他人との比較で苦しくなったとき、心得るとよいこと

今回は、
他人との比較で
苦しくなったとき、
心得るとよいことについて。

比較の対象を
過去の自分と今の自分にして
自己成長に焦点を当てるのもよいが、
今回の話は、これとは別のもの。

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「あの人スゴイな、素晴らしい!
それに比べて自分は……」と感じたとき、
あなたは劣等感に
苛まれているだろう。

でも、本当は
劣等感など抱く必要はない。

なぜなら、
そんなステキな人が
自分の近くにいる事実は、
自分もその人と
同じようになる可能性を持っている
という証拠だから。

私たちを取り巻く物理空間には、
私たちの想像以上に
多くの人たちが存在している。

しかし、
私たちの視野に入る人は
その中のほんの一握りでしかない。

その一握りの人たちは、
自分の中に似た要素があったり、
自分もその人と同じようになる可能性が
ある人たちだ。

人間脳は、自分にとって
興味があり、重要なものだけを
見せてくれて、
それ以外はすべてシャットアウトする
性質がある。

その理由は、あるものすべてを
脳が処理しようとすれば、
あまりにも膨大な情報量により
脳がパンクしてしまうからだ。

よって、自分とは無関係のものは
たとえ目の前にあっても、
見えなくなっている。

自分とは全く異質な人や、
自分にはその人と
同じようになる要素がない場合は、
物理的にその人が
自分の身近にいたとしても、
気づくことがないのだ。

このことを知れば、
周囲にいる人で「いいな~あの人は」
と羨ましく思うような場面では、
自分もその人と
同じようになる可能性がある
と理解できる。

今の自分は
まだその人のようでなくても、
そのようになる要素はあるので
頑張ればよいということだ。

がっかりしたり
下手に劣等感を抱くことで
気を落とさなくてもよいのだ。

それよりも、
その人の行動パターンを観察して、
自分も見習うことがないか?
考えて実践した方が建設的だ。

その人がやっている
良いと思われることを
自分も真似するようにすれば、
徐々にそのステキな人に
近づけることになるからだ。

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それ以外にも
知ると役立つことがある。

自分と他人を比較して
「自分にはこれが欠けていて、
自分はダメだな~」
と落ち込んだとき、
次のことを試すと効果的だ。

それは、自分の中に
その人(素晴らしいと思う対象)よりも
優れた部分を探すこと。

これを意識して
やってみれば効果的だ。

他人との比較で
劣等感に苛まれる人は、
自分の不足部分だけに
目が向きやすい。

実際には、自分にも
優れた部分や秀た面もあるのに、
そういう部分は当然だと捉え
何とも思っていないことも多い。

そのことに
気づいていないことが
一番の問題だ。

だから意識して
自分自身の優れた面を
探してみる必要がある。

探してみれば、意外にも
自分にも素晴らしい面があった
と気づくことだろう。

自分の長けた点を
自分がスゴイな~と思う対象が
持っているかと言えば、
そうではないこともしばしば。

もしそうならば、
あの人はこの点では
自分よりもスゴクても、
私はあの人よりも別のことでは
優れていると結論付けられる。

自分の欠けた部分や
短所だけに焦点を当て、
その部分が得意な人と自分を比べ
気分を落ち込ませるのは
理にかなったことではないのだ。

素晴らしいあの人にはなくて、
自分にはある優れた点を
意識して自分に繰り返し
言ってあげるとよいだろう。

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色々なことに長けていて、
素晴らしいと思える人が
多くの人たちから好かれているか?
といえば、必ずしもそうではない。

逆に
欠けたところがあって、
できないこともあるけれど、
周囲の人たちから好感を持たれ、
サポートを得やすい人もいる。

自分に欠落部分があれば、
他人が助けてあげよう
という気になり、
その人の不足部分に
他人が入ってくるようになる。

自分に協力してくれる人にも
別の面で欠落部分があるから、
それを自分が埋め合わせて
あげれれば、
どんなに素晴らしいことか!

お互いに
相手の苦手を自分の得意で
補い合う関係性ができれば、
チームを組んで
色々なことにチャレンジできる。

そうなれば、
素晴らしい才能の一人よりも、
チームのほうが
ずっとパワーを発揮でき、
より大きなこと、より立派な成果を
出すことも可能だ。

どんなに頑張っても
一人でできることは
たかが知れている。

2 頭の方が 1 頭よりも
より良い結果を出し
より大きな成果を得やすいのだ。

そう考えれば、
不足部分、欠落部分、短所、不得意は
悪いものではなく、
むしろあった方が望ましい。

このことを理解すれば、
自分の悪いところ探しで
一生懸命になり
見つけたものに嘆き
劣等感に苛まれることも
激減するに違いない。

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人間は誰でも
優れた面もあれば、
劣った面もある。

得意なこともあれば、
不得意なこともある。

できることもあれば、
できないこともある。

そして、人それぞれ
どんなことに長けているか、
どんなことを苦手とするかが
全然違うのだ。

人間皆が能力や才能、
性格や性質・資質において
デコボコとした存在だ。

そんな多種多様な人間が
同じ世界に住んでいるのは
とても興味深いこと。

世界中の皆が
全く同じことができて、
全く同じ性質を持っているのでは、
全然面白みもない。

私たち人間は
様々な側面を持つことを
自覚できれば、

たった一つの点で
他人と比較して
優越感に浸ったり、
劣等感を抱いたりするのも
意味ないことだと分かるだろう。

それよりも、
能力も性質も全く違う私たちが
それぞれのデコボコを
上手く組み合わせることで
協力関係のもと
意義あることに専念した方が、
ずっと建設的だ。

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好き・嫌いの点でも
人それぞれ全く異なる
好みがあるもの。

あなたが「あの人いいな~
あんな素晴らしいことが
できるから」と思っても、

すべての人が
あなたと同じように
感じるわけではない。

世の中には
あなたがステキだと思う人のことを
全然ステキだと思わない人も
いるからだ。

あなたは自分の中に
忌み嫌う部分が
あるかもしれない。

でも、実際には
あなたのそんな部分を
「この部分がいいね」と思う人だって
いるのが事実。

結局は好みの違いだけで
あなたがスゴイな~と思う対象が
どこの誰が見ても
スゴイな~と思う存在ではない。

このことを
しっかり覚えておけば、
劣等感を抱くことも
少なくなるはず。

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今回の話をまとめれば、
他人との比較により
劣等感に苛まれる人は、
次のことを心得るとよい。

1)自分自身も
羨ましく思う相手と
似たようなものを持っていたり、
そのようになる要素が
あったりすること。

2)スゴイな~と思う人よりも、
自分がより優れていることや、
より長けた点が
必ずあること。

3)欠点があるからこそ
他人が入ってくる余地もあり、
そこから協力関係が生まれることも
しばしばあること。

4)人の才能、能力、性格、資質などは
本当に多種多であり、
比較するのは意味のないこと。

5)好みも人それぞれ
全く異なるため、
自分の忌み嫌う部分を
好いてくれる他人もいるという事実。

6)同様に、
あなたにとってスゴイな~と思う人は、
すべての人からも同じように
思われているわけではないこと

以上のことに
気づければ、
他人と自分を比較して
悩むことも激減する。