今回は、
「ポジティブになりたい!」
と思っているのに、
なかなかなれない人に向けた話。
そう思うあなたは
ネガティブ人間なのだろう。
「ポジティブは良いことで、
ネガティブは悪いことだ」
という社会風潮があるから、
ポジティブになれるよう
頑張っているのだろう。
それでも、やっぱり
ポジティブにはなれない!
頭の中は
ネガティブ思考でいっぱいだ!
「そんな自分はダメな人間だ」
と情けなく
感じているかもしれない。
今回の話は、
そんなあなたに
聞いて欲しい内容だ。
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話を進める前に、
「ネガティブは
必ずしも悪いことではない」
ということを確認したい。
もともと人間は
ネガティビティバイアスがある。
それは、
人間の長い歴史の中で
生き残りに必要だったから、
私たちに自然に備わったもの。
また、この世界は、
ポジティブとネガティブの
両方から成るものだ。
ネガティブは
あってはならないことだ
と否定すること自体、
不自然であり、理にかなっていない。
よって、
ネガティブを悪者扱いして、
廃除しようと
しなくてもいいはずだ。
しかし、
ネガティブに偏りすぎて、
ネガティブなことばかりを
考えるのも、望ましくない。
なぜなら、
ポジティブなことも
ネガティブと同じ量だけ
存在するからだ。
要は、
ポジティブとネガティブの
バランスを取るのが大切。
ネガティブ側に
傾きすぎている場合は、
少しポジティブの方向へ
意図して自分を誘導するとよい。
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ネガティブ思考が強くて、
ポジティブになれないと嘆く人は、
感情をコントロールしようと
頑張っていることが多い。
悲しくてツライのに、
ムリに作り笑顔をしたり、
気分が落ち込んでいる時に、
明るく振る舞おうと努力する。
でも、これは上手く行かない。
感情は自然と沸いてくるもので、
コントロールするのは
不可能だからだ。
怒りの感情も、悲しみの感情も、
嫉妬の感情も、恐れの感情も、
すべて自然に出てくるもの。
抑えつけようとしても、
ムリがあるから
できないのだ。
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では、どうすればよいか?
「感情」自体は
コントロール不可能でも、
「思考」は私たちが
コントロールできるものだ。
「思考」と「感情」は
切っても切り離せない関係。
思考により、
感情が生じるからだ。
暗いことばかりを
思考していれば、
当然、ネガティブ感情が湧いてくる。
逆に、明るく楽しいことを
考えていれば、
それに応じて感情も
明るく、楽しいものになる。
「気分が落ち込む」と感じた時には、
今自分が何を思考しているか?
意識するとよいだろう。
今思考していることが、
自分を不快な気持ちに
させるのならば、
その思考はやめて、
別の思考に変えるとよい。
自分の気分が
上向きになるような思考に
取り換えるのが、望ましい。
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でも、そうは言っても、
ネガティブな人が、
ネガティブ思考から
ポジティブ思考へ
切り替えることは、なかなか大変。
なぜなら、
ネガティブ思考することに
すっかり慣れているからだ。
そんな場合に
次のことを覚えておけば、
役に立つ。
この世の中には、
ポジティブとネガティブが
同じ量だけあり、
ポジティブとネガティブが
グルグル回って循環している。
ある瞬間、
ある特定の部分だけを見れば、
ネガティブの方がポジティブよりも
多かったりすることはある。
そして、その逆も然りだ。
しかし、より広い視野で、
より長い視点で観察すれば、
ポジティブとネガティブは
同じだけ存在する。
どんな出来事も、どんな現象も、
この世の中で起きることは
良い面と悪い面の両方がある。
表面上は
悪い出来事に見えても、
視点を変えれば、
良い面も必ずあるはず。
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たとえば、
東日本大震災のような自然災害。
地震や津波により
多くの人々が犠牲となった。
生き残った人も、
住む家を失ったり、
仕事がなくなったり、
衣食住という基本的な生活が
満たされない状態になった。
この出来事を考えれば、
誰もが口を揃えて「悪いこと」
というはずだ。
でも、
こんなに悪い出来事でさえ、
良い面も存在する。
地震の影響を受けなかった人々が
被災地の生活支援のために、
水や食料を運んできたり、
ボランティアで寄付金を集め、
被害者に
経済援助をする動きも見られた。
普段人助けをしない人や、
協力的でない人たちも、
この災害により「助け合い」
の精神を学ぶことができた。
多くの人々がチームとなり、
協力しあい、苦境を脱する
大きなチャレンジに挑んだのだ。
そういう点では、
自然災害を経験することは
プラスになったと言えるだろう。
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リストラに遭い、
仕事を失った人にとっては、
リストラは悪い出来事だ
としか思えない。
しかし、
もっと長い目で人生を見つめれば、
リストラは必ずしも
悪いことではない。
ツライ中でも
「本当に自分は何をしたいのか?」
を考えて、人生を軌道修正する
機会を与えてくれる。
リストラがあったからこそ、
後にもっと条件の良い仕事が
できるようになった人もいる。
一時的には「ツイていない!」
と嘆いたことでも、
暫く経ってから、「このお陰で
自分はより良い状態になれた」
と喜ぶことも、珍しくない。
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ネガティブ思考をして、
ネガティブな感情で
自分自身を苦しめてしまう人は、
自分はどんなことでも、
悪い面にフォーカスを当て、
良い面を見ない傾向がある
と気づくことが重要だ。
気づいた後は、
意識して物事の良い面にも
目を向けるとよい。
今まで悪いことばかりに
焦点を当ててきたから、
良いことを見つけるのは
簡単ではないかもしれない。
でも、意図して
良いところ探しをすれば、
意外にも良いことも
けっこうあるものだ。
最初のうちは
こじつけでもいいから、
とにかく良いことを
意識的に探してみること。
良いことが見つかれば、
良い思考もしやすくなる。
そして、
良い思考ができれば、
それに伴う感情も
良いものになるはずだ。
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気分が落ち込んだ時には、
自分にこう質問してみよう。
「今私が考えていることは、
自分にとって役立つものか?」
もし、その答えがノーならば、
もっと別の思考をして、
自分の気持ちが良くなることを
考えた方が賢明だ。
「自ら思考を選ぶこと」。
これは私たちがコントロール
できるものだ。
自分の気持ちを
暗くさせる思考はやめて、
心地良くしてくれるものに
切り替えた方が、自分のため。
その際、どんなことでも、
ポジティブ面とネガティブ面の
両方が存在することを
覚えておけば、役に立つ。
一見ネガティブに見えても、
視点を変えれば、
ポジティブなこともあることを
思い出そう!
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今回の話をまとめれば、
ネガティブな人は
物事のネガティブな側面に
焦点を当てる傾向がある。
良くないことを見て、
良くない思考をして、
良くない感情を誘発してしまう。
しかし、
本当はどんなことでも、
良い面と悪い面の両方がある。
そのことを意識して、
常に出来事の様々な側面を
見るように努めれば、
大きなネガティブに
襲われることも少なくなる。
感情は自然に湧くもので、
コントロール不可能でも、
思考は自分で選ぶことができる。
思考が感情を
誘発することを知り、
自分が良い気分になれる思考を
意図して選ぶことが重要だ。
「こう考えれば、
自分の気分も良くなる」
という思考をすることが、
ネガティブ側に偏りすぎている人が、
ポジティブ側に向かうのに
役に立つ方法だ。
もう一度確認のため。
ネガティブは
否定しなくてもいいけれど、
ネガティブに偏りすぎはNGだ。
ネガティブばかりになったら、
自分をポジティブ側に
誘導するのに役立つ思考を
意図して選ぶこと。
そして、ニュートラルな位置に
自分自身を戻そう!