一般的には、ポジティブ思考は
良いものだとされ、多くの人が
ポジティブ思考を取り入れて、
目的達成や日々の生活に
活かそうと努めている。
しかし、残念なことに
ポジティブ思考は
万能薬ではない!
盲目的に
ポジティブを追求するあまりに、
足を踏み外して、
間違った方向へ進むことも
珍しくないからだ。
今回の話は
ポジティブ思考の落とし穴
について。
どんな点に
気をつけたらよいのか?
をお話したい。
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ポジティブ思考とは、
前向きに、自信を持ち、
モチベーション高く、
積極的なプラス思考で考え、
行動することだ。
自己啓発やコーチングの世界では、
ポジティブ思考を
持つことが重要視されている。
ポジティブ思考で行動することで、
目標やゴールを達成する確率が高まり、
経済面でも豊かになれる。
また、ポジティブ思考は
心身の健康にも
貢献することが期待できる。
しかしながら、実際には、
ポジティブ思考だけが
成功や健康に直結するわけではなく、
成功できる人もいれば
できない人もいる。
また、ポジティブ思考によって
健康になる人もいれば、
不健康になる人もいる。
ポジティブ思考を取り入れても、
人生が良くならない人も
数多くいるのが現実だ。
なぜ、そうなのだろうか?
その理由は、
ポジティブ思考の落とし穴に
気づくことなく、
盲目的にポジティブ思考を
追いかけてしまうからだ。
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では、
ポジティブ思考の落とし穴とは
いったいどんなものか?
まず最初に
ポジティブ思考を掲げる人は、
物事をありのまま
観ない傾向にある。
ポジティブにこだわるあまり、
都合の悪いもの、
見たくないものを
そのままの状態では観ていない。
例えば、お腹が痛い時、
腹痛があっても
「こんなことで挫けたらいけない」
という気持ちが強すぎて、
お腹が痛い事実を
認めようとしないのだ。
苦しいのに
無理に健康を振る舞い、
我慢してしまう。
一時的な腹痛ならば、
これでもよいだろう。
しかし、
腹痛の原因が深刻な場合、
我慢して放置すると、
病気が悪化し、病院に行った時には
すでに手遅れになる可能性もある。
本来ならば、曲がったものは、
曲がったものとして、
また、真っすぐのものは、
真っすぐのものとして
見る必要があるのに、
ポジティブ思考が行き過ぎた人は
そうすることができない。
真っすぐが良い
とされている場合には、
曲がったものを見ても、
スルーしてしまい、
それを直視しないのだ。
そのため、様々な弊害が
生じることも少なくない。
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ポジティブ思考を奨励する人は、
望ましくないことから
目を背ける傾向にあるので、
悪い結果の原因を
探ることを怠る。
過度に
ポジティブ思考を奨励する人は、
問題の原因を分析しようとする
発想が足りない。
良い結果が出た時には、
自分のポジティブな思考や
取り組みが良かったと考え、
「自分の努力が報われた」と自負する。
そして、悪い結果が出た場合は、
「上手く行かなかったのは、
環境が良くなかったから」とか、
「一緒に仕事をしていた仲間が
悪かったから」と言い訳をして、
悪い原因と向き合うことなく、
逸らしてしまう。
確かに、悪い結果の原因に
真正面から向き合うことは
痛みを伴う行為だ。
しかし、悪い結果の原因を
正しく理解して、
今後はどうすればよいのか?
を考えなければ、
再び同じような過ちが起きる。
ポジティブ思考を
盲信的に追い求める人は、
悪い結果の分析をしないから、
真の意味での自己成長がない。
彼らは表面上は
ポジティブに見えても、
本当の意味では
ポジティブではないのだ。
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更に言えば、
「ポジティブ」という側面だけに
フォーカスが当たり過ぎて、
人生の目的を失う人さえいる。
どんなにポジティブにプラス思考で
ひたすら努力している人でも、
人生の目的が見えなければ、
間違った方向へ進む危険がある。
例えば、
詐欺まがいのビジネスで
儲けようとする人たち。
情報弱者をターゲットにして
できるだけ多くの人たちに
自分のサービスに加入して貰おう
と日夜頑張っている。
より多くの顧客を得るために、
お互いに競争して、
ビジネスで成功するために、
一生懸命必死にやっている時には、
なぜ自分がそんなことをしているのか?
ほとんど見えてない状態だ。
とにかくできるだけ
自分が経済的に豊かになれるよう
ポジティブな気持ちで頑張っている。
しかし、
いくら自分の懐が潤っても、
自分のしている活動により、
世の中では損して不幸になる人もいる。
最初のうちには
自分の努力も報われて、
ある程度の結果は出るだろう。
しかし、そのようなビジネスは
やがて陰りが見えてきて、
うまく回らなくなり、
やがては廃れてしまうものだ。
そうなって初めて、
今まで自分がやってきたことを
冷静に考えられるようになる。
「あの時、ポジティブに考えないで、
もっとネガティブに躊躇った方が
良かったのに……」
「なんであんな酷いことを
ポジティブな気持ちで
ひたすら頑張ったのだろうか?」
その後、大きな後悔に
苦しむ人もいるくらいだ。
目的が不確かならば、
いくらポジティブに頑張っても、
行く方向を間違えたり、
正しい道を踏む外すことも
多々あるのだ。
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多くの人たちが言うように、
ポジティブ思考は
優れた面があるのも否定はしない。
しかし、
盲信的にポジティブ思考を
崇拝することは危険だ。
なぜなら、ポジティブ思考には
落とし穴があるからだ。
ポジティブ思考が行き過ぎれば、
良くないことから目を反らし、
物事をありのまま
観れなくなることもしばしばだ。
結果として、悪い出来事の
原因分析もできなくなる。
失敗やミスから
学ぶこともなくなるので、
真の意味での自己成長も
期待できない。
また、
明確な人生の目的を分からずに
ポジティブだけに焦点を当てれば、
間違った道に
進んでしまうリスクもある。
ネガティブを悪者にして、
無視するのではなく、
きちんとネガティブにも
向き合う姿勢が大切だ。
悪いことが起きた場合には、
その原因を分析して、
再び同じことが起きないよう
対策案を講じて
実践することが必要だ。
とにもかくにも
ひたすらポジティブに頑張れば
よいというわけではないのだ。
どこへ向かって、何のために
ポジティブに一生懸命やっているのか?
それをはっきりさせた上で、
行動することが重要。
ポジティブに偏ることなく、
人生にはネガティブな側面も
欠かせないと受け止め、
それを大切な経験の一部として
認めることが、
真のポジティブ思考だと言える。
ポジティブ思考の落とし穴に
落ちないように気をつけよう!