一緒に生活している家族や、
フラットメートなどの同居人が、
常にイライラして、怒ってばかりいれば、
そのとばっちりで、こちらも迷惑を受ける。
こんな時、どうすれば、
被害を最小限に抑えて、
自分もラクに生活できるだろうか?
精神科医・樺沢紫苑先生のトークを参考に、
私が考えることも交えて、お話したい。
基本的には、他人を変えることは不可能だ。
嫌な人がいたら、物理的にも、心理的にも
極力避けるようにするとよい。
意識して、同じ部屋にいないよう努めれば、
他人の怒りのとばっちりが
自分に飛んでくることも防げる。
実際に、同じ空間内にいても、
自分の心がしっかりしていて、
その人との心理的距離を取ることができれば、
他人のイライラに自分が振り回されることも
少なくなるだろう。
しかし、これは、綺麗ごとかもしれない。
ネガティブで荒い感情の人が近くに居れば、
やはり、自分もその嫌な波動に影響されて、
不愉快な気分になってしまうものだ。
では、どうすれば、よいだろうか?
世の中には色々な人がいて、
短気で怒りっぽい人もいれば、
いつもおっとりしていて、
ゆったりと構えている人もいる。
生まれ持った性格や性質も
基本的には変えることは難しい。
常にイライラしていて、
ちょっとしたことでカッとなり、
怒り散らす人は、そういう性格なんだ
と思いたくなる。
しかし、実は、そうでもなさそうだ。
樺沢先生によれば、
身体や心の状態で、人は大分変るとのこと。
入院したばかりの時には、
すごくイライラしていて、
怒りまくっていた人でさえ、
退院時には、かなり穏やかになることもある。
入院により、身体も心の状態も改善され、
余裕が出てくると、
まるで別人のようになる人もいる。
短気な性格、怒りっぽい性格だと思っても、
本当はそうではなく、
単に身体と心の状態が良くなかったから、
そういう状態になってしまう場合もある。
身体と心の状態は繋がっている。
身体の具合が悪ければ、気分が優れず、
普段は明るい人でも、暗い気持ちになるものだ。
身体に特に異常がなくても、
心が病んでしまえば、
体調が優れない場合も珍しくない。
身体も健康で、心の状態も良ければ、
余裕が出てくる。
同じ苦境に立たされても、
余裕があれば、難なく対処できる。
しかし、余裕がなければ、
ツライ状態を上手く乗り切れず、
自分が苦しむだけでなく、
周囲にも迷惑をかけてしまう。
同じことを成し遂げるにも、
余裕がある時には、効率よく、手際よく、
ササっと質の高いものを仕上げられる。
しかし、自分に余裕がなければ、
そのことに集中できないし、
ミスや間違いをたくさんして、
ろくな仕事もできなくなる。
誰かの発言を聞いた時、
同じ言葉であっても、
自分に余裕がある時の感じ方と、
余裕がない時の感じ方とでは、
大分違ったものになる。
そう考えれば、自分に余裕を持つことは
自分のためにも、周囲の人のためにも、
非常に大切なことだと言える。
余裕を持てるためには、
身体や心の状態が良好であるよう
努めることが必要だ。
樺沢先生が常にお勧めすることは、
「睡眠、運動、朝散歩」。
毎日、質の高い睡眠を7時間は取るようにして、
適度な運動も生活に取り入れること。
そして、朝は日光を浴びながら、
リズム運動であるウォーキングをすることだ。
これにより、脳内ではセロトニンレベルも上がり、
身体と心の健康に役に立つということだ。
当たり前のようであっても、
この当たり前ができていない人も
かなりいるのではないだろうか?
疲れやすかったり、イライラしやすい人は、
まずは、自分の生活習慣がきちんとしているか
確認してみるとよい。
イライラしている家族に、上から目線で、
「散歩しなさい」と命令するのはよくない。
それよりも、「一緒に散歩にでも行こうよ」
と誘ってみるのが一番だ。
朝日を浴びながら、一緒に歩くことで、
自分の気持ちも爽やかになるし、
相手の気持ちも上向きになる。
一緒に歩いているうちに、
普段だったら話さないようなことを
相手の口から聞けるかもしれない。
「実は最近、あまりにもやることが多すぎて、
ストレスが溜まっている」と聞けば、
相手の事情も理解しやすくなる。
もし、そんなことがあれば、
「じゃあ、自分も少し手伝おうか?」
と自分に大きな負担にならないくらい、
ちょっとだけ相手に協力してみるのもよい。
ほんの気持ちだけのヘルプでさえ、
相手には大分助かると感じられて、
そのお陰で、人間関係が良くなることもある。
身体も心も整えるためには、
規則正しい健康的な生活が必要だ。
多くの人がそのことを承知していても、
なかなか実践できていないのが現状だ。
「睡眠、運動、朝散歩」
を完璧にこなさなくてもよい。
今よりも少しだけでも、できることをやれば、
身体や心の状態もより良くなり、
より楽しい気持ちで生活できるだろう。
相手に「~するといいよ」
とアドバイスすることは止めて、
できることを「一緒にやってみようよ」
と提案してみて、一緒にやることだ。
こうすれば、自分も相手も
今よりも整ってきて、余裕が出て、
ツマラナイいざこざも少なくなるだろう。
樺沢先生、役立つアドバイスを
有難うございました。
参考動画:「怒りっぽい」を直す方法
(ユーチューブ 精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル)