの
雰囲気を壊してしまいそうで
申し訳ない気持ちになった。

無理に笑顔を作ろうとしたが、
やはり、不自然にしか笑えない。

そんな自分に対して、
大きな嫌悪感を抱いた。

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これ以外にも、
私は、似たようなことを
何度も経験している。

私の場合は、過緊張により、
身体の不快感にしばしば
悩まされていた。

具体的には、胃のムカつき感や、
なんとなくフラフラとして
時々、軽い目眩に襲われるような感覚だ。

特に、身体に異常があったり、
胃腸が悪かったりしなくても、

私は不快な症状で
苦しむことが多かった。

一番、困ったのは、友人と
レストランで食事をする時。

若い頃は、会社の同僚や友だちと
豪華なレストランへ行くことも
よくあった。

食事会の席で、
皆が美味しいお料理を
堪能している時、

自分だけが
胃がムカムカとして、
食べられないのだ。

美味しい食事を目の前にしても、
嬉しい気持ちもなく、

不安な気持ちに包まれ、
一人で浮かない顔をしている。

実際、コースメニューでも、
皆が楽しく完食する時、

私だけが沢山残していた。

なんだか場違いのところに
自分がいるような気がして、

居心地が非常に悪かった。

身体の不快な症状は、
病気ではなく、精神的なものだ
と知ってはいたが、

過緊張から来るものだ
と気づいていなかった。

海外に移り住み、
年齢を重ねるにつれて、

私の緊張状態も
大分解かれてきたようだ。

そのお陰で、今では昔のような
胃のムカつきを感じることは
滅多になくなった。

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毒親育ちの多くは、
自分が過緊張状態で
常に警戒モードであっても、

子供の頃から
ずっとその状態で生きてきたので、

自分がそうであることを
あまり自覚していない。

私のように自律神経が乱れて、
体調が優れないと嘆く人も多い。

精神的に健康な人は、昼間、
気を引きしめた方がよいときには、
緊張モードに入り、

夕方になって、休息する時には、
リラックスモードに入り、

ゆったりと気を緩めることが
自然にできる。

しかし、毒親育ちの多くが、
オンとオフの切り替えができず、

常に緊張モードにいる。

リラックスして
楽しむべきところでも、

リラックスできないから
「楽しいな~」と心の底から
エンジョーイできないのだ。

楽しいはずなのに、
心より楽しめないのは、
これが原因なので、対処法も明らかだ。

それは、自律神経を整えて、
オンとオフの切り替えが
上手くできるようになること。

これが一番効き目がある。

自律神経を整えるには、
色々な方法がある。

ストレッチやヨガ、
ウォーキングなどを
習慣化してみること。

夜間、リラックスするために、
自分の好みのアロマを
焚いてみるのもお勧め。

充分な睡眠を取り、
栄養バランスの取れた
食事を意識すること。

特にトリプトファンの多い
食べ物を摂取するのが効果的だ。

また、食事の際は
よく咀嚼することも
自律神経を整えるのには有効。

もう一つ重要なことは、
不必要に悩まないこと。

楽しむべきところで
楽しめない自分を
情けないとは思わないことだ。

そうなるのは、
それなりの事情があるので、
仕方ないと受け入れる。

これは毒親育ちあるある
の一つだから、
しょうがないと諦めてしまう。

そう思った方が
気分的にもラクになれる。

実際に、年齢を重ねて、
徐々に緊張がほどけてゆけば、

段々、楽しいことを
楽しめる自分を
自覚するようになる。

楽しめない自分を責めれば、
不必要に自分を苦しめる。

そうなれば、余計、
緊張が高まり、
何をやっても面白くない
という結果になってしまう。

自分の今の状態を
そのまま「まあ、いいでしょ」
と許してあげれれば、

軽い気持ちになれて、
結果的にはリラックスしやすくなる。

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楽しいはずなのに、
心底楽しめないのは、

毒親育ちあるあるの一つ。

そうなる原因は過緊張。

子供の頃から
機能不全家庭で
生き延びるために、

常に警戒モードで
頑張ってきたことが原因だ。

自分が過緊張であることに
気づいていないことも多い。

まずは、そんな自分に
「今までご苦労様」と言って、

「これからは休んでいいんだよ」
と教えてあげることだ。

自律神経を整えるよう努めて、

オンとオフの切り替えが
上手にできるようになれば、

徐々に楽しいな~と感じる機会も
増えるはず。

楽しめない自分を
情けないとか、嫌だと思わず、

仕方ないと受け入れてあげよう。

気持ちを軽くして、
自律神経を整えるうちに、

段々、リラックス
できるようになってくる。

すると、あれっ?不思議なことに、
ワクワクする感覚も、以前よりも、
ずっと多くなったと驚くだろう。