良い謙虚さと悪い謙虚さ: 自分と子どものための言葉選び

今回は、「謙虚さ」には、
良い謙虚さと悪い謙虚さがある
という話をします。

良い謙虚さは、積極的に
実践することが望ましいですが、
一方で、悪い謙虚さは
できる限り避けるべきだ
という内容になります。

このことは、
ニュージーランドの人に指摘されるまで、
私自身も気づかなかったことです。

しかし、今になれば、
とても重要なことだと感じています。

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謙遜には良いものと悪いものがある!

日本では、
謙虚さを重んじる文化が
深く根づいており、
謙虚な態度を尊ぶ風潮が、
多くの人々の間にあります。

謙虚な人は、しばしば
素晴らしい人間として
高く評価されがちです。

確かに、謙虚な姿勢は重要ですが、
その真意を誤解すると、
思わぬ結果を引き起こす
可能性もあります。

私自身も、日本で生まれ育ち、
謙虚さや謙遜を身につけてきました。

ニュージーランドへ移住したあとも、
この謙虚さを維持し、
自然と謙虚な言葉遣いをしてきました。

しかし、ニュージーランドで
カウンセリングを受けた際、
カウンセラーから悪い謙遜は
避けるべきだと助言を受けました。

悪い謙遜があると、自分自身を
不利な状況に追いやるリスクが
あるためです。

この経験を通じて、
謙遜には「良い謙遜」と「悪い謙遜」
があることを学び、
謙遜する際には
注意するようになりました。

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悪い謙遜とはどんなもの?

まず、私がかつて繰り返していた
「悪い謙遜」についてお話しします。

それは、自分自身に対して
否定的な言葉を使って
謙遜するタイプです。

たとえば、誰かに「素晴らしいですね」
と褒められた際、
「いえいえ、私は全然できません」とか、
「とんでもないです、私はダメなんですよ」
と返すのがその一例です。

この種の表現は、
日本では一般的に問題視されません。

むしろ、自信過剰を避ける
謙虚な姿勢として
高く評価されることもあるでしょう。

しかし、ニュージーランド人の視点では、
自己否定的な表現を使って
謙遜することは
必ずしも良いとは考えられません。

その理由は、
自分の価値を下げるような言葉を
使うことで、自身のセルフイメージに
否定的な影響を及ぼすリスクが
あるからです。

「私はできない」とか、
「私はダメです」といった言葉を
繰り返し使うと、
たとえそれが謙遜の意図であっても、
自分自身のセルフイメージを貶め、
長期的に見て自己評価に
悪影響を与える恐れがあります。

これは行動にもマイナスの影響を及ぼし、
ネガティブな言葉が
実際の行動を妨げることに
なりかねないのです。

「自分はできない」という言葉が
無意識に刻み込まれれば、
自信の喪失や行動力の低下を引き起こし、
人生の好転を困難にして、
自分自身を不利な方向に
導くことになるかもしれません。

言葉には、そうした大きな影響力が
あるのです。

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自分だけでなく子どもに対しても注意が必要

この問題は、自分自身に限らず、
子どもにも当てはまります。

たとえば、
親が自分の子どもがいる前で
「うちの子はできないんです」とか、
「全然ダメですよ」と言う場合、
子どもは「自分は不十分なんだ」
と思い込むリスクがあります。

親の言葉は
子どもにとって非常に重要であり、
大きな影響を与えるため、
特に注意が必要です。

親は本心では
子どもがダメだとは思っておらず、
単なる謙遜のつもりで
何も悪気はないのですが、
子どもの自己イメージ形成に
悪影響を与える可能性があるため、
言葉選びには慎重になるべきです。

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奨励されるべき「良い謙遜」とは?

「良い謙遜」とは、
自己否定的な表現を避け、
感謝の心を忘れない謙遜の方法です。

「おかげさまで」という意識を
持つことが重要です。

私たちの生活は、
多くの人々の支援によって
成り立っており、
この事実を忘れてはなりません。

これは目に見えないことが多いですが、
周囲の人々や環境からの
恩恵があってこそ、
現在の自分が存在しているのです。

何かで成果を上げた際に
「素晴らしい成果ですね」と褒められたとき、
「いえいえ、そんなことはありません」
と否定するのではなく、
「ありがとうございます。
周りの皆さんの支えがあって
ここまで来れました」と答えることが
良い謙遜の一例です。

直接的な協力がなくても、
成果を出すための環境や要因が
整っていたことへの
感謝の気持ちは大切です。

成功を謙虚に受け止め、
その裏にあるサポートに
感謝することが
求められているのです。

このように、「おかげさまで」
と感謝を示すことは、傲慢にならず、
他者からの反感を買わない
望ましい表現と言えます。

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まとめ: 自分自身をより良い方向に導くために

私たち日本人の中には、
自分を否定する言葉を用いて
謙遜することや、
謙虚な態度を示すことが
習慣になっている人も
少なくありません。

多くの人たちが当たり前のように
行っているため、
これが一般的になっていますが、
海外の人々にはこのような態度が
不思議に思われることもあります。

今回の話をまとめると、
否定的な自己表現による謙遜は
望ましくなく、反対に
感謝の気持ちを持ちながら
謙虚さを示すことが
良い謙遜と言えます。

否定的な謙遜は
無意識にネガティブな影響を与え、
自分自身を不利な方向に
導くリスクがあるため、
意識して控えたほうがよいでしょう。

自分自身だけでなく、
自分の子どもに対しても
十分注意が必要です。

悪い謙遜を避け、良い謙遜を
積極的に行うことで、
自分自身や子どもたちを
より良い方向に導きましょう!

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