人間は誰しもミスを犯したり、
勘違いをしたり、間違ったり、
忘れたりするものです。
そんな時、一言「ごめんなさい」
と謝ることができる人は、
恥ずかしい人でも、
情けない人でもありません。
むしろ立派で強い人なのです。
今回の話題は、
そんな素敵な人になろう
という内容です。
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昔、こんな出来事がありました。
一緒に作業する仲間が、
些細なミスをしました。
ミスと言うよりは、
最後の小さな締めの部分を
忘れていたのです。
その他の重要な部分は
完璧にこなされていました。
しかし、最後の見落としのせいで
システムはまったく
機能しませんでした。
チームの皆は、
「なぜうまく作動しないのか?」
と不思議に思い、それぞれが
さまざまなチェックをしました。
「おかしいな、
すべての設定は完了しているのに…」と、
しばらく誰も最後の部分に
気づきませんでした。
しかし、そのうちメンバーの一人が
「これまだ通常モードに
戻されていないよ」と言い、
最後のスイッチを元に戻して
問題が解決しました。
この仕事を担当した人が、
すべての作業を終えた後、
スイッチを元に戻すことを
単に忘れていたのです。
そんなに大したことでは
ありません。
ただ、チーム全員の時間を
少しでも無駄にしたことは確かです。
こういう場面で、
ミスをした人が一言「ごめんなさい」
と言ってくれれば、
気分も良かったでしょう。
しかし、
その言葉はありませんでした。
それどころか、変な理屈をこねて
システムのせいにして、
自分の過失を認めませんでした。
私を含め、他のメンバーも
なんとなく嫌な気分になりました。
なぜ彼はお詫びの一言が
言えないのでしょうか?
たとえちょっとしたことでも、
メンバー全員の時間を
奪ったことは確かです。
些細なことでも、
他人に迷惑がかかった場合は、
謝るのが当然ですよね。
しかし、彼は自分が常に正しい
という態度を崩さないようです。
おそらく、彼のプライドが
高すぎるのでしょう。
変なプライドがあるため、
自分が間違えたり、
何かを忘れていたりしても、
他人の前で
それを認めたくないのです。
実際は彼自身が悪いのに、
システムのせいにして
自分のプライドを守ろうとしている彼は、
そのような振る舞いで
外面上は立派な人のつもりです。
でも、私には残念な人に思えて、
立派さからはほど遠い
と感じられました。
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人間である以上、
私たちは誰もが
ミスをするものです。
些細なことを
忘れてしまうことも
珍しくありません。
一日の中で、何度か
小さなうっかりがあっても、
全く不思議ではないでしょう。
特に複数のことを
マルチタスクで行う場合、
小さなことを忘れることは
頻繁に起こります。
よって、小さなミスが起きても、
目くじらを立てずに、
自分自身と周囲に対して
寛容な気持ちを持つことが重要です。
ただし、自分のミスによって
誰かに少しでも迷惑がかかった場合は、
一言「ごめんなさい」と謝るべきです。
自分のミスでありながら、
他人や環境のせいにして
自分の過失を認めず、
言い訳してごまかす人は、
とても残念な印象を与えます。
本人は自分は間違いをしない
立派な人間だと振る舞っていても、
実際にはこのような人は
立派でも強くもありません。
本当の意味で立派で強い人は、
自分がミスした時には
それをきちんと認め、
他人に対しても謙虚に
謝罪することができます。
自分のせいで不都合が生じ、
誰かに悪影響を与えた場合は、
変なプライドは捨てて、
一言謝罪する方が
他人からも信頼されるでしょう。
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このことは
親子関係でも言えることです。
親は子供よりも
長く生きているため、
人生経験も豊かで知恵も豊富です。
それゆえに
子供を指導する立場にあります。
特に子供が小さなうちは、
これは確かなことでしょう。
親は自分が正しくて
子供が間違っている
と思うことも多いですが、
時には親自身が間違うこともあります。
そんな時、親は子供に対して
素直に謝ることができるでしょうか?
親は、親の威厳を
子供に見せなければならない
と信じ込んでいる人がいます。
そんな人は、
自分が間違っていても
そのことをごまかしたり、
なかったことにしたりしてしまいます。
自分が悪くても、子供には
絶対に謝りたくないからです。
謝れば自分の負けを認めたことで、
そんな情けないことは
したくないと思うのです。
謝れば自分の尊厳が
失われてしまうとさえ
感じています。
しかし、
子供も馬鹿ではありませんから、
親がごまかしたり
なかったことにしたりして
自分の非を認めないのは
正当ではないと分かっています。
そんな親に対して
尊敬したり信頼したりする気持ちは
失われてしまうものです。
自分の威厳を守るために
自分は絶対に正しい
と偉そうに振舞う親がいれば、
子供は反発心を抱くかもしれません。
残念ながら、
自分の威厳を守るために
自分の間違いを認められず、
子供に一言「ごめんなさい」と言えない親は、
立派でも強い人でもなく、
残念な親と言えるでしょう。
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今回の話をまとめると、
ミスや間違い、勘違い、
忘れることは
私たち人間は誰でもあることです。
よって、誰かがミスしたときには、
目くじらを立てて
怒る必要はありません。
「まあ、しょうがないよ。お互いさま」
と他人のミスにも
寛容な姿勢を持つことが重要です。
同時に、自分がミスして
他人に迷惑をかけた場合には、
一言潔く「ごめんなさい」
と謝ることも非常に大切です。
この一言で人間関係が改善され、
信用を失うことも防げます。
傲慢な態度を取り、
「自分は常に正しい」と主張していても、
自分が間違っている場合に
相手に謝れない人は、
立派な人間を装っているにすぎず、
実際には立派だとは言えません。
自分に非がある場合には、
きちんとお詫びできる人こそが
ずっと立派で信頼できる人なのです。
親子関係でも、子供に対して
良くないことをしたと思った場合には、
親のプライドや威厳は捨てて、
子供にきちんと謝るべきです。
プライドが高すぎて
子供に謝れない親は、
子供からの信用も失うことになります。
残念な親にならないためにも、
自分が悪いと思ったときには
子供にも一言お詫びの言葉を
伝えましょう。
お詫びするべき場面で
一言「ごめんなさい」
と言える人になることで、
自分自身も成長していけるでしょう。