自分の短所が嫌でも、短所をなくそうとしない方がよい理由

今回は、
自分の短所が嫌でも、
短所をなくそうとしない方が
よい理由について。

先に結論を言えば、
その短所を消すことで、
長所までが
失われてしまうからだ。

なぜそうなのか? 解説したい。

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自分の性格や性質で
短所の部分は消して、
長所だけを活かしなさい
と言う人がいる。

でもよく考えれば、
これはオカシナことだ。

なぜなら
長所と短所は表裏一体だから。

たとえば、
「優柔不断」という性質は、
ぐずぐずしていて
物事の決断が即できない
という短所の部分がある一方で、

何事にも慎重で注意深く、
観察力も高く、
様々な可能性を配慮できる
という素晴らしい長所の部分もある。

「面倒見がよい」と聞けば、
親切で、人に気配りできたり、
他人を助けりするのが上手だ
というポジティブな響きがする。

でも、傍から見れば、
お節介だったり、
他人を助けるのに一生懸命で、
自分のことがきちんとできなかったり、
とネガティブ面もある。

どんな性格、性質でも
必ず良い面と悪い面と
両方が存在するのだ。

どの角度から見るかによって、
短所になったり、
長所になったりするものだ。

そう考えれば、
短所である性格や性質を
取り除くことは、

同時に
その裏にある長所の部分も
失われてしまうということ。

短所だけが
なくなるのではなく、
長所も一緒に消されてしまうのだ。

それは勿体ないことでは?

よって、
自分の短所が嫌でも、
無理になくそうとしない方がよい。

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普段から早口で
次から次へと色々なことを
話す人がいる。

その本人によれば、
自然と早口でペラペラと
喋ってしまうそうだ。

でもそのことが嫌で、
彼女はある日、ゆっくり話すよう
意識して努めてみた。

しかし残念なことに
上手く行かない!

ゆっくり物を言おうとすれば、
頭の回転が止まってしまい、
話せなくなってしまうからだ。

自分の自然な
スピーディーなテンポなら、
話しながら色々なアイデアや
発想も頭に浮かぶらしい。

でも、ゆっくりにした途端、
話しながら頭の中で
色々なことを組み立てて、
外に出せなくなってしまった。

つまり、「早口」という
短所をなくしたら、
素晴らしいアイデアや発想も
一緒に取り除かれてしまったのだ。

これでは本末転倒だろう。

それ以来、彼女は
自分の早口を
大切にするように
なったとのこと。

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どんな性格でも、性質でも、
見る角度を変えれば、
良いものになったり、
悪いものになったりする。

悪い面だけに焦点を当て、
「こんな性格の自分は嫌だ!」と言い、
その性格を取り除こうとするのは、
適切ではない。

その性格や性質を
なくす努力をするよりも、
その性格、性質がもたらす
マイナス面を最小限に抑えるよう
工夫した方が賢明だ。

天から与えられた
自分の性格や性質は
そのままでも、

工夫することにより、
それらがもたらす
望ましくないことを
なくしたり、減らしたり
することは可能だ。

たとえば、多動な人の場合。

落ち着きがなく、
じっとしていられず、
忘れ物が多いという
マイナス面がある。

また、多動のせいで
怪我することもしばしばだ。

その一方で、好奇心旺盛で
常に新しいものを求めて、
どんどん行動してゆける
プラスの面も見られる。

多動であること自体を
なくそうとするのではなく、
どうすれば
忘れ物を減らせるか?

どうすれば、
怪我することを減らせるか?

そちらの方を考えた方が
望ましい。

なんらかの工夫をすれば、
これらのマイナス面から受ける
良くないことも軽減できるからだ。

床の上にできるだけ
物を置かないようにしておけば、
つまずいて怪我することも
大分防げるだろう。

車も安全装置を充実させれば、
運転時の危険を
ある程度減らすことも可能だ。

忘れ物については、
携帯アプリを使用して、
毎回チェックする習慣をつけたり。

これはほんの一例だが、
自分の性格、性質の
悪い面から受ける良くないことを
意図して減らすよう
自分で考え、対策案を実践するとよい。

そうすることで、
マイナス面から受ける
ネガティブな影響も
なくしたり、軽減できるからだ。

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自分の性格や性質を忌嫌い、
それを取り除きたい!
と願う人がいたら、

どんな性格でも、性質でも、
良い面と悪い面の両方が
あることを思い出して!

嫌な性格や性質を
消してしまえば、
その良い面も
同時に失われてしまう。

そんなことに
時間や労力を使っても、
自分が想像するほど
良いことはない。

それよりも、
その性格、性質がもたらす
望ましくないことを
工夫により最小限に抑える方が
ずっと賢い。

どうすれば
マイナス面から出る
悪影響を防いだり、軽減できるか?

この性格でも、どうすれば
自分がより良く生きれるか?

そちらの方に
貴重な時間や労力を費やして、
自分が快適に活き活きと
生活できるよう努めよう!

天から与えられた
自分の性格や性質は
大事にしてあげることだよ!