今回の話は、
究極のポジティブシンキング
について。
この姿勢で生きれば、
心の平安を保ちつつ、
より良い結果を
出しやすくなる。
なぜ、そうなのか?
その理由は、
この姿勢では、
ポジティブ側に傾くこともなく、
ネガティブ側に傾くこともなく、
ニュートラルの視点で
幅広い観方をして、
バランスが取れるからだ。
心も落ち着きやすく、
穏やかな気持ちで
過ごしやすくなる。
いったい、どういうことなのか?
詳しく解説したい。
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こんな人に出会ったことは
ないだろうか?
超前向きで、
物事のポジティブ面に
焦点を強く当て、
超明るく、超楽観的。
とてもパワフルで、
エネルギッシュで
元気いっぱい!
その人の近くにいれば、
自分までパワーを
わけて貰えそうだ。
ポジティブ度合いが
かなり高くて、傍から見ても、
「すごいな~」と感心する。
しかし、ある日突然、
超ポジティブだった人が、
急に落ち込み、
根暗な状態になっていた。
元気な時と、
そうでない時とのギャップが
あまりにも大きすぎて、
ショックを受けることもしばしばだ。
しかし、これは
「超ポジティブ人間」の
あるあるだと言える。
この世の中に
こういう人は
意外にも多くいるもの。
ポジティブで超ハイになる時と、
ネガティブで超ローになる時を
繰り返しているようだ。
ポジティブな時に
その人に会えば、
「なんて前向きで
素晴らしい人なんだ!」
と良い印象を受ける。
しかし、別の時には、
しぼんだように元気がなくなり、
まるで別人のようだ。
同じ人なのに、
なぜ、そんなことが
起きるのか?
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実は、
「ポジティブ万歳!」と言って、
ポジティブシンキングを
強調しすぎる人は、
自分の心の奥底では
ネガティブの塊を抱えている。
でも、本人は
そのネガティブを
受け入れられず、
否定したい気持ちが強い。
なぜなら、
ネガティブは悪いもので、
ポジティブが素晴らしい
と信じ込んでいるからだ。
そのため、
自分の心のどこかに隠れた
ネガティブを埋め合わせるのに、
一生懸命
ポジティブを振る舞い、
必死になっている。
その頑張りようが
あまりにも極端なので、
「この人すごい!」
と外の人には見えるのだ。
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興味深いことは、
そのポジティブは
ずっとは続かないこと。
なんらかのきっかけで、
ある時、ドカーンと
大きく急降下する。
かなり凹んで、根暗になり、
それまでの元気は
いったいどこへ消えたのか?
不思議なくらい落ち込む。
その落ち込み具合は、
ポジティブな時に上がり具合が
大きければ大きいほど、
ネガティブになった時にも
同じくらい大きく下がる。
このことを説明するのに、
振り子の振れ幅を考えれば、
分かりやすい。
振り子は、右と左と
両方向にほぼ同じふり幅がある。
右側に大きく振れれば、
その後は、左側にも
同じくらいの大きな振れ幅がある。
ポジティブシンキングを掲げる人は、
ある時期、ポジティブ側に
大きく傾くが、
暫くすれば、ネガティブ側にも
同じくらい大きく
傾いてしまう。
ポジティブ側だけに、
または、ネガティブ側だけに、
居続けることはない。
ポジティブとネガティブの間を
行ったり来たりしているのだ。
ポジティブになった時だけ
その人のことを見れば、
「なんて前向きな人だろう!」
と感心するが、
実は、それは違って、この人は
ネガティブ側にも大きく
傾きやすい。
こういうのは、
偽りのポジティブシンキング
とも呼べる。
なぜなら、自分の心の内にある
ネガティブを隠すのに必死で、
頑張ってポジティブを
装っているからだ。
表面的には、
ポジティブに振る舞っても、
心の内には
大きなネガティブが潜んでいる。
本人はポジティブシンキングの
つもりでいても、
これは本当の意味では
ポジティブシンキングだと言えない。
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それでは、
真のポジティブシンキングは
どのようなものか?
それは、この世の中の
真の姿を正しく理解して、
幅広い視野を持ち、
バランスの取れた考え方が
できる姿勢のこと。
この世の中の真の姿は、
総括的、全般的に観れば、
本質的にはネガティブ50、
ポジティブ50の
エネルギーバランスのある状態だ。
時にはネガティブの方が
80くらいになり、
ポジティブが20に落ちることもある。
しかし、その状態はずっと続かず、
暫くすれば、
ポジティブが徐々に大きくなり、
ネガティブが減ってくる。
ネガティブもポジティブも
常に変化していて、
グルグルと回っているのだ。
長期的に幅広い視野で観察すれば、
全体的には50:50といった感じだ。
つまり、ポジティブもネガティブも
同量だけ存在していて、
上手くバランスを取っている。
真のポジティブシンキングが
できる人は、
決してネガティブを否定しない。
ポジティブも、ネガティブも
両方あることを受け入れている。
ポジティブは良いもので、
ネガティブは悪いものだ
とジャッジすることもない。
それよりも、
ポジティブとネガティブと
ありのまま満遍なく見る姿勢で、
どちらかに偏ることなく、
バランスが取れる。
このようなバランスある姿勢が
一番望ましい。
なぜなら、この姿勢では、
幅広い視点で物事を観察して、
正しい判断、適切な選択が可能となり、
ベストな結果を得やすくなるから。
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自分の性格が気に食わず、
嫌だと嘆く人がいる。
そういう人の話を聞けば、
自分の性格について、
悪い点ばかりを次から次へと述べる。
しかし、その人は本当に、
悪い性格ばかりで
何も良い面はないのか?
悪い面も確かにあるだろうが、
そればかりではないはずだ。
単にその本人が
自分の良い面に気づいておらず、
悪い面だけに焦点を当て、
強調しているだけ。
悪い面にフォーカスを当てれば、
その面だけが大きく見えて、
良いことがあっても、
隠されてしまう。
主観的には
「自分は性格が悪くて嫌!」
と情けなく思っても、
客観的には、
そんなことはない。
悪い面は確かにあっても、
ネガティブ50、
ポジティブ50の半々が
実際のところだろう。
自分の周囲を見渡せば、
自分を応援してくれる人もいれば、
嫌がらせをして、
足を引っ張る人もいる。
自分にとって都合の良い人と、
悪い人は、人数的には
同数でないかもしれない。
しかし、エネルギー的には、
自分を応援してくれるエネルギーは50。
自分の足を引っ張るエネルギーも50。
だいたいバランスが
取れているものだ。
ニュースを見れば、
世の中では悪いことばかりが
起きているように感じられる。
しかし、メディアは
ネガティブなニュースばかりを
意図的に報道して、
視聴者数を獲得しようと努めている。
人間はポジティブなことよりも、
ネガティブなことに
強く反応しやすいからだ。
実際には、悪いことはあっても、
良いことも同じくらい
起きているのが事実。
本当はポジティブもネガティブも
同量存在するのに、
ネガティブなことだけしか
見ていない人も多い。
これでは
正しい事実を見ていないので、
正しい判断も不可能だ。
良いことばかりが
目につく人も同様で、
自分の錯覚、偏った認知により、
良いことしか見ていない。
実際にはネガティブなことも
存在するのに、
それが視界に入っていないのだ。
これも歪んだ現実を見ることになり、
適切に正しい判断ができなくなる。
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究極のポジティブシンキングとは、
ポジティブにも、ネガティブにも
偏っていない姿勢だ。
両方が満遍なく見える状態
とも言える。
つまり、ニュートラルなマインド
を持っていること。
良いこともあるけれど、
悪いこともある。
ポジティブなエネルギーも
あるけれど、
ネガティブなエネルギーもある。
両方を否定することなく、
ニュートラルな姿勢で
物事の様々な側面を観察して、
歪みのない状態で見れることだ。
ポジティブとネガティブと
両方ありのまま受け入れれば、
上手にバランスも取れて、
ベストな結果を生みやすい。
なぜなら、それが
この世の真の姿であり、
正しく判断しやすくなるからだ。
良いこと続きで、
ちょっと自分はハイになりすぎた
と自覚できたら、
一旦立ち止まって考えるとよい。
今の状態は良いことばかりだが、
この中にもネガティブな側面は
ないだろうか?
自問自答してみるのだ。
ネガティブ面を探すことで、
ポジティブに偏りすぎた今の状態を
ニュートラルな位置に戻せる。
そうすることで
ポジティブになりすぎて
横柄になった自分を
謙虚な方向へ導びくことも可能だ。
楽観的になりすぎた自分に対して
警告サインを出して、
起こり得る悪い事態を
避けることもできる。
そのままポジティブに
大きく傾きすぎて、
何も調整しなければ、
ある時、「これは違うよ」
というメッセージが
望ましくない出来事の形で
襲ってくることになる。
そうなる前に、
自分でバランスを取っておけば、
大きな災難も防げるだろう。
逆に、悪いこと続きで、
気分が落ち込みすぎた場合には、
意図してポジティブ面にも
目を向けるようにするといい。
確かに悪いことはあっても、
良い面も存在すると確認できれば、
不必要に凹むこともない。
この世の中も、人間も、
起きる出来事も、自分自身も、
総括的に、全体的に見れば、
すべてがポジティブ50、
ネガティブ50の同量だ。
ポジティブにも偏りすぎず、
ネガティブにも偏りすぎず、
両方を受け入れて、
ニュートラルな視点で
色々なことを見て、判断する。
このような姿勢では
日々起こる出来事に
一喜一憂して、
感情が揺れ動くこともない。
よって心の平安も
得やすくなる。
これこそが
究極のポジティブシンキング
なのでは? と私は考えるのだ。