今回の話は、
特定の誰かに好かれたい!
と望んだ時、
どうすれば効果的か?
について。
常識的には、
その人に親切にしてあげたり、
その人のために率先して
手伝いをしてあげるとよいと考えがち。
しかし、それよりも、
もっと良い方法がある。
それはいったい何なのか?
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その答えは、
あなたが相手に尽くすのではなく、
相手があなたに協力する状況を
作り出すことだ。
たとえば、Aさんは
あたなに対して
特別好意を抱いていない場合。
でも、何らかの理由で
あなたに協力しなければ
ならない状況になった。
最初のうちには
Aさんはあなたのことを
好きでも嫌いでもない。
しかし、Aさんが
あなたを助けているうちに、
Aさんはあなたに好意を
抱くようになるのだ。
なぜ、そんなことが
起きるのか?
その理由は、人間脳は
矛盾を嫌うから。
Aさんがあなたのことを
助ける事実があれば、
Aさんの脳内では
「あなたのことが好きだ」
と勝手に解釈される。
さもないと、脳内では
認知的不協和が生まれるからだ。
好きでもないのに助ける行為は
脳にとっては矛盾であり、
その矛盾を解消するために、
Aさんの脳内では
「あなたのことが好きだ」
と辻褄を合わせるのだ。
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それならあなたは、
「振り向いて欲しい人が
あなたを協力する状況」を
作り出す必要がある。
そんな時に役立つ方法は
その相手に
お願い事をすることだ。
ただ、お願い事は
気が引けるもの。
あまり親しい関係でなければ、
「そんなお願いをしても
大丈夫だろうか?
迷惑にならないだろうか?」
と心配してしまう。
「もし断られたら嫌だな~」
という気持ちもあり、
尻込みしたくなる。
でも、ここで
勇気を奮い起こして、
思い切ってお願いしてみよう!
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願い事の注意点は、
相手に大きな負担にならないことを
選ぶことだ。
あまりにも大変なことを
頼まれれば、
相手の立場でも
面倒だと感じられるから。
それよりも、
小さなお願いをしてみる。
同時にお願いの内容も
とても大切だ。
小さなことでも
自分が知らないことや、
苦手分野のことを
頼まれれば、
困惑してしまうから。
相手の得意分野のこと。
そして、相手にとっては
お茶の子さいさいと
感じられるものがよい。
また、相手の関心事であれば、
更に理想的だ。
その人が簡単にできる
小さなことをお願いすれば、
喜んであなたの頼みに
応えてくれるだろう。
人間は、誰かから頼られると
「自分は必要とされる存在だ」と認識して、
幸福感を得られるようになっている。
他人のために
役立つことができれば、
自尊心も大きく満たされるものだ。
もしあなたが
その人の負担にならないほどの
小さなお願いで、
本人の得意分野のことを選べば、
幾度か頼みを繰り返すうちに
あなたはその人から
好かれるようになる確率は高い。
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ここからは応用編。
「人間は自分が助ける人を
好きになること」
を利用して、お人好しが
一方的に搾取されないためには、
どうすればよいか?
他人からのお願い事を
快く受け入れて、
協力してあげているのに、
自分が困った時、他人からは
そっぽ向かれる人がいる。
いわゆる「お人好し」
と呼ばれる人たちだ。
他人からの頼まれごとを
断ることができない性格。
その性格により、他人からは
一方的に利用されてしまうはめになる。
もしもあなたが
そんな性格であれば、
あなたは他人のお願い事に
応えて協力するうちに、
その人のことを
好きになってゆく可能性が高い。
最初はそんなに好きでなくても、
協力することにより、
脳内では矛盾が生じ、
矛盾解消のため
「自分はこの人が好き」
と辻褄を合わせようとするからだ。
色々な人たちに協力するあなたは
その人たちを一方的に
好きになるだろう。
しかし、残念ながら、
あなたに助けられた人たちは
必ずしもあなたには
好意を抱いてくれない。
そんなのは
フェアではないだろう。
そんな状況を防ぐために、
あなたも他人に
お願いする必要がある。
誰かからお願いされたら、
それを受け入れると同時に、
その相手にも自分からも
お願いしてみることだ。
相手の立場になれば、
既にあなたに頼み事をしているので、
あなたのお願いを拒否することは
ないだろう。
「返報性の法則」が
働くからだ。
何かやって貰ったら、
自分も相手にお返ししたい
という気持ちになるものだから。
あいにくあなたが
Aさんから頼まれた時、
Aさんに対して、
お願いしたいことがない場合は、
こんな風に対応すればよい。
「もちろん、いいですよ。
私は今、時間に余裕があるので。
でも、私の仕事が忙しくなって
余裕がなくなったら、
あなたも私を助けてくれますか?」
という具合だ。
つまり、将来、
Aさんにも自分のことを
助けて貰いたいと暗示しておくこと。
前もってそのように伝えておけば、
あなたが多忙になった時、
Aさんはあなたに対して
協力的になってくれるはず。
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今回の話をまとめれば、
人間は自分が助ける人を
好きになる、
という心理が働く。
誰か特定の人に好かれたい
と望んだ時には、
この心理を活用すると役に立つ。
その相手に対して、
自分に協力する状況を
作り出せばよいのだ。
その際は、お願い事が一番。
お願い事は、
簡単にできる小さなことで、
相手の得意分野のものが理想的だ。
幾度か小さなお願いを
繰り返すうちに、
相手があなたを好きになる確率は高い。
お人好しで
一方的に相手に尽くしても、
自分が期待するほど、
相手からは好かれないもの。
協力してあげている人を
あなたが好きになることはあっても、
その反対はあまりないからだ。
だから、あなたも一方的に
相手に尽くすのではなく、
相手から尽くされるよう
仕掛けたほうがよい。
頼まれたら、あなたのほうからも
何かお願い事をしてみるのだ。
これができれば、
自分も、相手もお互いを好きになり、
ウィン・ウィンの関係になれる。