もっとネットを有効活用して、趣味や、学びや、生活を充実させよう

先日、友人とお喋りしていた時のこと。
友人:「高校生の息子が、
スマホでゲームばっかりやっていて、
全然、勉強しないのよ。
一番大事な時期なのに…(中略)
ネット上での誹謗中傷や、
ネットを悪用した詐欺事件も多発して、
ネット社会になって困ったものだわ…」。

友人の話を聞いていれば、
ネットの悪い所だけを列挙して、
ネットを悪者扱いしている様子だった。
この友人と同様に、
ネット社会が発達したことを嘆き、
悪く言う人たちも珍しくはない。

彼らの言うように、確かにネットには
悪い部分、闇の部分も存在する。
しかし、ネットのお陰で、
私たちの生活が向上して、
便利になった点もある。
もっと良い面にも目を向けて、
それを利用し生活を豊かにしたほうがよい、
と私は個人的に思った。

今回私がお話したいのは、
どんなことでも、良い面、悪い面
両方が存在すること。
メリットも、デメリットも満遍なく見て、
デメリットは極力最小限に抑えること。
また、メリットを最大限に活用することだ。

ネット社会の発達で、
具体的には、
どんなことが良くなったのか?
挙げればキリがない。

私が日本に住んでいた頃には、
インターネットはなかった。
何かちょっとした調べ物をするにも、
図書館まで行かなければならなかった。
自宅から一番近い図書館でも、
バスに乗って行く距離だ。
図書館で知りたいことを調べて、
寄り道せずに帰宅しても、
最低1時間はかかってしまう。

しかし、今では、
茶の間のパソコンで
チャチャっと検索するだけで、
知りたいことを見つけられる。
たいていのことは、5分、10分あれば、
答えを知ることができるのだ。
ネットのお陰で
調べ物もラクにできるようになった。

私が若い頃には、
何か勉強したいと思った時には、
専門学校へ行ったり、
なんらかのコースに参加して、
勉強するのが普通だった。
学校へ行くのも、コースを取るのも
お金がかかるし、
時間の面でも、決まった時間に
行かなきゃダメというものが多かった。

しかし、今では、
インターネットの接続さえあれば、
何時でも、何処でも、好きな時に
好きな分野のものを学ぶことが可能だ。
ネット上には様々な良い教材があり、
ほとんどのものは無料で活用できる。

私は英語学習に力を入れた時期があった。
その当時、通訳ガイドの専門学校へ通ったり、
ネイティブスピーカーの先生に
個人レッスンをお願いしたり、
英語雑誌を定期的に購読したり、
英語学習教材を購入したりして、
英語学習のために、
けっこうお金を費やしたと思う。

しかし、今ではその気になれば、
私が若い頃に一生懸命だった英語学習は、
ネットを活用すれば、
ほとんどお金を支払うことなく、
必要な教材を手に入れることができる。
しかも、自分の都合の良い時間に
気軽に勉強できる環境だ。
なんて素晴らしいことかと思う。

大学に進学して勉強する道もあるが、
必ずしも、大学に行かなくても、
ネット上の教材で知識を得ることもできる。
グーグルスカラーを利用すれば、
ありとあらゆる分野の論文、学術誌、出版物などに
無料でアクセスでき、学ぶことも可能だ。

私がニュージーランドに来たばかりの頃、
日本の家族や友人と電話で話したければ、
かなり高額な国際電話料金を支払う必要があった。
電話交換手を通した通話の場合には、
たった3分間話をしても、
1000円くらい料金がかかった。
そんなに高ければ、ゆっくり会話もできない。
用件だけを伝えることが多かった。

しかし、今ではスカイプやLINEを使用して、
無料でビデオコールができる。
最近はネット速度も大分早くなったので、
画質や音質もかなり質が高い。
無料ならば、何時間話しても大丈夫だ。
私が日本に居た頃には、
ビデオコールは
個人が気軽にできるものではなかった。
莫大なお金がかかるので、
ビデオコールをするのは、
海外支店があるような
大企業に限られていた。

外国語の意味や、日本語の意味が分からず、
調べたいと思った時にも、
辞書や辞典に頼る必要がなくなった。
チャチャっとネットで
言葉の意味を調べたり、
グーグル翻訳で意味を確認できる。
なんて便利なことか。

自宅の冷蔵庫にある食材で、
何か気の利いたものを料理したい時にも、
ネット検索で、料理のアイデアを教えて貰える。
料理本やレシピの雑誌を買うことなく、
ネット上ですべてレシピを見ることが可能だ。
今は皆、当然のように使っていても、
私が日本に居た頃には、
こんな便利なサービスはなかった。

ちょっと前までは
銀行まで出向いて色々手続していた。
しかし、今ではインターネットバンキングがある。
支払いや送金もあっという間に
自宅のパソコンで完結できる。
わざわざ銀行まで出向く必要がないから、
時間も有効に使うことができる。

CDやDVDを買わなくても、
ネット上で好きな音楽を楽しめたり、
お気に入りの映画を鑑賞できる。
こんな便利なことも、
少し前には考えられなかったことだ。

海外に住む友人に手紙を送るのにも、
昔は1週間ほど時間がかかった。
しかも切手代を支払う必要がある。
しかし、今ではメッセージも写真も
メールで簡単に送付できる。
たった今書いたものが、
地球の裏側で生活する友人に
直ぐに届いてしまうのだ。

私が今回言いたいことは、
どんなことでも良い面と悪い面と
両方が存在することだ。
悪い面ばかりにフォーカスを当てれば、
悪い面が膨れ上がって見え、
良い面が見えなくなってしまう。
逆に、良い面ばかりに集中すれば、
良いことばかりしか見えなくなる。

一番理想的なのは、
ニュートラルな視点で
ある事柄のメリット、デメリット、
ポジティブ面、ネガティブ面の両方を
満遍なくみることだ。
つまり、客観的に物事を観るということ。

ネット一つを取り上げても、
デメリットや闇の部分もあるが、
メリットやポジティブ面も必ずある。
悪い面と良い面とをしっかり見て、
どうすればデメリットを最小限に抑えられるか?
どうすればメリットを最大限に活かせるのか?
そちらをじっくり考えたほうがよい。

誹謗中傷で傷つかないためには
どうすればよいのか考えて、
その対策案を実践してみる。
ネット上で詐欺に遭わないためには、
どんな手口の詐欺があるのかを知るとよい。
見ず知らずの発信元から届いたメールでは
リンクは絶対にクリックしないなど、
気を付けるべきことを知るだけでも、
ネットから受ける悪影響を
減らすことは可能だ。

悪い面を最小限に抑えると同時に、
良い面は積極的に利用するとよい。
ネット上には有益な情報が溢れている。
自分にとって役立つ情報を選び抜き、
有効活用できるよう努めて、
趣味や、学びや、生活を充実させるとよい。

自分にとって有益な情報を厳選するのは、
とても大切なスキルだと思う。
これも「習うより慣れよ」で
実際に自分で試しながら身につけるものだ。

もっともっとネットを有効活用して、
趣味を楽しみ、色々学び、
生活の質を高めてゆけたら、
素晴らしいことではないか?