「これをやってもダメだったし…..」、
「あれをやっても上手く行かなかったし…..」、
「受験でも不合格になったし…..」、
「仕事のプロジェクトも失敗した…..」、
「僕は何をやっても、ダメなんだ。
どうしょうもないな、この自分…..」
と落ち込む人がいたら、
この先を是非、読んで欲しい。
「あれも、これも、それも
何をやっても上手く行かない」
と嘆いている時、
自分の根底にあるマインドセットを
少しだけ変えてみれば、
何をやってもダメではない
と理解できるようになる。
今回の話は
「全然、ダメなんだ」と諦めている人の
マインドセットについて。
「何をやっても上手く行かない」
と嘆く人の多くは、
ゼロヒャク思考をしている。
ゼロヒャク思考は自分を追い詰めて、
ストレス大にして、
心を病ませる原因となる。
メンタル疾患になるリスクも
高くしてしまう
望ましくない思考だ。
自分に対して絶望的な人に、
まずはゼロヒャク思考をやめることを
お勧めしたい。
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まず最初に、ゼロヒャク思考とは
いったいどんな思考か?
それは、物事を判断する際、
「0」か「100」、
「白」か「黒」、
「成功」か「失敗」というように、
極端な2択で考えること。
別名「二分思考」とも言われている。
どちらか一つだけ選ぶのだから、
一見シンプルではっきりしていて
分かりやすい。
しかし、この考え方は
現実社会ではあまり適切ではなく、
この思考で生きていれば、
不幸な人生を送りやすくなる。
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なぜ、ゼロヒャク思考は良くないのか?
それは、ほとんどの物事は
「0」か「100」のどちらかではなく、
中間地点にあることが多いから。
それなのに、ゼロヒャク思考は、
両極端の2つしか選択肢がない。
実際のところは「75」だとしても、
「100」ではないから、
「0」とみなす。
すると、
「ああダメだ」ということになり、
がっかりして心が折れる。
仕事をする時でも、
プロジェクトをやる時でも、
一般的に「成功した」、「失敗した」
と言うことはあっても、
本当の意味では、
100パーセントの成功もないし、
100パーセントの失敗もない。
ほとんどのケースがその中間。
「まあまあ、ぼちぼちだ」
ということだろう。
上手く行った部分もあれば、
もっと改善が必要な点もある。
すべてをひっくるめて
総合的に判断すれば、75点くらい。
もし、75点取れれば、
パーフェクトではなくても、
まあまあいいだろう。
しかし、ゼロヒャク思考をする人は
そんな状態でも、
「成功」か「失敗」のどちらかに
あてはめようとする。
「0」か「100」しかなくて、
「100」でなければ、
すべてが「0」になってしまう。
要するに完璧主義的な考え方だ。
100パーセント完璧にできなければ、
絶対にダメなんだと思い込んでいる。
「良い」を目指して
頑張ることは大切なこと。
しかし、100パーセント完璧を
目指さない方が無難だ。
なぜなら、この世の中では、
100パーセント完璧な状態にあるものは
ほぼないから。
必ず、どこかが欠けている。
稀に奇跡的に100パーセントになっても、
そんなことは滅多に起きない。
そんな希少なものを常に追い求めて、
それを達成できなければ満足せず、
「自分はダメだ」と嘆いていれば、
不幸感が増すだけで、
心の健康も失われてゆく。
ゼロヒャク思考をする人は
自分自身に絶対にムリな課題を課して、
自分で自分を追い込む。
ムリなことだから、やはりできない。
そして、できない自分を責めて、
自分を追い詰めてゆく。
自分で自分を逃げ場のないところまで
追い込んで、自己破壊する。
冷静に考えれば、
愚かなことをしている。
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ゼロヒャク思考で自分を追い詰めて、
フラストレーションを溜め込み
心や身体の健康を失うよりも、
「ほとんどのことは中間点にある」
という事実に気づいて、
中間的な判断をするほうが賢明だ。
それができれば、自分もラクだし、
幸福度も上がってくる。
メンタルを病むことも
少なくなるはずだ。
中間的判断ができるようになるために
役立つ練習が「数値化」。
朝起きた時、
今朝の自分の調子を
100点満点で評価してみる。
すっかり良く眠って、
気分爽快ならば、95点とか。
ちょっと寝足りない気もするけど、
まあまあなら、70点とか。
自分で感じるままに
点数をつけてみる。
数値化することなく、
単に「良い」か「悪い」だけで
判断するとなれば、
イマイチの時には「悪い」
になってしまう。
でも、70点と点数付けしたら、
「パーフェクトでなくても、
まあまあだ」と気づける。
数値化することに慣れれば、
「0」でもないし、
「100」でもないと分かる。
ほぼ毎日、自分が中間点にいることを
自覚することが可能だ。
「0」か「100」のどちらかではなく、
「ぼちぼちのところだから、
まあいいかな」と思えるようになる。
体調のみならず、仕事の面でも、
プロジェクトの点でも、
すべてのことは
「0」か「100」かでは判断できず、
中間の点がつくものだと理解できる。
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中間の判断ができるようになれば、
もっと良いこともある。
一つの事柄において、
何が良かったのか?
何が悪かったのか?
分解して考えることが可能になる。
良かった点は、当然、
これからも同じようにやるとよい。
悪かった点に関しては、
「じゃあ、どうすればいい?」
と改善点を考える。
ここで一つ注意を。
悪かった点を
あれこれ考えすぎて、
「どうしてそんなことになったんだ!」
と後悔ばかりする人がいる。
また、反省ばかりしている人もいる。
でも、後悔や反省を長々しても、
あまり建設的ではない。
「何が悪かったか?」
ああだこうだと頭で考えるより、
「どうしたら、次回は良くなるか?」と
こちらのほうに重きを置くこと。
どうすれば、上手く行くのか?
どうすれば、スムーズに
事が進むようになるか?
どうしたら、あの人にも
分かって貰えるか?
どんな説明のほうが
説得力があるのか?
イマイチだった
と思われることについては、
どうすれば良くなるのか?
に重きを置き、考えることだ。
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「こうすれば、
もっと上手く行くだろう」
と思えるものが見つかったら、
次回は、そのやり方で実践してみる。
次に試した時にも、
上手く行く部分と
イマイチ思うようにならない部分と
両方出てくるはず。
そこで、良い部分はそのまま続け、
イマイチだったことに関しては、
「どうすれば、もっと良くなる?」
と再び考えることだ。
考えては、試してみて、
その結果を見て、再び考える。
試行錯誤を続けながら、
少しずつでも改善させてゆければ、
それで十分だ。
そうするうちに、
ほんのちょっとずつでも、
良い方向へ向かう階段を上っている。
そして、気づいたら、
「こんなに良くなった」
と驚くことだろう。
もしも、「0」か「100」だけで
考えてしまい、
「100でなかったから」と言えば、
そこで「失敗」と決めつけ、
心が折れて、その先に進めない。
しかし、中間の判断をすることで、
良い部分はそのまま保持。
イマイチの部分は、
ちょっとだけでも良くしてゆく
という姿勢で、
その都度、改善点を考えてゆく。
この繰り返しにより、
70点だったものが、次回は75点になり、
そして、次は80点、83点と
少しずつでも向上してゆく。
上手く行かない部分だけを
「どうすればより良くなる?」
と考えて、
対策案を実践してみる。
そして、再び、実践後には
今度はどうだったか?
考えて、次の案を出すこと。
これを繰り返すうちに、
少しずつ改善させてゆくことが可能だ。
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今回の話をまとめれば、
1)何をやっても自分はダメ
と嘆く人は、ゼロヒャク思考を捨てよう!
2)なぜなら、「0」か「100」
しかないと考えるのは、
あまりにも極端過ぎて、
現実的ではないから。
3)この世の中のほとんどすべてが
「0」と「100」の中間点にある。
4)数値化することで、
すべてが中間点だと実感してみること。
5)そして、どんなことでも、
やった後には、
「何が良かったのか?
何が悪かったのか?」
を考えてみること。
6)良かった点は、これからも
同じように行うとよい。
7)悪かった点は、
「どうすれば、少しでも
より良くできるか?」を考える。
8)そして、より良くなると思うことを
次回、実践してみる。
9)実践の結果はどうだったか?
再び、良い点、悪い点を考える。
10)良い点は保持。悪い点は改善。
このサイクルを回して、
少しずつでもより良くしてゆくこと。
これで十分。
11)悪い点を後悔したり、
反省する時間は最小限にする。
12)それよりも、
「どうしたら上手く行く」にフォーカスする。
13)最初から「100」を狙わず、
今よりもちょっとだけ良い状態を狙うこと。
14)「0」か「100」のどちらかではなく、
中間点があることを、
しっかり頭に入れておく。