不安や緊張と上手く向き合い、本番で力を出し切る方法

高校受験、大学受験など
人生を左右する大きな試験や、
大勢の人たちを前にしてする、
会社でのプレゼン、就職の面接など
人生には様々な場面で、
自分の力を最大限に出し切りたい、
と思うことが幾度かある。
大きなイベント前には、
「自分は成功できるだろうか?」
と不安に思ったり、緊張してしまう人も多い。
そんな時、どのようにすれば、
不安を軽減して自分の本来の力を
出し切ることができるだろうか?
これが今日のテーマだ。

脳科学者・中野信子先生のよれば、
「本番前、不安なことを書き出して、
見える化すること」がその対処方法だ。

大きなイベントの本番前に、
心配したり、不安を感じたり、
緊張している場面で、
「ここまでやったんだから、自信を持て!」とか、
「そんなに緊張するなよ」と言い、
励ましてくれる人がいる。
一見、役立ちそうな言葉ではあるが、
実は、このアプローチは
不安を増大することになり、逆効果だ。

不安な時に、必死に努力して
不安を抑えようとすればするほど、
不安な気持ちは大きくなってゆくもの。
緊張が強い時に、「緊張しちゃダメだ」と
自分に言い聞かせることに一生懸命
であればあるほど、余計緊張してしまう。
自分の中に、緊張している自分を
モニターしている自分がいて、
その自分が「緊張してはいけないんだ。
それなのに緊張している」と言い、
緊張していること自体を問題視する。
そうなれば、緊張の度合いは増々強くなる。

不安や緊張を消し去ろうと努力することや、
ムリに「自分はできる」と思うことは、
正しい対処法ではない。
それよりも、不安や緊張を忘れようとせずに、
そのまま、きちんと受け止めること。
今の自分の気持ちを正直に
紙に書き出したり、友人に言ったりすること。
つまり、「不安を見える化する」ことが、
不安や緊張と向き合い、自分の力を出せる方法だ。

中野先生は、シカゴの高等学校での
実験結果を紹介している。
その実験では、試験前に
学生を2つのグループに分けた。
一つのグループには、不安な気持ちを
書き出すように指示する。そして、
もう一つのグループにはそうさせなかった。
試験終了後、両グループの学生たちの
得点を比較すると、
不安な気持ちを書き出したグループの方が
平均して10パーセントも点数が高かったそうだ。
この実験結果は、不安を書き出すことにより、
不安が軽減されて、実力が出せることを証明している。

不安を認めて書き出すことは、
単にアウトプットする行為では終わらない。
そうすることで、人間脳は
「それにどのように対処すればよいか」
ということを考えるようにもなる。

本番と似たようなシチュエーションを作り、
本番と同じようなことを
繰り返し何度もやることで慣れる、
という方法もある。
宇宙飛行士たちは、この方法で訓練するそうだ。
普段から、本番と同じことを繰り返すので、
本番の時がきても、
「いつもと同じようにすれば大丈夫だ」と思える。
実際に何度も似たシチュエーションを経験すれば、
慣れることで緊張や不安も軽減されてゆく。

ということで、今日のまとめ。
大きなイベント時に
上手く不安や緊張と向き合い、
自分の力を出し切るには、
1)不安を否定せず、そのまま受け止める。
自分の気持ちを書き出して「見える化」すること。
2)本番と似たようなシチュエーションを作り、
繰り返し何度も練習して慣れる。
ということだ。

中野先生、役立つトークを有難うございました。

参考動画:「中野信子 – 本番で力を発揮する方法!勝負に強い脳とは?
(ユーチューブチャンネル 一流びとの思考 Mind of first classより)