今回は
悩みが一瞬で解決する
不思議な魔法の話。
小林正観さんの講演内容を
一部紹介するものだ。
その不思議な魔法とは
「見方を変えること」。
今までとは
少し見方を変えれば、
悩んでいたことも
悩みではなくなることも
しばしばある。
いったい
どういうことなのか?
詳しく説明したい。
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その講演会で、
参加者の女性は
正観にこんな悩みを相談した。
「私は看護師です。
宿直時にナースコールが
他の人よりもずっと多くて
困っているんです。
中にはそんなことで
いちいちナースコールしないで!
と思うこともあり、
腹立たしさで
イライラしています。
そういう自分を
情けなく思いますが……。
私に何かアドバイスを
いただけないでしょうか?」
という内容だった。
これに対して正観さんは
「見方を変えればいいだけです」
とあっさりと回答したのだ。
その後、
正観さんの話は続いた。
「あなたは
身体の弱い人や、病気の人の
お世話をしてあげたくて
看護師を志していたのですよね?
あなたばかりに
ナースコールが多いのは、
あなたが優しい人だから
なのですよ。
他の看護師たちは怖いから、
患者さんは
ナースコールができないんです。
あなたが優しく
対応してくれるから、
皆、あなたにお願いしたいんですよ。
あなたはそれでも
腹立たしく感じますか?
あなただけ
ナースコールが他の人よりも
半分であって欲しいですか?」と。
これを聞いた質問者は
表情を変えて答えた。
「いいえ、
そんなことはありません」と。
いつもと違った見方をしただけで
彼女の気分は
大分ラクになった。
このとき彼女の悩みは
一瞬にして消えたのだ。
きっとこの看護師はそれ以降、
自分だけナースコルが多くても
以前のような嫌な気持ちには
ならなかっただろう。
「私は素晴らしい看護師なんだ!」
と自信を持ち、
遣り甲斐を感じながら
働いているに違いない。
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悩みの対象は違っても、
悩みで苦しむ人たちは
共通点がある。
それは、
問題を常に同じ角度から見て、
全く同じ否定的思考をして、
ネガティブ感情を抱いている。
頭の中では
堂々巡りが起きているのだ。
そしてそれを考えるたびに
不愉快な気分になったり、
不安や心配に襲われたり、
イライラと腹立たしくなったりする。
クヨクヨと悩む人は
巨大岩の目の前にいて、
同じ場所から同じ角度で
岩の一部だけを見ているのと
似ている。
巨大岩を悩みの対象物
に例えてみれば
分かりやすいだろう。
あまりにも近すぎるので
岩の全体像はつかめない。
離れた場所から岩を見たり、
逆側に移動して別の角度から
岩を見ることがないから、
見える部分は限られている。
見える部分はいつも同じで、
その部分が
醜くて見た目が悪いから
嘆いているのだ。
近くに寄りすぎて
同じ部分ばかりを見ていれば、
見た目の悪い醜い部分だけが
フォーカスされて大きく見える。
これと同様に、
悩みで苦しくなる人は、
悩みの対象物を
常に同じ角度から見て、
全く同じものを見て、
毎回同じように考え、
頭の中で同じ思考を
グルグル回している。
その思考は否定的なもので、
それにより負の感情を引き起こし、
嫌な気分になったり、
落ち込んだりしているのだ。
悩みの渦中にいるときには
このことに気づけない。
しかし、
これが分かれば、
悩みの対象物から
距離を取ったり、
見る角度を変えることも可能だ。
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見方を変えるには
客観視することが効果的。
悩んでいる今は、
自分自身が
悩みに飲み込まれて
その中で溺れている状態だ。
まずはそこから身を引いて
問題から自分自身を
引き離すことが必要だ。
でも、いきなりそうしよう!
と決めても
なかなかできるものではない。
どうすれば
もっと客観的に問題を
観察できるだろうか?
そのために役立つのは
一旦ポーズボタンを押すこと。
たとえば職場での悩みなら、
休暇を取って
仕事から少し離れてみる。
旅に出て、
今居る場所や人間関係から
短期間でも離れられれば、
気分転換もしやすい。
ちょっと頭を冷やして
冷静になるためにも
休憩を入れて、
目の前の問題から
一旦身を引くことだ。
休憩時間には
普段とは少し違ったことを
やると役に立つ。
問題だと思うことを
忘れやすくなるからだ。
エネルギーが充電されてから、
再び問題に戻ればよい。
休憩により元気を取り戻し、
自分に余裕が出てくれば、
より広い視野で
問題を見ることも可能になる。
問題の渦中で溺れていたときには
見えなかったものが
視界に入ることもしばしばだ。
問題から少し離れることで
俯瞰できるようになるからだ。
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悩んでいる本人は
同じ角度から悩みの対象を
見ていることがほとんど。
ほんの一面しか
見えていないから
悩んでしまうのだ。
いつもとは違う角度で、
もっと広い視野で、
その問題を観察できないか?
自分の気持ちが軽くなるような
捉え方や考え方ができないか?
自分の都合の良いように
物事を解釈できないか?
この方向で
悩みを解決できれば、
素晴らしい。
自分が真剣に悩んでいることも
傍から見れば
「全然悩みではない」
ということもよくあること。
自分で別の見方ができなければ、
親しい友人に
意見を求めるのもありだ。
意外な回答を
得られることだろう。
見方を変えることで
今まで問題だと嘆いていたことも
問題でなくなることも
珍しくはない。
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真剣に悩むことがあるなら、
ちょっと立ち止まって
冷静になろう。
そして、
別の角度から悩みを観察するよう
試みよう!
そのためには、
一旦ポーズボタンを押して、
悩みの対象物から
身を引くのが有効だ。
「見方を変えるだけ」。
これができれば、
今までの悩みが消えたり、
悩みの程度が軽減される。
ぜひ試してみて!