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パニック発作と引き寄せの法則

「引き寄せの法則」といえば
望む願望を引き寄せたり、
こうなって欲しいと思う
理想的なことを実現するという
コンテキストで
語られることが多い。

良いもの、素晴らしいもの、
好ましいもの、理想的なことなど
ポジティブなことに
目を向けて
話すことが多い。

でも、引き寄せの法則は
ポジティブな方向のみならず、
ネガティブな方向にも
両方向に働く。

パニック発作の予期不安は
引き寄せの法則が
上手く働いている証拠だ。

心臓がドキドキして、
息苦しくなる。
あまりの鼓動の早さに
心臓が止まって
死んでしまうのではないか
と不安に駆られる。
冷や汗が出て、
頭がクラクラとして、
胃部に気持ち悪さを覚える。
身体は震えて、
手や腕にしびれを感じる。
自分自身のコントロールが
きかなくなり、
気が狂いそうだ

一度でもパニック発作を
経験すれば、
もう、二度とあのような
苦しい体験はしたくない
と切実に願うだろう。

発作の時の身体の感覚を
想像して、
不安な気持ちが
増大してゆく。
不安の感情に
自分自身が飲み込まれてゆく。
そうなれば必ず、
また、発作が襲ってくる。

英語圏ではself-fulfilling prophecy
という言葉がよく使われるが、
日本語に訳せば「予言の自己成就」
となる。
そうなると予言すれば、
それを信じているので、
それを考え、
それに沿った行動を取る。
結果、予言は的中する
ということになる。
パニック発作の予期不安は
まさにこのことだ。

それなら、
発作が起きないことを
強く考えたら、
パニック発作は克服できるか?

「絶対に起こらない、起こらない」
と念じていれば、
引き寄せの法則がポジティブに
働いて、本当に起こらなくなるのか?

自分自身で試してみたが、
これは、ダメだった。
発作は再び私を襲ってきた。

望む状態を強く念じていたのに
なぜ、引き寄せられなかったか?
今になれば、なぜだか分かる。

「起こらない、起こらない」と
強く念じる心の裏には、
やはり、予期不安が
隠れているからだ。

では、どうすればパニック発作
から解放されるのか?
一番よいのは、忘れてしまうこと。
ただ、忘れろ、と言われても
忘れることは難しい。

「発作が起きてもいいや」
と諦めてしまうこと。
そうすれば、発作への捉われが
なくなり、逆に忘れやすくなるのだ。

病気を取り除こう、取り除こうと
頑張っている時に限って、
病気に大きな執着をしている。

「病気でもいいか」
と諦められた時、
執着は消えてゆくのだ。

発作を防ぐため、
私が意識的にすることもある。
私の場合、血糖値が低くなれば
発作の前兆の身体感覚と
似たものを感じてしまう。

これを防ぐため、
常に自分のカバンの中に
スナック類を入れている。
お腹がすき過ぎて
頭がフラフラする前に
必ず、口に何かを入れる。
そうすれば、
発作前兆の嫌な感覚を
防ぐことができる。

そのお陰もあり、今では
長い間、発作が起きていない。
もし、この話が
参考になれば、幸いだ。