Categories: メンタルヘルス

不快な感情をできるだけ早く取り除くには、どうすればよいのか?

不愉快なことが起きた時、
その後、嫌な感情を
ずっと引きずることはないだろうか?

そのことが頭にこびりつき、
やるべきことに集中できず、
時間を無駄にしたことは
ないだろうか?

今回は、不快な感情を
できるだけ早くに取り除くには、
どうすれがよいか?
について。

良さそうだけど
効き目のない方法と、
効果的な正しい方法と、
両方を紹介したい。

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まず最初に間違ったやり方。

一見、正しくて、
効果がありそうに見えるけど、
実は、逆効果になる方法がある。

それは、不快なネガティブ感情を
悪いものだと思い、否定して、
即、廃除しようと頑張ることだ。

「ポジティブ思考万歳!」
と叫ぶ人がこの方法を取りやすい。

ポジティブは素晴らしいもの。
ネガティブは「悪」だ
と考えるので、

過剰にポジティブを称賛し、
ネガティブを不自然なほど
嫌う傾向にある。

ネガティブなことを
忌み嫌うばかりに、

自然と沸き上がった
ネガティブ感情を押し殺し、
なかったことにしてしまう。

自分の内に発生した
ネガティブ量よりも、

より多くのポジティブを発電して、
大量のポジティブにより
ネガティブを打ち消そうとする。

「まあ、そんなに落ち込まないで、
明るく前向きに行こう!」
と力強く自分に言い聞かせる。

励みになる言葉を聞けば、
その時には、一時的には
元気が出るもの。

一瞬、ネガティブもどこかへ
姿を消したように感じられる。

しかし、
超ポジティブに装う人は、
ずっと高いポジティブレベルを
維持することができない。

無理があるからだ。

夜になり、疲れが出て、
エネルギーが低くなった時、

ドカーンと
落ち込んでしまうのだ。

ポジティブ方向への動きが
大きければ大きいほど、

落ち込み加減も
同じように大きくなる。

そして、昼間の嫌な感情が
再び自分の元に
戻って来てしまうのだ。

ネガティブ感情を
打ち消すために、

「そんなことで怒るのは、
大人気ないよ」とか、

「もっと理性的でなくては」と言い、

自分を無理矢理
優等生にさせた分、

落ち込んだ時には、酷く落ち込み、
ツラくなってしまうのだ。

ネガティブを感じた時に、
その感情を抑えつけ、

きちんと感情の処理を
しなかったせいで、
このようになるのだ。

けっきょくは、
予後は非常に悪い。

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それに対して、
正しいやり方は、

不快な感情が
沸き上がった時には、

その感情に対して
否定的にはならず、

ネガティブ感情をそのまま
受け入れてあげること。

「うん、うん、分かるよ。
そう感じるよね」
と自分に肯いてあげて、

感じるままに
素直に感情を受け入れる。

「人間であれば、
誰でもそう感じることはある」。

「ちょっとイラついても、
それは当然だ」

とネガティブな感情を
悪者扱いはせず、

自然な現象である
と捉えた方がよい。

自分が悪い感情を抱いても、
自分自身を責めない。

無理にその感情を抑えて
なかったことにもしない。

「まあ、そんなことも
あるでしょ」と受け入れる。

こういう姿勢でいる方が、
不快な感情からは、
結果的には早くに脱出できる。

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とは言え、
嫌な感情に飲み込まれて、

自分自身を見失い、感情に
支配されるようになれば、

視野が狭くなり、
正しい判断ができず、

後で後悔するような
愚かなことをして、
損することもある。

そうならないよう
注意は必要だ。

自分の感情は否定しなくても、
感情にコントロールされないよう
努めることは大切だ。

そのためには、意識的に
自分自身を一歩引いた場所から
眺めるようにすること。

自分が自分を
少し離れた場所から観察する。

「ああ、今、自分は
怒っているのだな」とか、

「自分は悔しいと
感じているのだな」というように、

自分の感じていることを
適切な形容詞を使って
言葉で確認することだ。

その時には、その感情が
良いとか、悪いとか、
ジャッジすることは一切せず、

ありのままの感情を
どんなものだか言葉で描く。

こうすることで、
自分自身のことでも

第三者的な視点で
客観的に観ることが可能になる。

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感情があまりにも
激しいために、

客観視したくても、
できない場合もある。

そんな時には、
その感情を感じ切ってしまうのも
ありだ。

これには注意点がある。

その感情を
強く感じると同時に、

「いやいや、いけない
そんなに悪く感じたら
よくないんだ」と、

感じると同時に、
感情を止めようと
逆方向へは動かないこと。

それは、車の運転で
アクセルとブレーキを
同時に踏むのと似ている。

そうすれば、
上手く行かなく
なってしまうからだ。

とりあえずは、
その感情を強く感じることを
自分に許可して、

すっかりと感情を感じ切る。

一旦、感じ切れば、
終了できるから。

感じると同時に、
抑える部分があれば、

不完全燃焼して、
キレイに燃え尽きてくれない。

その状態は避けた方がいい。

感じ切ったものは、
後味なく、
すっきり終了できるものだ。

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不愉快な感情が
湧き出た時、

なるべく早くに
その感情を取り除くには、

その感情を否定したり、
抑えつけたりしないこと。

ネガティブ感情に対して
ありのままの感情を
受け入れるほうが、

結果的には、より早く、
その感情を手放せる。

自分はネガティブを感じている、
ときちんと認識するとよい。

その感情を良いとか、悪いとか
ジャッジすることなく、

自分の気持ちを
客観視できれば、

感情コントロールも
上手にできるようになる。

あまりにも激しい感情で、
俯瞰できない場合には、

その感情を強く
感じ切ってしまうのもあり。

すっかり感じ切れば
完全燃焼して、
終了させられるからだ。

一番良くないのは、
ネガティブを否定して、
無理にポジティブを装うこと。

この世の中には、
ポジティブもあるが、
ネガティブも同じ量だけ存在する。

皮肉なものだが、
ネガティブをそのまま
受け入れた方が、

最終的には、
そのネガティブ感情より、
苦しむ時間も短くてすむ。