今回は、
自分の内からネガティブな感情が
湧き上がった時、
どうすれば、ラクに対処できるか?
について。
一般的には、私たちは、
喜びや、感謝、やすらぎなどの
ポジティブな感情は歓迎するが、
ネガティブで不快な感情は
忌み嫌って廃除したくなる。
ネガティブな感情を
ムリにでも押し殺して、
なかったことにしようと
思うこともしばしばだ。
しかし、ネガティブな感情を
抑圧しても、あまり効果がなく、
事態を更に悪化させることも
多々起きる。
よって、
ネガティブ感情の取り扱いは、
十分注意が必要だ。
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ネガティブ感情は
心地良いものではないが、
抑圧しないほうが
後々のためになる。
その理由は、
私たち人間は
何かを禁止されると、
余計そのことをやりたくなる
性質があるからだ。
たとえば、
「絶対にこれには触れたらダメ!」
と注意されれば、
余計触れたくなってしまうもの。
「あの本を読んだらいけない!」
と禁止されれば、
どうしてもその本を
読みたくなってしまうものだ。
「~したらいけない」と
言われれば、
そう言われない時よりも、
ずっとそのことを
したくなる。
人間は、
禁止された対象物に
執着しやすくなる
という心の性質を持つ。
これは、他人から
禁止されたことだけでなく、
自分で「こうしないほうがよい」
と決めたことも同じだ。
ネガティブな感情は
良くないことだからと思い、
それを感じないように
と思えば思うほど、
ネガティブ感情が強化されてゆく。
つまり、ネガティブ感情を
抑制することで、
余計、ネガティブな気持ちが強くなり、
逆効果になるというわけだ。
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ネガティブ感情を
否定しないほうがよい理由は、
他にもある。
自分の感情や感覚は、
どんなものであっても、
自分の内から湧き出るもの。
つまり、
今、自分が感じていることは、
自分そのものだ
と言ってもよい。
感じている感情を否定して、
取り除きたいと願うのは、
自己否定しているのと同じだ。
自己否定が始まれば、
自分を好きになれず、
自己嫌悪に陥ることもしばしば。
自分のことが嫌いで、
自分を否定している人は、
幸せになることはできない。
自分の内にある感情は
不快なものなのに、
それを感じていないように振る舞い、
素晴らしい自分を演じていれば、
問題は更に深刻化する。
外で良い顔をしていても、
腹の底では全然違うことを
感じていれば、
自分の表と裏が
徐々に乖離(かいり)してゆく。
乖離の程度が
酷くなればなるほど、
二面性が大きくなり、
不自然さが増してくる。
自分に嘘をついて、
誤魔化すことが多ければ、
辻褄を合わすのに
不必要な精神エネルギーを
浪費してしまうことにもなる。
この状態は、かなり
心を疲れさせるものだ。
こんなことを長くやっていれば、
だんだん自分も疲れてきて、
そのうち疲労困憊状態になる。
更に、二面性のある自分を
もっと嫌うようになり、
それと同時に
罪悪感に苛まれることも
珍しくない。
自分の内には
大きなネガティブ感情があるのに、
ポジティブな外面を装うことは、
長期的には自己破壊につながるのだ。
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ここまで話せば、
自分の内にあるネガティブ感情を
ムリに抑圧するのは
望ましくない
と理解できるだろう。
では、どうすればよいのか?
それは、
自分の内から自然に湧き出る
感情や感覚は否定せず、
素直に感じることだ。
憎しみ、妬み、怒り、イライラなど
ダークな感情も
そのまま受け入れること。
ネガティブ感情は、
人類が生き延びるために、
また、進化成長のために
必要だから、存在するもの。
確かに不快な感情だが、
本来は忌み嫌わなくても
よいものだ。
下手に感情を抑えつければ、
余計その感情が強化されるので、
抑圧しないのほうが賢明だ。
その代わりに、
嫌な感情が湧いた時には、
思い切ってその感情を
感じ切ってしまったほうがよい。
感じ切ることができれば、
後に尾を引くこともなく、
スッキリしてラクになれるからだ。
その時に役立つのは、
その感情を言語化して
外に出してみること。
たとえば、
日記やブログに書いたり、
仲良しの友人に
話をするのもありだ。
ただ、ここで注意点がある。
そのネガティブ感情を
他人にぶつけて
憂さ晴らしするようなことは
決してやってはならない。
自分がネガティブな態度を取れば、
相手からも似たような
ネガティブなものが
返ってくるからだ。
そうなれば、
ストレスは更に大きくなり、
自分だけでなく、相手にも
迷惑をかけることになる。
そんなことは
絶対に避けたほうが望ましい。
できれば、自分の中で
言語化して処理するのが
一番効果があり、適切だろう。
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今回の話をまとめれば、
ネガティブ感情は不快なものだが、
それを感じた時には、
ムリに抑えつけないほうが賢明だ。
その理由は、
抑えれば抑えるほど
その感情が強化されるから。
また、自分の感情を否定するのは
自己否定をするのと同じであり、
その結果、自分のことが嫌いになるから。
自分の心の内では
ネガティブが大きいのに、
外面をムリに良くすれば、
乖離が起こり、心を疲弊させる。
それよりも、
自然に湧き出る感情は
どんなものでも、素直に感じること。
ダークな感情も
そのまま受け入れ、
感じ切って、あとはスッキリしたほうが
後々のためにもよい。
ネガティブ感情を感じた時、
それを言語化して、
書く、話すなどのアウトプットをすれば、
気分が落ち着くこともしばしばだ。
ネガティブ感情は
人間の自然な感情なので、
素直に受け入れ、
その時々で感じ切り、
上手く処理してゆこう。
こうすることで、
幸せな気分で過ごす時間も
徐々に増えてくるはずだ。