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心が折れそうなときに見直したい5つのこと

心が折れてしまう経験は、
多くの人が一度は味わうものです。

その原因は
人によってさまざまですが、
置かれている環境や心の状態によっては、
思っている以上に傷つきやすくなり、
前に進む力を失ってしまうでしょう。

この記事では、
心が折れやすくなる
代表的な5つの原因を取り上げ、
それぞれにどう向き合っていけばよいかを
考えます。

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心が折れやすくなる原因1:完璧主義

高い理想を持つことは、
成長への大きな原動力になります。

目標があるからこそ、
人は努力を続けられ、
前へ進もうと思えるものです。

しかし、その理想がいつの間にか
「完璧にできなければ、
やる意味がない」
という思い込みに変わってしまうと、
ちょっとしたつまずきでさえ、
大きな挫折感につながってしまうでしょう。

これは
「オール・オア・ナッシング思考」とも呼ばれ、
物事を白か黒か、成功か失敗かの
どちらかでしか見られなくなる状態です。

たとえば、長期的なプロジェクトの
一部がうまくいかなかっただけで、
全体が失敗だったように
感じてしまうことがあります。

あるいは、
試験で満点が取れなかっただけで、
それまでの努力が
無駄だったと思い込んでしまうことも
あるでしょう。

そうなると、
完璧にできなかった自分を責め続け、
自分自身を追い詰めてしまうだけです。

このような思考パターンのままでいると、
本当は小さなつまずきにすぎないことまで、
大きな挫折として受け止めやすくなります。

その結果、心が折れやすくなり、
やがて失敗を恐れるあまり、
新しいことに挑戦できなくなる
かもしれません。

この罠から抜け出すためには、
次のことを認識する必要があります。

それは、人間である以上、すべてを
完璧にこなすことはできない、
ということです。

どんなに立派で優秀な人でも、
このことは当てはまります。

そのため「完璧に執着する」のではなく、
「今の自分にできる最善を尽くす」
という視点に切り替えるのです。

どれほど努力しても、
思うような結果にならないことは
いくらでもあるでしょう。

だからこそ、
完璧な結果だけに価値を置くのではなく、
そこに向かって誠実に取り組んだ
「プロセス」にも目を向けることが大切です。

今の自分にできることを
精一杯やってみます。

そして、どのような結果が出たとしても、
「ここまでやったのだから、それでよし」
と受け止めましょう。

うまくいかなかった部分があれば、
それは自分を責める材料ではなく、
次につなげるための学びとして
受け取ればよいのです。

そう考えられるようになると、
失敗への恐れもやわらぎ、
次の挑戦へ向かう気持ちも
わいてくるでしょう。

完璧でなかったとしても、
そこには経験が残ります。
学びも残ります。そして何より、
「またやってみよう」と思える力が生まれます。

その力こそが、人を成長させる
大切な原動力になるのです。

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心が折れやすくなる原因2:学習性無力感

努力を重ねても
結果が出ない状態が続くと、
人は少しずつ「頑張っても意味がない」
と感じるようになりがちです。

これは心理学で
「学習性無力感」と呼ばれる状態です。

失敗や思うようにいかない経験が
繰り返されることで、
「自分には何も変える力がない」
という思い込みが、
心の中に染みついてしまうのです。

最初は、「今回はうまくいかなかった」
と思うだけだったかもしれませんが、
それが何度も続くうちに、いつの間にか
「自分にはそもそも無理なんだ」という
確信のようなものに変わっていきます。

そうなると、
新しいことに向かう意欲も薄れ、
気持ちが沈んでしまうでしょう。

こうした状態から抜け出すためには、
まず「結果が出るまでの時間を、
急ぎすぎていなかったか?」
と振り返ってみることです。

特に大きな目標を掲げている場合、
達成するまでに時間がかかるのは
自然なことです。

すぐに結果が出ないからといって、
それまでの努力が
無駄だったわけではありません。

そのうえで、大きな目標を
いくつもの小さな目標に
わけてみましょう。

一つひとつは、少し頑張れば
手が届くくらいのものにします。

そして、その一つを達成したら、
次の一つに取りかかる。

さらにそれが終わったら、
また次の小さな目標へ進んでいくのです。

ここで大切なのは、
小さな目標を達成したときに、
自分自身をきちんと褒めてあげることです。

「これくらいできて当然」
と流してしまうのではなく、
「ここまでできた」と、
その都度、達成を喜んでください。

スモールステップを積み重ねることで、
無理なく大きな目標へ
近づいていくことができるでしょう。

もう一つ大切なのは、どんな人にも、
今の自分に「コントロールできること」と
「コントロールできないこと」がある
と知ることです。

コントロールできないことばかりに
意識を向けていると、
どれだけ頑張っても結果は出ず、
苦しさばかりが増していくでしょう。

だからこそ、今の自分にできることと、
今すぐには変えられないことを
見極めることが大切です。

変えられないことは
いったん脇に置き、
自分の手が届くところにある行動へ
意識を向けていく。

そうすることで、
「どうせ変わらない」という諦めに
飲み込まれにくくなるでしょう。

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心が折れやすくなる原因3:本音と行動のズレ

毎日、それなりに
やるべきことはこなしている。
それなのに、なぜかしっくりこなくて
気力も続かない。

そんなときは、
自分が本当に大切にしたいことと、
日々の行動とのあいだに、
ズレが生まれているのかもしれません。

たとえば、
「家族との時間を大切にしたい」
と思っているのに、仕事に追われ、
気づけば毎晩帰りが遅くなっている。

あるいは、
「もっと創造的な仕事がしたい」
と感じているのに、
毎日、単調なルーティンをこなし続けている。

このような不一致が
少しずつ積み重なると、やがて
「自分は何のために頑張っているのだろう」
と感じるようになります。

そして、心のエネルギーが
少しずつ削られていくのです。

ですが、それは
怠けでも弱さでもありません。

自分の内側から届いている、
「そろそろ方向性を見直してほしい」
というサインなのです。

そんなときは、一度立ち止まって、
自分が本当は何を大切にしたいのかを
言葉にしてみることが
助けになるでしょう。

「私は、
どんな時間を大切にしたいのか?」

「何をしているとき、
自分らしさを感じられるのか?」

「本当は、
どんな生き方に近づきたいのか?」

こうして問いかけてみるだけでも、
心の奥にあった本音が
少しずつ見えてくることがあります。

もちろん、
すぐに環境を大きく変えることは
難しいかもしれません。

それでも、日常の中に、
自分の価値観と少し重なる選択を
一つ増やしていくことはできるでしょう。

そうするだけでも、心の重さは
少しずつ軽くなっていくものです。

家族との時間を大切にしたいなら、
たとえ短い時間でも、
スマートフォンを置いて
向き合う時間をつくってみる。

創造的なことを大切にしたいなら、
ほんの少しでも、
心に浮かんだアイデアを形にしたり、
何かを生み出す時間を持ったりしてみる。

大きく変えられない日々の中にも、
自分の本音に近づく
小さな選択はあるはずです。

その小さな一歩が、
心のエネルギーを取り戻す
きっかけになっていくでしょう。

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心が折れやすくなる原因4:孤立感

困ったときに誰にも相談できず、
一人で問題を抱えていると、
精神的な負担は
少しずつ膨らんでいくでしょう。

「こんなことで
悩んでいると思われたくない」
「迷惑をかけたくない」。

そんな気持ちから、
つい口をつぐんでしまうのです。

ですが、言葉にされないまま
心の内側にたまっていくものは、
時間が経つほど重くなっていくものです。

ここで大切なのは、
無理に取りつくろわずに話せる
「安心できる場所」を持つことです。

利害関係のない友人、信頼できる家族、
あるいは専門のカウンセラーでも
よいでしょう。

完全な解決策が見つからなくても、
誰かに話すだけで
気持ちが軽くなることは
少なくありません。

言葉にすることそのものが、
混乱した感情を
整理する助けになるからです。

孤立感は、
心の力を少しずつ奪っていきます。

その一方で、
「自分は一人ではない」と感じられるだけで、
張りつめていた気持ちがゆるみ、
次の一歩を踏み出す力が
戻ってくることがあります。

悩みを話すことは、
弱さではありません。
自分を守るための、大切な行動です。

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心が折れやすくなる原因5:生活の乱れ

心と体は密接につながっていて、
互いに影響を受け合っています。

睡眠不足が続いているとき、
食事が乱れているとき、
慢性的な疲れがたまっているとき。
そうした状態では、
どれほど前向きに考えようとしても、
心が思うようについてこないでしょう。

それは、意志が弱いからでも、
気合いが足りないからでもありません。

体のエネルギーが
足りなくなっているために、
心を支える力まで
弱くなっているのです。

日本では、今でも
「忙しいほど頑張っている」
という空気が根強く残っています。

睡眠を削ることや、
休まずに働き続けることが、
まるで立派なことのように
扱われる場面もあります。

しかし、生活の乱れにより
体のエネルギーが底をついた状態では、
感情を整える力も、物事に向かう意欲も、
柔軟に考える力も低下してしまいます。

心が折れやすい
と感じているときほど、
まずは基本に立ち返ることが大切です。

しっかり眠ること。
栄養のある食事を
できるだけ規則正しくとること。
無理のない範囲で体を動かすこと。

どれも当たり前のように
思えるかもしれません。

でもその当たり前が
きちんとできているでしょうか?

弱った心を立て直すためには、
体を整えることが、いちばん現実的で
効果的な回復になるでしょう。

体調が整ってくると、
ストレスを受け止める力も
少しずつ戻ってきます。

心が折れやすいと感じるときには、
生活習慣を整え、
自分の体をいたわることに
意識を向けてみてください。

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おわりに

この記事では、
心が折れやすくなる
代表的な5つの原因を取り上げ、
それぞれにどう向き合っていけば
よいのかを考えました。

振り返ると、
その原因は次の5つです。

1.完璧主義
2.学習性無力感
3.本音と行動のズレ
4.孤立感
5.生活の乱れ

もちろん、
心が折れやすくなる原因は、
これだけではありません。

ですが、
この5つを見直していくだけでも、
心が折れてしまう場面は
少しずつ減っていくでしょう。

完璧を求めすぎていたなら、
今の自分にできる
最善へ目を向けること。

大きすぎる目標は小さな目標に分け、
スモールステップで進んでいくこと。

また、今の自分に
コントロールできることと
できないことを見極め、
できないことはいったん脇に置き、
できることに意識を向けること。

困ったときには一人で抱え込まず、
安心できる誰かに話してみること。

生活が乱れていると感じるなら、
睡眠、食事、運動の習慣を
意識して整えていくこと。

すべてを一度に
変えようとしなくてよいのです。

今日できる
小さな一歩でかまいません。

今の自分に無理なくできることを
少しずつでも積み重ねていくことで、
弱っていた心のエネルギーを
取り戻す力になっていくでしょう。