今回のテーマは、
自分の心を意識的に
自分で満たすことの重要性
についてです。
心が満たされないと、
どのようなことが
起こり得るのか?
また、心が満たされることで、
どのような望ましい状態に
なれるのか?について
考えてみましょう。
そして、
心を満たすために
具体的にすべきことについても
お話しします。
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心が満たされていることが
なぜ望ましいのか、その理由を
考えたことはありますか?
心が満たされると、
気分が良く、ご機嫌になり、
満足感や充足感を味わえます。
楽しい記憶や良い思い出が
浮かびやすくなるのです。
反対に、心が満たされていないと、
不機嫌になりやすく、
嫌なことや悪いことが
思い出されやすくなります。
これは「気分一致効果」
と呼ばれるもので、
その時の気分に一致した
記憶や出来事を
思い出しやすくなるからです。
気分が良いと
物事の肯定的な面に目が向きやすく、
ポジティブな思考が
浮かびやすくなります。
一方、不機嫌なときや
気が滅入っているときには、
同じ物事でもマイナス面に目が向き、
ネガティブな思考が
生じやすくなります。
人間の心には
さまざまな思い込みがありますが、
気分がよいと健康的な思い込みが
働きやすく、気が滅入っていると
不健康な思い込みに
スイッチが入りやすくなります。
心が満たされていると
心にゆとりが生まれ、
相手の立場を考えることができ、
良好な人間関係を
築きやすくなります。
逆に、心が満たされていないと
自分中心の考え方になりがちで、
コミュニケーションがうまくいかず、
人間関係が悪化しやすくなります。
心が満たされていると
精神的に安定しやすくなり、
イライラや怒り、落ち込みや不安に
襲われることも少なくなるでしょう。
心と身体はつながっているため、
心が満たされることで
身体の健康も増進されるのです。
反対に、
心が満たされていないと
心身の不調を招きやすくなります。
これらのことを理解すれば、
心が満たされることが
いかに大切かがわかるでしょう。
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心を満たすことは、
自己実現にも
つながりやすくなります。
このことを理解するためには、
心理学者マズローの
欲求階層論を知ると
わかりやすいです。
心を満たすことは、
自分の欲求を
満たすこととも言えます。
自分の欲求に気づき、
それを自分で満たしていくことで、
心が満たされた状態になります。
マズローによれば、
人には基本的な欲求があります。
欲求階層論では、
これらの欲求を
ピラミッド状に示しています。
底辺にある欲求ほど優先度が高く、
下の欲求がある程度満たされると、
次に上の欲求を満たしたくなる
というものです。
ピラミッドの底辺にあるのは、
生理的欲求です。
これは生命を維持するための欲求で、
食欲、睡眠欲、排せつ欲などが
含まれます。
どんな人でもまずこれを
満たす必要があるのです。
次に、安全欲求が出てきます。
危険から身を守り、
安全・安心の状態でありたい
と願う欲求です。
安全欲求が
ある程度満たされると、
次は所属と愛の欲求が出てきます。
これは家族や仲間、友達を求める欲求で、
自分があるグループに所属し、
その中で受け入れられること
を望むものです。
次に出てくるのは
承認欲求です。他者から認められ、
尊敬されたいという欲求です。
最後に、自己実現欲求が現れます。
これは自分の可能性を最大限に発揮し、
より自分らしい人生を
生きたいという欲求です。
マズローによれば、この順番は
必ずしも不動ではなく、
例外も見られますが、基本的には
ピラミッドの下の欲求が
ある程度満たされると、次に
上の欲求が現れる傾向がある
ということです。
自己実現を果たすためには、
まず底辺の欲求から
満たしていくことが必要です。
つまり、生理的欲求、安全欲求、
所属の欲求、承認欲求が
満たされていることが、
自己実現を果たすための
基盤となるのです。
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ここまでお話しすれば、
自分の心を満たすことの大切さを
理解していただけたと思います。
しかし、実際に
心を満たそうと思うだけでは、
なかなか難しいものです。
日々の忙しさに追われ、
心の欲求を後回しに
してしまうことも多いでしょう。
それでは、具体的に
心を満たすためには
どうすればよいのでしょうか?
まず、自分がどのような欲求を
持っているのかを
はっきりと自覚することが重要です。
忙しい毎日を送っていると、
自分の欲求に気づく暇もなく
過ごしてしまいます。
そこで、意識的に
自問自答することが必要です。
日々の生活の中で、
自分は何を望んでいるのか、
どんなことを欲しているのか、
自分のニーズは何かを
考えてみましょう。
紙とペンを使って、
これらを書き出してみると
よいでしょう。
自分の欲求が明らかになったら、
その欲求を満たすために
どのような行動を取るべきかを
具体的に書き出してみます。
その後、実行するための
具体的なプランを練りましょう。
無理なくできそうなことを2〜3個選び、
まずはそれを実践していきます。
一度にたくさんのことをやろうとせず、
少しずつ実践していくことが
ポイントです。
この作業を行う際には、
漠然と考えるだけでなく、
具体的な戦略を立てることが重要です。
欲求を満たすためにはこれをしよう、
こういうプランで進めよう
というように、具体的な行動計画を
作成しましょう。
大切なのは、自分の欲求を満たすことに
高い価値を置き、それを意識的に
実行することです。
現代人は多忙で、
やるべきことに囲まれています。
意識しなければ、自分の欲求を
後回しにしてしまうことも
少なくありません。
忙しい中でも、
自分自身の欲求に気づき、
それをないがしろにしないよう
心がけることが大切なのです。
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自分の欲求を満たすための行動を
実践する際には、
協力者を見つけると効果的です。
たとえば、
2人の小さな子どもをもつ
専業主婦を想像してみてください。
彼女は子育てで
大変なストレスを抱えており、
「子どもから少しでも離れて、
一人になりたい、リラックスしたい」
という欲求があります。
この場合、夫に
お願いしてみるのも一つの方法です。
休みの日や平日の夜に
夫に子育てを手伝ってもらうのです。
夫が協力してくれれば、
彼女の欲求はかなり満たされ、
楽になるでしょう。
私たちそれぞれの状況や立場、
事情は異なります。
そのため、何を望むか、
誰に協力をお願いするかも
異なるでしょう。
大きなお願いは
難しいかもしれませんが、
相手に余裕があるときに
無理のない範囲で
お願いすることは可能です。
また、心のケアが必要な場合には、
専門家に相談することも
検討するとよいでしょう。
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自分の欲求を満たすために
他人に協力を依頼するのに
抵抗を感じる人もいるでしょう。
相手に迷惑をかけると思い、
申し訳なく感じるからです。
その結果、自分の欲求を
後回しにしてしまいがちです。
このような人は、
物事を短期的な視点ではなく、
より長期的な視点で
考えるとよいでしょう。
もし、自分の欲求を
後回しにし続ければ、
自分自身がいっぱいいっぱいになり、
余裕がなくなるでしょう。
余裕がなくなれば、
他人に優しくすることもできず、
相手に対して
愛情を向けることも難しくなります。
無理をして我慢を続けると、
無意識のうちに
相手にストレスをぶつけたり、
心の中で相手を嫌うように
なってしまうこともあるのです。
こうなると、人間関係が悪化し、
自分にとっても
相手にとっても
望ましくありません。
一方、相手に協力を求めて
自分の欲求を満たし、
心が満たされれば、
相手に対しても優しくなれます。
これは相手にとっても
良いことと言えます。
協力をお願いすることは、
一見すると
相手に負担をかけるように
思えるかもしれませんが、
長期的視点に立てば、
自分にとっても相手にとっても
望ましい結果に
つながることが多いのです。
長い目で見たときのことを考え、
遠慮せずに可能な範囲で
お願いしてもよいでしょう。
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今回は、自分の心を満たすことの
重要性についてお話ししました。
心が満たされると、気分が良くなり、
物事の肯定的な面に
目が向きやすくなり、
ポジティブな姿勢で物事に
臨めるようになります。
心にゆとりができ、相手の立場に
立つことができるため、
良好な人間関係を
築きやすくなるのです。
また、精神的に安定し、
心身の健康も増進します。
心が満たされると、
自己実現もしやすくなるのです。
心を満たすためには、
意識的な取り組みが不可欠です。
まず、自分が
何を望んでいるのかを明確にし、
その欲求を満たすための
具体的な行動を考えてみます。
そして、実際に行動を
実践するためのプランを立て、
戦略を練ってゆくのです。
無理なくできそうなことから
2〜3個選んで始めるとよいでしょう。
この過程で、
他人に協力を求めることが
必要になるかもしれませんが、
遠慮せずに
お願いすることが大切です。
もちろん、相手に無理なお願いは
避けるべきですが、相手にとって
無理のない範囲での協力を
求めてもよいでしょう。
自分の心が満たされ、
幸せに満ち溢れると、
その幸せを周りの人たちにも
分け与えることが可能になります。
自分の心をしっかり満たすことで、
そこから溢れてくる幸せや充足感を
愛情として周囲に
向けることができるのです。
このような優しさや愛情は、
無理がないため長続きします。
長期的な視点では、
自分にとっても、周囲の人たちにとっても
望ましい結果をもたらすでしょう。
自分の欲求を満たすことを
重要課題に据え、心を満たして
自分も周囲も幸せにしていきましょう!