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もう振り回されない!わがままなパートナーの不機嫌への対処法

わがままなパートナーの不機嫌に
振り回され続けると、
心が耐えがたいほど疲れてしまい、
関係そのものも
不健全になってしまいます。

この記事では、相手の暴言や
感情のはけ口にされることを避けながら、
自分を守るための具体的な方法と、
関係を少しずつ
健全な方向へと導くヒントを
探ってみたいと思います。

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パートナーの不機嫌に巻き込まれないと決心しよう!

自分を守るための第一歩は、
「相手の不機嫌に無条件に付き合わない」
と心に決めることです。

パートナーの不機嫌や怒りを
まともに受け止めすぎると、
いつのまにか相手の機嫌を取ることが
自分の役割になってしまうでしょう。

でも、それでは
自分が追い詰められてしまい、
結果として関係そのものも
不健全になりかねません。

わがままなパートナーの中には、
自分の不機嫌をストレートにぶつけることで
相手をコントロールできる
と思っている人も少なくないのです。

相手に怒鳴られたり、
人格を否定するような言葉を
浴びせられたりすると、
深く傷つき、
動揺することもあるでしょう。

そして、「自分に落ち度があるから
攻撃されるのではないか」
と考えるかもしれません。

しかし、その姿勢は相手に
「自分のわがままは通用する」
という実感を与えてしまうのです。

だからこそ、
わがままなパートナーの不機嫌に
振り回されないためには、
自分の境界線を明確にすることが大切です。

「相手の不機嫌は相手自身の問題であり、
私が責任を取る必要はない」
「不機嫌をぶつけるようなコミュニケーションは
受け入れない」と決心することが、
この問題を解決するための
第一歩となるでしょう。

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感情をむき出しにして八つ当たりする夫とどう向き合う?

ここでは、
一つの例を挙げて考えてみましょう。

ある妻が、長年にわたり
夫から強い怒りの言葉をぶつけられ、
苦しんでいるとします。

夫の考えに少しでも反論すると、
夫は一気に感情的になり、
「バカ」「世間知らず」といった
人格を否定する言葉を繰り返し浴びせ、
説教をやめようとしません。

妻は、
「自分が間違っている」と認めるまで
延々と怒りを向けられる状況に
置かれているのです。

しかし、妻が
「怒鳴られることは受け入れられない」
とはっきり意識できるようになれば、
夫が感情をむき出しにして
八つ当たりしてきたときに
「その場を離れる」という選択肢が
見えてきます。

相手の怒りがどれほど激しくても、
真正面から耐え続けるよりも、
物理的に距離を置くほうが
はるかに自分を守りやすいからです。

別の部屋に移動したり、
外に出てしばらく散歩をするなど、
方法はいろいろありますが、
大切なのは「もうあなたの怒りのはけ口に
なるつもりはない」という意思を
行動で示すことです。

もちろん、相手が
しつこく追いかけてきて
説教を続けようとすることもあるでしょう。

その場合は、
さらに遠くへ離れるのが有効です。

たとえば、近所のファミレスなどで
一息つくのも一つの方法です。

もし夫が家に戻った妻を再び捕まえ、
説教の続きをしようとするなら、
もう一度外に出るなどして、
「私はあなたの不機嫌の
受け皿にはならない」という姿勢を貫きましょう。

これは根気のいる対応ですが、
「私はあなたの思い通りにはならない」
というメッセージを伝えるうえで、
とても有効な手段です。

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不機嫌の背後にある「心理的退行」とは

ここで注目したいのは、
「わがままなパートナーが
不機嫌をぶつけてくるとき、
その心理状態は子ども返りに近い」
という家族療法の視点です。

思いどおりにならないと一気にキレる、
怒りの矛先を相手に向ける、
相手の意見を頭ごなしに否定する――
これらは成熟した大人の
コミュニケーションとはかけ離れています。

つまり、相手は
精神的に未熟な部分を抱えており、
パートナーに甘えたい、
依存したいという気持ちが
強いとも考えられるのです。

このような状態で
妻が「母親役」を担ってしまうと、
わがままを通そうとするパートナーの退行を
さらに助長してしまいます。

かつての日本社会では
「威張る夫」と「従順な妻」という関係が
一般的だったとされますが、
言い換えれば
「わがままを言う夫(子ども役)」と
「それを受け止める妻(母親役)」
という構図になっていた
とも言えるでしょう。

もし、
妻が波風を立てずに従えば、
夫は満足し、
表面的には関係がうまく回っているように
見えるかもしれません。

しかし、長い目で見ると、
このような疑似母子関係は
夫婦の対等な関係を損ない、
どちらかが一方的に我慢する状態が
固定化しやすくなります。

これは家族療法の用語で
「偽解決」と呼ばれ、
表面を取り繕っても、
本質的な問題は
先送りにされるばかりなのです。

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システムが安定を維持しようとするメカニズム

家族療法では、夫婦や家族を
「システム」として捉えます。

そして、このシステムには
「安定を維持しようとする力」が働く
と考えられています。

たとえ不健全な関係であっても、
一度確立されると、
それを維持しようとする力が働き、
変化を拒みやすくなるのです。

たとえば、「わがままなパートナー」と
「母親役になりがちな自分」というパターンが
固定化している場合、
どちらかが関係を変えようと行動を起こしても、
もう一方が
それを引き戻そうとするでしょう。

前述のように、妻が
「不機嫌をぶつけられたらその場を離れる」
と決意しても、
夫が感情をさらにエスカレートさせ、
暴力や泣き落としなど
強引な手段で「元の不健全な安定」に
戻そうとするのです。

もしここで妻が
「怖いからやっぱり従ってしまう」
と折れてしまえば、結局、夫婦の関係は
従来のパターンに戻ってしまいます。

だからこそ、
「システムが変化を拒む力が働く」
ということを理解し、それを見越して
少しずつ行動を変えていくことが重要です。

たとえば、「次に怒鳴られたら、
わたしは部屋を出るね」と、
あらかじめ夫の機嫌がよいときに伝えておく。

また、「どうしても言いたいことがあるなら
メールで送ってください」と伝えることで、
夫に別の表現手段を持たせることも可能です。

そうすれば、
夫がどんなにわめいても、
妻は「直接怒りを浴びる」という
最悪の事態を避けられるでしょう。

メールであれば
「読まない」「読むタイミングを選ぶ」
といった選択肢も生まれるため、
心理的な負担も大幅に軽減されます。

やがて夫が
「不機嫌をぶつけても妻は逃げてしまい、
思いどおりにならない」と学習すれば、
少しずつ自己コントロールするようになります。

そうなれば、次のステップとして
「メールでも
怒りをぶつけるのはやめてほしい」
と伝えることで、
さらに関係を改善していくことが
できるでしょう。

このように、
段階的にアプローチすることで、
疑似母子関係から対等な関係へと
移行しやすくなるのです。

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健全な関係へ移行するためのヒント

わがままなパートナーに悩むとき、
「相手は絶対に変わらない」
「そもそもこういう性格だから」と、
諦めの気持ちになることもあるでしょう。

しかし、自分の行動パターンを
意識的に変え続けることで、
関係全体に変化をもたらすきっかけを
作ることは可能です。

システムは
安定を維持しようとするため、
最初は強い抵抗にあうでしょうが、
そこをどう乗り越えるかが
重要なポイントになります。

不機嫌をぶつけられたときに、
ただ黙って
我慢し続けるのをやめてみると、
相手は「いつもと違う反応だ」
と動揺するでしょう。

場合によっては、さらに強く
怒りをぶつけてくるかもしれません。

そうしたときこそ、
あらかじめ決めておいた対応
(部屋を出る、外へ避難する、
ファミレスで読書をするなど)を
徹底して実行することが大切です。

そうすることで、相手に
「この方法では思いどおりにならない」
ということを学習させることができます。

こうした行動を積み重ねていく過程で、
周囲の目や世間体を気にする気持ちが
邪魔をすることもあるでしょう。

家族や友人から
「そんなやり方はおかしい」
「もっと相手を立ててあげるべきだ」
と言われるかもしれません。

しかし、
わがままなパートナーの不機嫌に
長年耐え続けることで、
あなた自身が疲弊するだけでなく、
相手も本当の意味で
成長する機会を失ってしまいます。

自分の境界線を守り、
相手のわがままに振り回されない姿勢を
貫くことは、
ときに強い精神力を求められますが、
長い目で見れば
関係の改善につながる可能性が高いです。

場合によっては、
完全に関係を断つほうが
よいこともあるかもしれませんが、
「相手と離れられない」「離れたくない」
と考えるのであれば、
こうした方法を試してみる価値は
十分にあるでしょう。

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おわりに

この記事では、
わがままなパートナーの不機嫌に
巻き込まれないためにできることを
考えてきました。

まず大切なのは、
相手の不機嫌に無条件に付き合わない
と心に決めることです。

その上で、少しずつ
自分の行動パターンを
変えていくとよいでしょう。

具体的には、
不機嫌をぶつけられたときに
一旦距離を置いたり、
別の伝え方を促すなどの方法が
効果的です。

あなたが行動を変えようとすると、
最初は変化を拒む力が働き、
強い抵抗に直面するでしょう。

それでも諦めず、
自分の姿勢を貫くことで、
相手も次第に
「あなたを思いどおりにできない」ことを
学んでいくでしょう。

最初から大きな変化を起こすのは
現実的ではありませんが、
自分が無理なくできる小さな行動を
積み重ねていくとよいでしょう。

すぐに結果が出るとは限りませんが、
自分を守るための行動を続けることで、
状況は確実に変わっていくでしょう。

わがままなパートナーの不機嫌に
振り回されないためには、
強い意志と根気が必要です。

しかし、
今の悪循環から抜け出すと決意し、
行動を少しずつでも変えていけば、
関係は徐々に変化し、
やがて健全な方向へ向かうでしょう。

あなた自身の心が軽くなり、
さらにはパートナーとの関係が
改善されることを願っています。