Categories: メンタルヘルス

人間関係の距離が分からない

人間関係の距離が分からない。これは、私の問題点だ。私は、今までの人生で、人間関係に失敗してしまうことが多く、友人と言えるような親しい人があまりいない。私は内向的人間なので、他人とワイワイ騒いでいるよりも、自分一人で静かに音楽を聴いたり、思考を巡らせることを好む。友達が少ないのは、そのせいもあるだろう。しかし、それだけではないと思う。おそらく、私が人間関係の距離を正しく測れないために、友人が少ないのかもしれない。

2人の知らない人同士が初めて会う時、ちょっと話しただけで、意気投合して仲良くなることは稀だろう。それよりも、何度か会ううちに、お互いのことを知るようになり、徐々に深い人間関係が築かれて行くものだと思う。

私は、いつの時点で自分のパーソナルな話をしてよいのか、分からない場合が多い。初めて会った人が、とても良い感じの人で、自分が好きだと思ったら、初対面からけっこう自分のパーソナルな面を曝け出してしまうことが多い。しかし、相手は、初めて会った私に、そうされて困った様子を見せる場合もある。けっきょく、その人は引いてしまい、その後、私達の人間関係が深まることはない。

逆に、ある程度仲良しになった人に対して、私は人間関係の距離を置き過ぎて、「よそよそしい」と思われることもあるようだ。友達だったら、気軽にお願いしてもよさそうなことを、すごく遠慮してしまい、お願いできないこともある。

なぜ、適切な人間関係が分からないのか? おそらく、これは、私と実の両親との人間関係が上手く行かなかったからだろう。一番基本的で、大切な人間関係は「親子関係」だと思う。小さな子供の時、親から身の周りの世話をして貰う。怒りや不安、心配、イライラなど感情面でコントロールできなくなったら、親になだめて貰う。成長の過程で、親から精神面でサポートして貰ううちに、「親は、隣に住むおじさんや、おばさんとは違うんだ。より親密な関係の人なんだ」と学ぶ。これが基本になって、成長とともに、自分にとって近い人、遠い人の関係が分かるようになってゆくのだろう。

また、別の原因もある。虐めを経験したため、人間関係の距離間が分からないということもある。私は、子供の頃から、成人した後でも、学校、職場、家庭内で虐めの対象になったことがある。そのため、他人に対して警戒心を持つ傾向がある。特に、最初に会った時、直感的に「この人はちょっと怖い」と感じてしまえば、その相手に対して不必要に警戒心を抱いてしまうのだ。

もちろん、私の直感が当たって、その人が本当にヤバイ人だったこともあるが、必ずしもそうとは限らない。警戒心を持つ必要がない時に、持ってしまい、仲良くなる機会を逃してしまうのだ。

内向的な私にとっては、自分一人の時間を大切にすることは重要だ。でも、時には他人と関わって、いろいろな知恵の分かち合いをしたり、共通の趣味を楽しんだりする方が、人生は楽しいだろう。

今は、自分が人間関係の距離間を正しく測れないことを、よく自覚しているので、ある程度、意識的に気をつけている。初対面では、どんなに好感が持てる人がいても、最初からパーソナルな深い話はしないようにすること。逆に、仲良くなった人には、遠慮しすぎないようにすること。それでも、これからも人間関係の距離を間違えてしまうこともあると思う。まあ、これも試行錯誤で、失敗しながら学んでいくものだと、気長に構えた方がよいのかもしれない。