今回は、精神科医・樺沢紫苑先生の
ユーチューブトークを参考にして、
「メンタル疾患に苦しむ人が
やってはいけないこと」をテーマとしたい。
心身の健康を維持するためには、
日々の生活に
積極的に取り入れた方がよいことがある。
樺沢先生のお勧めは「睡眠、運動、朝散歩」だ。
それに加えて、健康的な食生活や
規則正しい生活も良好な健康のためには
役立つことだろう。
メンタルを病んでいる人や、
病みやすい人が、
今までの生活習慣を見直して、
身体や心の健康に良いことを
始めることは、素晴らしいことだ。
しかし、この時、
絶対にやらない方がよいことがある。
それは、新しいことを
同時に複数始めることだ。
たとえそれらのことが
心身の健康のために良いことだ
とされていても、
今までやらなかったことを
一気に同時にやり始めるのはNGだ。
例えば、今まで不規則な生活で、
昼夜逆転していて、
運動もしないし、散歩もしない。
また、食べる物はジャンクフードばかりの人が、
いきなり、朝は6時に起床して、
夜は11時に就寝する。
毎朝、欠かさず散歩したり、
自炊して栄養ある食事にしたりして、
良好な健康を目指すことは、
絶対に止めた方がよいということだ。
同時に複数のことを始めない方がよい理由は、
今までやったこともない
新しいことに挑戦するには、
エネルギーが沢山必要だからだ。
また、メンタルを病んでいる人や
病みやすい人は、
良好な健康状態の人たちよりも、
エネルギーレベルが低い傾向にあるからだ。
習慣的にいつもやることは、
どんなに難しいことでも、
その人にとっては「当たり前」
になっているので、
あまり苦を感じることなく
ラクにこなすことができる。
逆に、一般的に観れば、
誰でもできそうな基本的なことでも、
そのことをやっていなければ、
いきなり始めようとしても、
多大な精神エネルギーと体力を必要として、
簡単にはできないし、けっこうシンドイものだ。
難易度に関わらず、
新しいことに挑戦するのは、
私達が想像する以上に
大きなエネルギーを必要とする。
仕事やビジネス、勉強等、
どんな分野のことでも、
同じことが言えるので、
何か新しいことや
今までやってないことをしよう
と決めた時には、
同時に始めることはせず、
一つづつやっていくことが望ましい。
メンタル疾患になる原因の一つに、
自分のキャパが分からず、
キャパを越える頑張りを
長期間してしまうことがある。
一旦病気になってしまえば、
健康な時よりも、
精神エネルギーも体力も
かなり落ちてしまう事実もある。
このことを理解せずに、
ちょっと良くなってきたからと思い、
再び無理を始めて、
せっかく良くなった病気を
悪化させてしまうケースも多いそうだ。
心的エネルギーや体力を
スマホやパソコンのバッテリーに
例えると分かり易くなる。
普通、バッテリーが30パーセントまで落ちたら、
「そろそろ充電しないと危ないな」
と思うだろう。
気にしないで、そのまま使い続ければ、
突然、バッテリー切れになり、
スマホやパソコンは機能しなくなる。
それを避けるために、
30パーセントまで落ちたら、
早く充電するよう努める。
樺沢先生のアドバイスは、
健常者であれば、30パーセントで
充電を考えれば十分だが、
メンタル疾患に苦しむ人は、
自分のバッテリーが60パーセントだ
と感じたら、充電を考えた方が無難だ
ということだ。
メンタルを病んでいれば、
自分の状態を上手く把握できず、
過信してしまう傾向にあるからだ。
そのため、自分が感じている半分しか
エネルギーがないと考えて、
行動した方が安全だと言うことだ。
80パーセントあると感じた時には、
40パーセントしかないということ。
70パーセントなら、35パーセントになる。
60パーセントの時に、
そろそろ、頑張るのを止めて、
休息モードに入った方がよさそうだ。
そんな状態なので、
大きなエネルギーを必要とする
新しいことを同時に複数始めるのは、
間違いなく病気を悪化させてしまう。
その新しいことが、
たとえ心身の健康に良いことでも、
今までとは大きく変わるようなことを
幾つもやることは避けた方がよい。
朝散歩一つとっても、
30分間、散歩することを目標にしても、
いきなり30分やるのではなく、
最初は5分、10分と
自分に負担が大きくならないよう
小さなステップを踏むことが重要だ。
10分できるようになったら、
今度は15分にして、
徐々に時間を延ばしてゆくとよい。
新しいことにも慣れて、
そのことが普通にできるようになった時点で、
初めて別の新しいことに取り掛かるのだ。
自分のペースで無理のない速度で、
一つひとつ新しいことを徐々に始めてみるとよい。
樺沢先生が仰るには、
「無理がなければ、
病気は必ず治るはず。
メンタル疾患がなかなか治らないのは、
無理してしまうことが原因だ」とのこと。
メンタル疾患から早く回復したければ、
慌てず、焦らず、自分のペースで、
無理がないように、のんびりやっていくこと。
心身の健康に良いことを取り入れるのは、
望ましいことではあるが、
新しいことは、一つづつがルールだ。
ゆっくり気長に構えていた方が、
病気は治りやすくなることを
覚えておくとよい。
樺沢先生、役立つトークを
有難うございました。
参考動画:「メンタル疾患の人がやってはいけないこと」
(ユーチューブ 精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル)