今回のテーマは
今までやったこともないことを
「やってみたいな~」と感じた時は、
そのことを始める適齢期なので、
躊躇せずに、今から始めてみようという話。
精神科医・樺沢紫苑先生のトークを参考に
お話したい。
よく耳にするのは、
「若い頃にあれをやっておけばよかった」、
「学生時代にこのスキルを
マスターしておけばよかった。
でも、もう年だから、今更ね。。。」
というような言葉だ。
年を取れば、若い頃にできたことも、
できなくなると信じている人も多い。
しかし、樺沢先生によれば、
身体能力は年齢を重ねるにつれて
衰えてくる事実はあるが、
脳の能力は必ずしもそうではないそうだ。
高齢であっても、日々、頭を鍛えていれば、
脳はどんどん進化して、
頭は良くなっていくとのこと。
BDNFという
神経細胞を活性化する物質があり、
その物質が沢山分泌されれば
神経の分化や連結を増やして、
網の目のように脳の回路を広げる。
40代、50代、60代になっても、
脳は進化し続けられるそうだ。
BDNFが出るためには、
定期的な運動が必要。
それと同時に、健康的な生活習慣や
きちんとした睡眠習慣も役に立つ。
知的な刺激に適度に触れて、
脳を常に使うよう努めていれば、
幾つになっても脳を若々しく保てるのだ。
一昔前の脳科学では、
20歳になると脳細胞ができあがり、
それ以降は脳細胞は衰える一方だ、
と言われていた。
おそらく、「もう年だから、今更ね」
と残念がる人は、この古い情報に従って、
こういう風に言うのだろう。
しかし、脳科学研究が進むにつれて、
今では、これは間違いだったと判明した。
それよりも、年齢には関係なく、
脳を鍛えて行けば、それなりに
脳も進化し続けると分かったのだ。
なんて、励みになる情報か!
普段はほとんど運動しない人が、
ある程度年を取ってから
いきなり「オリンピックの選手になろう」
と目指しても、ムリがあるだろう。
しかし、大抵の知的活動は、
「これ面白そう。やってみたいな」と感じた時が、
それをやるのに一番適切な時期だと言える。
「若い頃にやっておけばよかった」
と言っても、若い頃は若い頃で
そのことには興味がなかった。
その時には、他のことに興味があり、
その他のことをやっていただろう。
興味がない時に、興味がないことをやっても、
身につくはずがない。
やってみたいと感じた時が、
その本人にとっては、
挑戦するのに一番良いタイミングだ。
50代後半の海苔漁師のおじさんが
リストの超難関曲「ラ・カンパネラ」を
ピアノ演奏するのを、私は動画で見た。
このおじさんは、
それまでピアノを習ったこともなかった。
ある日、テレビで見た
フジコヘミングさんによるこの曲の演奏で、
おじさんは非常に感銘を受けて、
「自分も弾けたらステキだな」と思ったのだ。
そこから彼の挑戦が始まった。
ネット上でピアノの弾き方を調べて、
独学により、何年かかけてこの曲をマスターした。
こんなに高齢になってから、
今まで全然やったこともないことを
独学で習得することは、
普通の人には「ムリだ」と感じられる。
しかし、このおじさんは
実際にこの超難関曲を弾けるようになった。
ムリではなかったではないか!
「もうムリだ」と思えば、
挑戦することもないから、
当然、できるようにはならない。
しかし、「いつかは自分も」と信じて、
コツコツ練習を続ければ、
いつかはできるようになる日が来る。
脳は鍛え続ければ、ずっと進化してゆける、
と知っているか、いないかでは、
自分の気持ちも大分違う。
「20歳以降は、脳細胞は死んでいくだけ」
と思えば、もう諦めるしかないと考える。
しかし、「自分次第で脳を成長させられる」
と知れば、自分がやりたいことを
今からでも、やってみようという気になれる。
この新しい脳科学情報が
より多くの人々に知れ渡り、
「もう年だから、今更ね」
と言う人が少なくなれば、と祈るばかりだ。
同じことを挑戦するにも、若い頃のほうが
マスターするスピードも速いと言われている。
しかし、これも必ずしも正しくはない。
樺沢先生によれば、
物によっては、年を取った時のほうが
早くできることもある。
例えば、資格試験のための勉強が良い例だ。
学生の頃には、試験対策や準備方法がよく分からず、
効率よくできなかったので、時間もかかった。
しかし、学生のうちに受験を通して、
試験対策のコツも身についたので、
大人になってからのほうが、
効率よく資格試験に臨める場合も多い。
そう考えれば、一概に
年を取っているから不利なんだ
と思わなくてもいい。
自分が「面白そうだ。やってみたい」
と感じた時には、
興味があることなので、
同じ学習をするにしても、
どんどん身についてゆくものだ。
「若いうちにやっておけば。。。」
と後悔するのではなく、
そういう気持ちがあるのなら、
今からでも遅くない。
是非、今日から始めてみよう!
樺沢先生が仰る通り、
適度な運動を日常生活に取り入れ、
質の高い睡眠をきちんと取り、
健康的な生活習慣を心がけるのは重要だ。
それと同時に、常に自分の好奇心に任せて、
やってみたいことは、やってみること。
そのような姿勢で生きていれば、
実年齢を重ねても、
脳の状態を若々しく保てるようになる。
後悔の気持ちで残念がる暇があるなら、
即、やりたいことを実践してみよう。
現在の脳科学によれば、
年をとっても、自分次第で脳を進化させられる。
このことを知るだけでも、
大きな励みになるだろう。
樺沢先生、役立つトークを
有難うございました。
参考動画:「人生のやり直しは何歳から間に合う?」
(ユーチューブ 精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル)