慣れ親しんだ場所を離れ、
新しい環境で生活を始めたけれど、
なかなか馴染めない!
このような悩みを持つ人は、
少なくない。
そんな時、どうすれば
悩みを解決できるのか?
これが今回のテーマだ。
====
この世の中には、
新しい環境に順応しやすい人と、
そうでない人がいる。
この違いは「新規探索性」
と呼ばれる生まれつきの性質が
高いか、低いかで決まるのだ。
新規探索性は、
新しい状況や課題に直面した際、
自分の能力や知識を活かし、
問題解決を試みる行動や態度のこと。
新規探索性が高い人は、
新しい環境、新しい物事、
新しい人々に対して、
ワクワクしてたまらない。
未知の世界でも、
不安を感じることも少なく、
ストレスもほとんどない。
それとは逆に、
新規探索性が低い人は、
新しいことには
喜びを感じられない。
新しい環境や物事、
人々に対して警戒心を抱き、
不安になるたちだ。
こういうタイプの人には、
新しい環境は
大きなストレスの原因となる。
彼らは、
新しい人に出会っても、
「もしかしたら、
この人は私を嫌って、
私に敵意を抱くかもしれない」
などと考えて、警戒する。
そのため、なかなか
友達もできない。
新規探索性が低い人は、
新生活環境に入る際、
ちょっとしたきっかけにより、
鬱のスパイラルに陥ることも
珍しくない。
====
残念ながら、新規探索性は
生まれつきの性質だ。
嫌だと言っても、変えることは
なかなか難しい。
陽気で楽天的な人が多い
ラテン系の国では、
新規探索性が非常に高い人が
5人に1人の割合でいる。
それに対して、日本人の中で
新規探索性が高い人は、
100人中たったの1人だけ。
つまり、
日本人は遺伝的に
新規探索性が低い人が多い
ということになる。
生まれつきであり、この性質を
変えるのはほぼ不可能だ
と聞けば、がっかりするだろう。
でも別の見方をすれば、
そういう性質であることは、
私たち個人のせいではない。
自分が悪いことや
望ましくないことをしたから、
そうなったわけではないのだ。
生まれ持った性質に
文句を言ったところで、
どうにもならないだろう。
そういう風に
生まれてしまったので、
仕方ないと思えば、
諦められる。
しょうがないと思い、
その性質を受け入れるのが
一番よさそうだ。
====
ここからが大切な話。
新規探索性が低くても、
ちょっとしたコツを身につければ、
未知の領域にも躊躇せず、
環境の変化に対しても
スムーズに適応できるようになる。
そのコツとは、
新しい環境と、
慣れ親しんだ環境との間に
何か共通するものはないか?
共通点を探すことだ。
なぜ共通点探しが有効なのかは、
人間脳の性質を理解すれば
分かりやすい。
一般的に、人間脳は
新しいものを嫌う傾向にある。
今までちゃんと
生きてこれたのは、
今までのやり方が
良かったからだと考えるからだ。
よって、今後も
同じようにやりたいと
思ってしまう。
安全なものを捨て、
新しいことに挑戦するのは
危険が伴う。
リスクを取ってまで、
新しいことをしたくないのが
人間脳の自然な傾向だ。
この特性を理解して、
脳を騙すことができれば、
新しいことに対する恐怖心も和らぐ。
そのために、
脳に新しいものを
新しいと感じさせない工夫が
必要なのだ。
外国に転勤になり、
慣れない環境で生活する場合でも、
「よく見たら、日本にも
同じようなやり方があるよね。
こういう点では、日本と似ているね」
と共通点を見いだせれば、
脳は安心できる。
新しい人に出会って、
この人と一緒に仕事を
しなければならない時、
新しい人と、既にいる自分の友人を
比べてみて、共通点はないか?
探してみるとよい。
「ああ、この新しい人は、
こういう点で、私の昔の友達に
似ているな」と思えれば、
親近感が湧いてきて、
気持ちもラクになるからだ。
新しいものと、
慣れ親しんだものの中に
似たようなものが見つかれば、
不安や警戒心も軽減されて、
ラクに順応できるようになる。
====
今回の話をまとめれば、
慣れ親しんだ土地を離れて、
新しい環境に飛び込んだ時、
なかなか馴染めない!
と悩むことがあれば、
次のように対処するとよい。
まず最初に、そうなるのは、
生まれつきの性質なので、
「馴染めない自分は良くない」
と自分を責める必要はない。
日本人の大多数が
このような性質を持つので、
「仕方ない」と諦めて、
その性質を受け入れること。
その上で、
慣れ親しんだことと、
新しいことの間に
何か共通点はないか?
を探してみよう!
全く同じでなくても、
類似点や、似たような特徴は
探してみれば、けっこうある。
「こういう点で
昔のものと似ているな」
と思えれば、新しいものでも
少しは親近感が湧いてくるものだ。
新しいチャレンジをする時や、
新しい環境に入った時には、
共通点探しを意図してやろう!
新しいものの中にも、
自分が慣れ親しんだ要素を
見い出せれば、
恐怖心も払拭できる!
気軽に実践できるので、
ぜひ試してみてね!