小学生の時、ある事件をきっかけに発症して
私のメンタル疾患とのおつき合いは40年以上。
普通の生活ができないほど病んだのは2年半。
それ以外は、どうにか日常生活を回せている。
私の病気は複雑性PTSD。
時には心身状態が悪くなったり、
また、時には大分良くなったり。
悪い状態と良い状態の間を
行ったり来たりしている。
そうするうちに、どのようにすれば
ラクに病気とつき合えるか
コツを掴めるようになった。
上の絵は「繋驢桔(けろけつ)」の概念を描いたもので、
『森田療法のすべてがわかる本』36ページから抜粋された。
この本によれば、繋驢桔とは「杭につながれたロバ」のことで、
悩みから自由になりたいともがく人のたとえだ。
杭につながれたロバは、逃げたくて
ロープをほどこうとグルグル回る。
頑張れば頑張るほどロープはこんがらがり
ロバはもっと縛りつけられてしまう。
この絵を見た時、私は思った。
「私と私の病気の関係は、正にこれだ!」と。
長年、私は病気を受け入れられなくて、
病気を治そう、治そうと頑張った。
しかし、病気を治そうという気持ちが
強くなればなるほど、
私の症状は悪化していった。
でも、「病気でもいいや」と
病気をそのまま受け入れられた時、
不思議なくらい症状は消えていった。
病気を治す努力を止めた時、
症状は軽くなり、苦しまない時間が増えた。
その結果、自分の人生において
楽しいこと、有意義なことに専念できた。
病気をムリに治そうとする。
忌み嫌って自分の中から追い出そうとする。
そんな努力は止めた方がよい。
そうすれば、良くなる。
これは、私が身をもって体験したことだ。
病気をそのまま受け入れる。
自分の傍に置いておく。
でも、だからと言って
病気にフォーカスを当てたり、
それにとらわれることはしない。
ジャッジしないで、
病気を自分の脇にそのまま置いておく。
たまには調子が悪くなることもある。
でも、あまり気にしない。
「私は病気なんだから、仕方ない」と
軽い気持ちで受け入れる。
そして、病気にとらわれることはしない。
こういう感じで病気をそのまま受け入れると、
自分自身の体調が日に日に良くなってゆく。
繋驢桔のロバだって、ムリに逃げようとしなければ、
行動範囲は狭いかもしれないが、
普通に草を食みながら
ゆったり過ごせるはず。
一見変なアドバイスに聞こえるが、
メンタル疾患から解放されたければ、
病気を治す努力は止めよう。
それよりも、病気をそのまま受け入れて、
自分の脇にそっと置いておこう。
きっと、あなたの症状も緩和されるはず。